第25話[表] 数々の謎を語る者たち
予定より遅くなりました……
<Side:Akari>
「それはそうと……その端末、『プラネタリウム研究室』の物だとか言っていましたが、そのような物まで研究しているんですね。驚きました」
ユーコがそんな風に言いながらエステルと蒼夜を交互に見る。
「実はその『プラネタリウム』なんだが、『2億年前のもの』なんだよ」
「「に、2億年前っ!?」」
さらっととんでもない事を言ってきた蒼夜に対し、驚きの声を上げる私とアリシア。
「なるほど……。遥か大昔に作られ、現代に至るまでの長い時の中で、朽ち果てる事がなかった遺物……か。極稀にそういうのが遺跡で見つかるってのは俺も知っているが……」
「うん。シャルが持っている刀なんかも、それ。うん」
ロディの呟くような発言に対し、頷きつつそんな風に言うロゼ。
「シャルの刀ってそんな代物だったのね……」
私は呆れ気味にそう返事をすると、一呼吸置いてから、
「でも、ここって移民船――コロニーの中なのよね? 2億年も前から、他の惑星へ移住する為に宇宙をさまよっていたの? というか、良く壊れないわね……」
という疑問の言葉を投げかけた。
「実の所、そこらへんが良く分かっておらんのじゃよ。遺物のみならず、この世界――コロニーの外壁や『竜の座』が、どうして何億年もの時を経ても、そのままの姿を維持出来ているのか……という点ものぅ」
「まあ、コロニーの周囲の空間は、時の流れが歪んでいるようだから、その辺りが影響しているんじゃないかとは思うが……」
エステルと蒼夜がそんな風に言うと、
「時の流れが歪んでいると言えば……現在、事実上の封鎖状態にある南の大陸――ローディアス大陸と他の大陸とでは、時の流れが違うという噂があったな……」
と、腕を組みながら口にするロディ。
「うむ、その噂は真実じゃな。……とはいえ、『銀の王』たちがあの大陸を封鎖して何をしようとしておるのか、そしてどうして時の流れが異なってしまっておるのか……というのはさっぱりじゃがの」
頷きつつそんな風に言い、やれやれと首を横に振ってみせるエステル。
「うん、たしかにそう。そして、それを突き止める事が出来れば、うん、さっきの『疑問』も解決しそうな気がする。うん……」
ロゼがエステルに同意しつつそんな風に言うと、それに対してマーシャちゃんが頬に人差し指を当てながら、
「パパたちが以前行ったっていう、『冥界』って呼ばれているコロニーと空間を連結する以外にも、複数のコロニーと空間を連結しているようだから、時の流れの異常はそのせいだと思うけどー、なんでそんな事をしているのかはさっぱりだよねぇ」
なんて事を言ってため息をついた。
……って。な、なんだか凄い事言ってるわね……
「――正直、そういった『知識』や『情報』に関しては『銀の王』――『竜の御旗』の方が詳しいのが現状だからなぁ……。どうにかして、こちらも奴らと同等以上の『知識』や『情報』を得たい所ではあるが……」
「ん。既にこちらで抑えてあるアルミューズ城の地下の『門』……。うん、あれが開かれれば、奴らの持っていない情報を得られそうな感じはある。うん」
蒼夜に対してそんな風に告げるロゼ。
「そう言えばそんな話してたわね。それって、どんな代物なの?」
「ん。簡単に言えば、開かない巨大な門。うん。一見、何の変哲もない代物。うん」
私の問いかけに、ロゼがそう説明してくる。
う、うーん……。何の変哲もない開かない門……と言われても……
どうにも『ソレ』をイメージ出来ていないでいると、
「ま、百聞は一見にしかず、というしな。明日にでも見に行ってみるのが一番じゃないか?」
と、蒼夜が肩をすくめながら告げてくる。
「……たしかにその通りね」
「はい。アルミューズ城自体にも興味がありますし、行ってみましょうか」
私に続くようにして頷き、そう言ってくるユーコ。
それに対し、
「それじゃあ、明日はアルミューズ城だねぇ。そして、その為にもぉ、今日中にしっかりきっちりばっちり大工房を見て回らないとぉー!」
なんて事を言って両手をギュッと握り、目を輝かせてみせるアリシア。
……うんまあ、アリシアにとっては宝の山みたいなものだものねぇ、この場所。
もっとも、私自身も色々と気になる物はあるんだけど。
色々ありました関係で、予定よりも大幅に更新が遅くなってしまいました……
もう日を跨いでから、かなりの時間が経過してしまっていますね……
次の更新は、5月23日(火)を予定しています(次は予定通りに更新出来ると思います……)




