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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第26話[表] クレアボヤンスとログの調査

<Side:Akari>

「うん? カリンカがここに来るなんて珍しい。うん。どうかした?」

 やってきたカリンカの存在を不思議に思ったらしいロゼがそう問いかけると、

「あ、うん、既に聞いてるかもしれないけど、アルケインスターの真下付近にある魔力スポットに設置されていた幻導具を運んできたんだよ」

 などと、物凄い砕けた口調で答えるカリンカ。


 それにしても、カリンカの素の喋り方ってこういう感じなのね。 

 って、それはともかく……やっぱり例の装置を運んできたみたいね。

 

「ああ、例の件か。たしかにそれに関しては俺も気になる所だな。インスペクション・アナライザーで壁の先にあるであろう術式を確認出来ればいいんだが……」

 ロゼの代わりにそう返事をする蒼夜。

 それに対してエステルが、

「ああそれなんじゃが、たしかに普通のインスペクション・アナライザーでは無理じゃが……お主の『透視の異能』と最新のインスペクション・アナライザー……を改良した物を組み合わせば、確認出来そうな算段がついた所じゃったりするぞい」

 なんて事を言った。

 

「ええっ!? そ、そんな方法でいけるの!?」

 まさか、そんな方法で見えるだなんて思ってもいなかった私は、告げられた本人――蒼夜よりも驚いて、そんな言葉を口にする。

 

「なんでお主が蒼夜よりも驚くんじゃ……」

「いやぁその……まさか出来るなんて思っていなかったから、つい……」

 呆れ声のエステルに対し、頬を掻きながらそう返す私。

 

「まあ……元々クレアボヤンスは壁の向こう側を視る事も出来るサイキックだしな。ある意味、理に適っていると言えなくもないか」

「たしかにそうだな。もっとも、普通のインスペクション・アナライザーじゃ無理なわけだし、そこはある意味、さすがエステルだと言うべき所ではあるが」

 ロディの発言に頷きつつ、そんな風に言ってエステルを見る蒼夜。

 

「おだてても、それ以上の物は出せんぞい? それと……あくまで算段がついただけじゃ。これから色々と調整が必要での。今日明日にどうこう出来る……という話ではないぞい」

「でも、エステルなら割とすぐにどうにかしそうだよねー?」

 マーシャちゃんにそんな風に言われ、

「……まあ、そうじゃなぁ……。3~4日あれば、どうにかテストが出来そうな感じではあるがのぅ……」

 と、腕を組みながら答えるエステル。

 

「ほらやっぱり」

「3~4日なら、ボクたちがこの国に滞在している間に、余裕で結果が見られそうだねぇ」

 マーシャちゃんに続くようにして、アリシアがそんな風に言う。

 

「たしかにそうですね。直接シャレコウベの山を見てしまった身としては、あの場所の事は凄く気になっていますし、もしあの場所でテストするのでしたら同行させてください」

 ユーコが頷きながらエステルにそう告げると、エステルはサラッと「無論、構わんぞい」と承諾の言葉を返した。

 

「うーん……そうね。私もあの件は気になっているし、ユーコが行く時は私も一緒に行こうかしらね」

「あ、私も同行するよ。ギルドとしては、なるべく早く根源部分をどうにかしたい所だし、そのテストで何か判明して、そのままどうにか出来る可能性もあるからね」

 私に続くようにしてそんな風に告げるカリンカ。


「そうじゃなぁ……可能性自体はないとは言えぬのぅ。この後、幻導具のログを調査する故、そっちで何らかの情報――それこそ、問題の根幹となっている術式の情報など――が見つかるやもしれぬしの」

「ねぇねぇエステルゥ、その調査ってボクも手伝えたりするぅ?」

 エステルの発言に対して、そんな疑問の言葉を投げかけるアリシア。

 

「そうじゃなぁ……。お主の技量なら可能じゃろうが……お主、明日はアルミューズ城へ行くんじゃろう?」

「うーん……たしかにアルミューズ城も見てみたいけどぉ、でも……今はそっちの方が気になるんだよねぇ、ボク的には」

「ふーむ……。人手が多くて困る事はないゆえ、手伝いたいというのならばこっちとしては願ったり叶ったりじゃが……」

 エステルはアリシアに対し、ちょっと困惑した表情でそう返事をすると、そのままロディの方へと顔を向けた。

 

「まあ、アルミューズ城に行くのは業務でもなんでもない単なる観光みたいなものだしな。アリシアがそのログの調査の方をやりたいって思ってんなら、そっちをやればいいと俺は思うぞ」

「そういう事、そういう事ー。ってなわけでよろしくねぇー」

 ロディの発言を聞いたアリシアが、ウンウンと首を縦に振りながらそう改めてエステルに告げる。

 

「――わかったわい。それじゃあ、明日……いや、今から早速手伝って貰うとしようかのぅ」

「了解ー! ふっふー、何が見つかるのか楽しみだねぇー」

 肩をすくめながら返答してきたエステルに対し、ワクワク顔でそんな風に返すアリシア。

 

 うーん……。実にアリシアらしいというかなんというか……

 私にはちょっと真似出来ないわねぇ、こういう所は。

なんだかサブタイトルが微妙な気がしますが、他に思いつかなかったもので……

それはそれとして……次の話からはアルミューズ城になります。

久しぶりのアルミューズ城ですが……? といった所でまた次回!


次の更新は平時通りの間隔となりまして、5月30日(火)を予定しています!

……ただ、その次は月初の諸都合で平時よりも多く間隔が空いてしまいそうです……

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