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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第5話[表] アズマにて

<Side:Akari>

「思った以上に馴染みのある料理ばかりだったわ……。味付けも」

 私はそんな感想を口にしつつ、肉豆腐定食――の肉に箸を伸ばすと、

「そうですね。このきつねうどん、お揚げの甘辛さが絶妙で最高ですね」

 と、返しながら大きな油揚げを口に入れるユーコ。

 

「……ユーコぉ、それ3品目だよねぇ?」

「月見そばに、ひもかわうどんのせいろときて、きつねうどん……。見事に麺類ばっかりだな」

 アリシアと蒼夜がそんな風に言う。……たしかに麺類ばっかりねぇ……

 

「なんというか、その……ひさしぶりに見たら、どれも食べたくなってしまいまして……」

 そう答えるユーコに対し、マーシャちゃんが、

「よく入るねー。私なんてひとつでお腹いっぱいだよー」

 なんて言葉を投げかける。

 

「そう言われてみるとそうね。ユーコ、いつもはそんなに食べないわよね?」

「ええ、そうですね。でも、なんというか……その、今日は全部食べられる気がしたというか、食べないともったいないと思ったというか……」

 私の発言に、そう返してくるユーコ。

 う、うーん……。どういう事なのかしら。

「……久しぶりに懐かしい食べ物を目にして、食欲が底なしになったとか? アストラル体の不思議って感じがするわ……」

 

「うん、たしかに食べた物がどこに消えていくのか気になる。うん」

「多分、アストラル体の構成要素……霊力的なものに変換されているんじゃないかなー」

 ロゼの疑問に、そんな推測を口にするマーシャちゃん。


 ……時々、さらっと凄い事言うわよね……マーシャちゃんって。

 ヴァロッカでの出来事を、この目と耳で直に見聞きしていなかったら驚いている所だわ。

 

「というか、こっちもこっちでバッチリ食べてるよねぇ」

 アリシアがそんな風に言いながら、ロディの方を見る。

 そのロディはというと、

「バッチリというか……大盛りが想定以上に大盛りすぎた……というのが正しいな」

 なんて事を言いつつ、大盛りの鶏の唐揚げと格闘していた。


 そう……。大盛りなのはご飯ではなく、鶏の唐揚げだったりする。 

 塩をかけたり、レモンをかけたり、そのまま食べたり……と、少しずつ味を変えながら、次々に鶏の唐揚げを食べるロディ。

 そして、

「たしかにこいつはウマい。ウマいが……チキン系はしばらくいいな……」

 と、そう呟いた。

 

 ……ま、まあ、この量を食べたらそういう感想になってもおかしくないわね……。うん。

 などと思った所でアリシアが、

「ところで、明日はどうしようねぇ?」

 と言って私たちを見回す。

 それに対して、蒼夜が顎に手を当てながら、

「そういや、エステルが午後に戻ってくるって言ってたな」

 なんて事を告げてきた。

 

「あ、それなら大工房を覗いてみたいぃ」

「大工房……。私も気になるわね」

 アリシアに続く形で、そう口にする私。

 そして、

「ああ、俺もちょっと覗いてみたいな」

「そうですね。どういう所なのか気になります」

 と、ロディとユーコも続く。

 

「うん? そうなると……午前中は適当に過ごして、うん、昼食の後、大工房へ行く感じ? うん」

「そうだな。そんな感じでいいと思うぞ」

 首を傾げるロゼにそう返す蒼夜。

 

 午前中は適当に……と言われても、どうしたものかしらねぇ……

 ロゼの家でのんびり……というのも何か違う気がするし。


 うーん……。グランテール百貨店――百貨店という名称ではあるけれど、ショッピングモールみたいな広さを誇っているらしい――へ行ってみるのもいいかもしれないわね。

 なにか面白い物が見つかるかもしれないし。

次回はグランテール百貨店です。……ここも久しぶりですね……


といった所でまた次回!

次の更新は、平時通りの間隔となりまして……3月17日(金)を予定しています!

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