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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第15話[表] 幽霊と幻影と……

<Side:Akari>

「――何箇所かで『仕掛け』ではない『影』が発見出来ましたが……」

「そうじゃのぅ。そして幽霊と言えば幽霊じゃが……ただそこに存在しているだけ、かつ魔法やアストラル体と接触すると消滅する……というのは、実に妙な感じじゃな」

 カリンカに対して頷きつつそんな風に言うクレリテ。

 

「消えてもしばらくすると復活しますしね」

 ユーコが『ちょうど復活する所』の『影』へと視線を向けながらそう告げると、クレリテはその『影』を眺めつつ、肩をすくめてみせる。

「そうなのじゃよなぁ……。これもまた、妙なのじゃよなぁ……」

 

「うーむ……。なんというか、魔法と魔法がぶつかった時の相殺現象に似ているな」

 腕を組みながらそんな事を呟いたロディに、私はそう言えばそんなのあったわねぇ……思いつつ、

「あー……。最近は一方的に掻き消す事が多いからすっかり忘れていたけれど、本来魔法って、威力に関係なく真っ向からぶつかり合うと両方とも消し飛ぶんだっけね」

 と、口にする。

 

「ああ。疑似融合魔法だの特殊すぎるチャージショットだので、一方的に掻き消せる方が、現象としてはイレギュラーだからな」

「それは複数の変異した魔煌波が複雑に絡み合って一種の撚糸のようになっておるからじゃな。そこに単一の魔煌波がぶつかった所で術式の崩壊を起こす事は出来ぬ」

 ロディに続く形でそんな説明をクレリテがするが、良くわからない。

 

「うーん……。要するに、1本の矢だと簡単に折れるけど、3本束ねればそう簡単には折れなくなる……ってのと同じって事かしら?」

 日本の有名な逸話のひとつを引用する形で、そう問いかける私。


「ま、簡単に言えばそういう事じゃな。普通の魔法が1本の矢で、融合魔法などが3本束ねられた矢……といった所じゃの。そして、幽霊は当然と言えば当然じゃが……その霊体を構成しているのは単一の力ではない。様々なものが組み合わさって構成されておる。あのように簡単に消えるというのは、まずありえぬ」

 そんなクレリテの話を聞いたユーコが、カリンカの方を向き、

「それでカリンカさんは、一番最初の所で、あれが『残留思念』が『幻影』ではないか……と、そう言ったんですね」

 という言葉を投げかけた。

 

「はい。残留思念や幻影は、まさにその『単一の力』なので、簡単に消えてしまいます。もっとも……あれがそうであるのなら、どうして常時出現していないのかとか、消えてもしばらくすると復活するのかとか、別の疑問が湧いてきますが……」

 カリンカがそう言ってため息をつきながら首を横に振る。

 

「誰かが幻影舞台の装置――あるいはその類似の魔煌具を使っている……とか、そんな感じなのでしょうか?」

 ユーコがそんな疑問を口にすると、

「そうじゃなぁ……。その可能性自体はゼロではないのじゃが、そんな事をする理由がわからぬのぅ。……まあ、嫌がらせ程度の可能性もまたゼロではないがの」

「もっとも、嫌がらせにしてはハイリスクすぎるけどな……」

 なんて事を告げてくるクレリテとロディ。

 

「たしかにそうですね……。一応、幻影舞台に使われている装置が失われていないかというのを確認してみるといたしましょうか」

「うむ、それが良かろう。このままアレコレと考え込んでいるだけでは、解決に向かって進まぬしな。これを機に再度情報を収集するのが良さそうじゃ」

 カリンカに対して、クレリテが頷きながらそう返す。

 

 それを見ながら私は、本当に一体何なのかしらねぇ……アレ。

 と、そんな事を思うのだった――

ギリギリに完成した結果、諸々不十分な所があります為、後ほど再度調整を行うかもしれません。


とまあそんな所でまた次回! 次の更新は先日記載した通り、平時よりも1日多く間が空く形となりまして……4月19日(水)を予定しています!

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