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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第29話[表] 門へと至りし者たち

<Side:Akari>

「城から一気に洞窟になったわね……」

「もしかして、ここってガディ・アドの迷窟……ですか?」

 私の呟きに続く形でそんな問いの言葉を口にするユーコ。

 

「うん、そう。そしてこの先に『門』がある。うん」

 そう返事をしながら狭い洞窟を進んでいくロゼに続いて歩く事しばし……

「うわぁ、急に広くなったねー。しかも、柱みたいなものも見えるしー」

 と、マーシャちゃんがそんな感想に口にする。

 そしてその感想通り、狭くて上下左右に曲がりくねった通路を抜けた場所は、石造りの柱が立ち並ぶ広い空間だった。

 

「柱だけじゃなくて、石畳っぽい造りの道のようなものも伸びているな……」

 周囲を見回しながらロディがそう呟くように言うと、

「ああ、そうだな。それ故に『門』――裏位相コネクトゲートの先に存在するのは神殿の類で、ここはその神殿へと続く参道のようなものだったのではないか……という考え方をしている者もいるくらいだ」

 なんて説明を蒼夜がしてきた。

 

「うーんなるほど……。そう言われてみると、たしかに神殿とか寺院とかへと続く参道っぽい雰囲気もあるわね」

「うん。門の先にどんなものがあるのかさっぱり分からない。うん。だから、実際に神殿が存在していたとしても、うん、驚きはしない」

 私の発言に続くようにしてそんな風に言うロゼ。

 

「それにしても……国軍の兵士と思しき者たちの姿がそこかしこにあるな。ここまではほとんど見かけなかっただけに妙な感じだ」

「たしかに、急に厳重な警備体制になったような感じがありますね」

 ロディとユーコが周囲を見回しながらそう口にした通り、兵士の数がかなり多い。

 なにしろ、等間隔に存在する石造りの柱ひとつごとに、3人前後ずつの兵士が立っている程だし……

 

「ま、ここまでは道が狭いからな。そんなに厳重に警備する必要はないし、『竜の御旗』が狙っているのはあくまでもこの先の『門』だ。何かあったらすぐに『門』へ殺到出来るよう、なるべく近くに防衛戦力を集中させてしている感じだな。ここから先は広いから人数が多くても問題ないしな」

「うん。それと、もしも『門』が開いて、先へ進めるようになったら、うん、『竜の御旗』よりも先行出来る。……これまでほとんど後手に回っている状態だから、うん、ここらで先手を取りたいという思惑もある。うん」

 ロゼが蒼夜に続き、そんな風に言って顔を正面に向ける。

 そして、

「ん、その『門』が見えてきた。うん」

 と、そう言葉を続けた。


 ロゼの言う通り、私の視線の先には巨大な門がそびえている。

 というか、これはまた――

「思った以上に大きいわね……。そして、細かい彫刻やらなにやらがびっしりあって、随分とまあ『しっかりと造られた門』ね。もうちょっと簡易的なものかと思っていただけに、これは驚きだわ」

「はい。あの門の先が岩盤だとは思えないくらいの造りですね」

 門を眺めながら口にした私の感想に頷き、そう返してくるユーコ。

 

 と、そこで見知った人物――クレリテが門へと続く階段の所に立っているのが視界に入った。

 そして、クレリテも私たちの存在に気づいたらしく、こちらへと歩み寄ってくる。

 

「おお、おぬしらか。遠路はるばる……という程の距離でもないが、わざわざこのような所までやってくるとはご苦労様じゃのぅ」

 なんて言葉を投げかけてくるクレリテ。

 

「昨日ぶりだな。つーか、これ程のものだとは思わなかったぜ」

 クレリテに対し、ロディがそんな風に返事をすると、

「そうじゃのぅ。妾も最初見た時は驚いたものじゃ」

 と、そう返してくるクレリテ。

 

「うーん……。こんな大きさな門が必要になるだなんて、一体何を通したんだろうねー?」

「ふーむ。何かを通す為にこの大きさにしたのかどうかまでは分からぬが、マーシャの言う通り、意味もなくこの大きさにしたとは思えぬのもたしかじゃのぅ」

 クレリテがマーシャの言葉に対してそんな風に答えつつ、門を見上げる。

 

「たしかにそうですね。……ちなみにちょっとすり抜けてみても良いですか?」

「それは構わぬが、本当に岩盤しか門の向こうにはないぞい?」

「ええまあ、それを確認したいと思いまして」

 許可を貰ったユーコがそう返しつつ、早速門へと移動。

 そしてそのまま、スゥっと門の中へ消えていった。

 

「……あれ? すぐに戻ってくるかと思ったけど、戻ってこないね?」

「そうね……。もしかして実は何かあった……とか?」

 マーシャちゃんに続く形で、そんな疑問の声を口にしながら門へと歩み寄る私。

 

「そんなはずはないんだがなぁ……」

 と言いつつ、門を凝視する蒼夜。

 クレアボヤンスを使っている感じかしらね?

 

「やっぱり普通に岩盤だな。というか、大分先まで言ってただけっぽいぞ」

 蒼夜がそう告げてきた所で、ニュッと門からユーコが姿を現す。

 あ、本当だわ。

 

「一体どこまで行ってたのよ……」

「あ、いえ、その……もしかしたら、かなり先の方にあるのかも……とそんな事をふと思いまして……。まあ、何もありませんでしたが」

 呆れ気味に問う私に対し、そんな返事をしてくるユーコ。

 

「まあたしかに分からなくもないけどね。……にしても、随分と細かい紋様がびっしりと刻まれているわねぇ……」

 ユーコに向かってそう言いながら、門に刻まれた紋様に手を触れてみる私。

 

 と、その刹那。

 ドクンッという鼓動のようなものが手から感じた。

 

 ……って、え……?

途中で区切るか迷ったのですが、門に辿り着くだけというのもあれだったので、ここまで描写してしまいました。

そして、何やら灯に門が反応していますね……?


とまあそんな所でまた次回! 次の更新は平時通りの間隔となりまして、6月9日(金)を予定しています!

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