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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第35話[表] 浮遊甲冑

……色々あって、更新が遅くなりました……

<Side:Akari>

「浮遊する……甲冑?」

「まるで、『リビングアーマー』じゃのぅ。両手に武器を持つのは見た事がないがのぅ」

 そんな事をマーシャちゃんとクレリテが呟くように言った通り、ロゼの警告と共に姿を現したのは、両手に武器を持った浮遊する甲冑だった。

 

「名無しの――未知の魔物ってわけか?」

「まあ、そういう事になるのかのぅ?」

 ロディとクレリテのそんなやりとりを聞いて、

「――リビングアーマーって『動く甲冑』みたいな意味だっけ?」

 と、ふと気になった事を口にする私。

 

「そうですね。まあ、これは動くというか浮いてますが」

「そうねぇ……。しかもこいつら甲冑は甲冑でも『上半身部分だけ』だから、名付けるのなら……レビテートハーフプレートリビングアーマーって感じかしらね?」

「まあ……たしかにそうですけど、それ長いですね」

「……うん、自分で言っといて何だけど私もそう思ったわ。って事で、浮遊甲冑でいいわ」

 私はユーコにそう告げるなり、弓を構える。

 それは、ユーコと話している間にチャージが終わったから。

 

「とりあえず、吹っ飛ばすわっ!」

 その声と共にチャージショットを放つ私。

 一直線にビームのごとき閃光が奔り、その先に居た浮遊甲冑5体を閃光へと引き寄せつつ消し飛ばした。

 

「ただでさえ破壊力が段違いじゃというのに、吸引する力まで兼ね備えている辺りが凄まじいのぅ……」

 そんな事を少し呆れ気味にクレリテが言った後、

「バキュームビームだねぇー」

 なんて事をマーシャちゃんが続けてきた。

 

 いや、その名前はちょっと……

 などと思っていると、フォォンという法螺貝の吹きかけのような……と表現するのが一番しっくりきそうな、そんな妙な音と共に、中央の台座から青白い光が、まるで波――波紋のように広間の床全体に広がった。

 そして、

「……いや、どうやら普通に倒しただけじゃ駄目そうだ」

 と言いながら、私の倒した浮遊甲冑5体の居た方を凝視する蒼夜。うん?

 

「――復活……した?」

 ユーコが疑問符を浮かべた通り、浮遊甲冑5体が再びその姿を現していた。

 それも、私が吸引して倒したその状態――『5体固まった形で』だ。

 それはたしかに『復活』と呼ぶのが正しいような、そんな状況だった。

 

「この台座の術式が動作したようじゃ。つまり……決まった倒し方をせぬと、この台座が復活させてしまう……と、そう考えるのが妥当じゃろうな」

「やれやれ、ここに来て面倒なギミックが出てきたもんだ」

 クレリテの推測を聞いたロディが、文字通りやれやれと両手を広げて首を横に振ってみせる。

 

「決まった倒し方って言われても……ねぇ」

「うん。さすがにノーヒントすぎる。うん」

 私の言葉に頷いてそう続けてくるロゼ。

 そして、

「うーん……どうしましょうか。もうちょっと倒してみます? それとも、回避しながら広間の中を調べてみます?」

 と、そう問いの言葉を投げかけるユーコ。

 

「そうだなぁ……。よっと」

 思考しながらサラッと融合魔法を放って浮遊甲冑7体を吹き飛ばす蒼夜。

 

 ……私の吸引チャージショットよりも高い威力をサラッと放つのやめて欲しいわねぇ……まったく。

 なんて事を思っていると、再び先程と同じくフォォンという音と共に青い光の波紋が床に広がり、浮遊甲冑が復活する。

 

「――倒しても無駄そうだから、回避しつつ調べるしかないな。で、もし調べるのに邪魔になりそうな場合は、誘導してどかすとしよう」

 と、そう告げてくる蒼夜。

 

「うん、了解。――ん、マーシャ、私の近くから離れちゃ駄目。うん」

 ロゼが蒼夜に同意しつつ、そう言ってマーシャを自分の近くに引き寄せた。

 

 さて……どこから調べていけばいいのかしらね……?

どうにか日を跨ぐ事にはならなかったものの、更新が予定よりもかなり遅くなってしまいました……

次回も諸々あります関係で、平時よりも1日多く間が空いてしまいそうですが、更新時間はいつも通りの時間に出来るようにしたいと思っています……


とまあ、そんな所でまた次回! 上に記載した通り、次の更新は……7月2日(日)を予定しています。


※次の更新の『月』が間違っていたので修正しました。

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