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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第31話[Dual Site] 虚空に浮かぶ神殿

<Side:Souya>

「な、なんだか凄い景色が広がっているわね……」

 完全に開いた門の先に広がっていた光景を見て、驚き気味にそう呟く灯。

 

「まるで宇宙みたいですね。星の輝きみたいなものが無数にありますし」

「そうだな。……あれは一体なんなんだ? さすがに星ではないだろうし……」

 ユーコに対してそんな風に返しつつ、周囲を見回すロディ。

 

 そして、そんな宇宙空間の如き場所に『浮かんでいる状態』の建造物がそこにはあった。

 それはまさに――

「――神殿といった感じだな……」


「そうじゃな。よもや本当に神殿になっておるとはのぅ」

 俺の呟きを聞いたクレリテが、頷きながらそう言ってくる。

 

 そう。俺たちの視線の先にある建造物は、まるでギリシャやエジプトといった、地中海沿岸地域の古代神殿を組み合わせたかのような、そんな造りをしていた。

 まさに、これを神殿と言わずしてなんというのか、といった感じだ。

 

 そして、その建造物は門から少し離れた場所にあり、そこまでは曲がりくねった通路が続いている。無論、この通路も宇宙空間の如き場所に浮いているわけだが。

 

「しかし、何故このような場所に神殿が作られておるのじゃろうか……? もしや、女神以外の神殿でそれを隠蔽する為……とかじゃったりするんじゃろうか?」

 そんな事を言いながら、門の中――通路へと足を踏み入れるクレリテ。

 

「――それは中を探索してみないとなんとも言えんな。だが、とりあえず探索する前に、この門が開いた事を各方面に伝え、門の防衛要員を増やしておくとしよう。『竜の御旗』が開いた事に気づいて仕掛けてくるかもしれないし」

 俺がそうクレリテに告げると、

「お、おお、そうじゃったな。すまぬ。この光景を目の当たりにしたら、ついつい探究心の方が勝ってしまったわい」

 なんて事を言って頬を掻くクレリテ。

 

 ま、その気持ちも分からんではないけどな。

 と思いつつ、探索する前に各方面への連絡を始める俺たち。

 

 とそこで、

「とりあえず私たちはする事ないし、あの神殿部分まで行ってみて、問題ないか確認しておく?」

「そうだな。ガーディアンの類が出てくるかもしれないし、一応確認しておくか」

 なんて事を灯とロディが言った。

 

「ああそうだな。こっちはすぐには動けないし、そうしておいてくれると助かる」

 そんな風に俺が言うと、

「なら、私も行くー!」

 と、そんな風にマーシャが言ってきた。

 しかしすぐにロゼが、

「ん、危険だから駄目。アカリたちの確認が終わってから。うん」

 と返しながらマーシャを掴み、それを静止する。

 

「むむぅー」

 という不満げな声を発するマーシャだったが、何が出てくるかわからないから、さすがに一緒に行かせるわけにはいかないというものだ。

 

                    ◆

 

<Side:Akari>

「それにしても随分とクネクネとした通路よねぇ……。一直線に作ればいいのに、なんだってこんな造りにしたのかしら?」

「たしかに、随分と遠回りさせられてる気がしますね」

 私の呟いた疑問に同意しつつ、周囲を見回すユーコ。

 

「……いかにも何かありますって感じの広場が見えてきたぞ……」

 正面に現れた大きな円形の広場を見ながらそう言ってくるロディに対し、

「通路の途中にある円形の広場……。もうこれ、ボスが出てきそうな感じしかしないわね……」

 と、肩をすくめながら返す私。

 

「そうですね。どう考えても何か現れそうですね。マーシャちゃんを連れて来なくて正解だった気がします」

「そうだな。さて、何が出てくるのやらって感じだ」

「ま、オルティリアの遺跡みたいに、倒せない奴じゃない事を願っておくわ」

 ユーコに対してロディと私はそう返しつつ、得物を構えて円形の広場へと歩み寄る。

 

 しかし……

「……あれ? 何も来ないわね?」

 予想に反して、広場に足を踏み入れても何も現れなかった。

 

「ただの休憩場……みたいなものなのでしょうか?」

「それにしては殺風景すぎる気がするが……」

「良く分からないけど、まあ……何も来ないなら先へ進みましょうか」

 ユーコとロディに続くようにして私はそう言って奥へと進む。

 

 と、その直後、ゴゴゴゴゴゴッという振動音と共に、通路の先から何かが爆走してきた。

 それは通路を完全に埋め尽くす程の大きな戦車――無論、戦車といっても現代のではなく古代の戦車だけど――だった。

 しかも、巨大な車輪からは横――水平にビームの刃のようなものが伸びており、このまま突っ込んできたら広場のどこに居ても一刀両断されそうな感じだったりする。

 

 ……この広場の意味とは……って感じがするわねぇ。ホント。

第1部からずっと引っ張り続けてきた『門』の先の探索です。

ようやくここまで来られました……


とまあ、そんな所でまた次回!

……なのですが、申し訳ありません次の更新も所々諸々の都合により、平時よりも1日多く間が空きまして、6月17日(土)を予定しています……

ただ、その次の更新はおそらく平時通りの間隔に戻れると思います。

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