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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第4話[表] ロゼの家とアズマ

<Side:Akari>

「そういえばぁ、ルクストリアには北エレンディアのような高層ビルはないんだねぇ」

「ああ、そう言われてみるとそうだな。もっとも、俺としてはこっちの方が懐かしいというか、親近感が持てる街並みだけどな」

 屋敷へと続く庭園の道を歩きながら、アリシアとロディがそんな風に言ってくる。

 

 ロディの出身ってドイツだったわよね……

 たしかにヨーロッパって、近代的な街だけじゃなくて、中世時代そのものな感じの街も多い印象ではあるけど、そういう街の出身なのかしら?

 

「ルクストリアは、古い街並み自体が観光名所でもあるからねー。ああいう高い建物は景観を損ねるからって事で建てられないっぽいよー。百貨店くらいが限界っぽいねー」

 そうマーシャちゃんが説明すると、

「なるほど……納得です。『私たちの街』にもそういうのありましたしね」

 と、そんな風に言いながら、私の方を見てくるユーコ。

 

「そう言えばあったわね。でも、なんというか……こういう新しいものと古いものが入り混じっている街並みって良いわよね。長い歴史を感じるし」

「ん、歴史大事。観光資源大事。うん。……だから、壊すの危険。うん」

 私の発言に対し、何故か意気消沈気味にそう返してくるロゼ。

 う、うーん……。壊した事でもあるのかしら……

 

                    ◆

 

<Side:Akari>

「屋敷の中も広すぎるぅー」

「まさか、地下まであるとは思いませんでした……」

「お風呂が広くて驚いたわ……。たしかに大浴場って感じだったし……」

 アリシア、ユーコ、そして私がそんな感想を口にしながら、和モダンな雰囲気のある広間に設けられたソファでくつろいでいると、ロゼがやってきて、

「ん、3人共、そろそろ夕食……を食べに行く。うん」

 なんて事を言ってきた。

 あ、ここで食べるんじゃなくて、外に食べに行くのね。


 というわけで、屋敷の前から――本当に屋敷の前に停留所があるのが何とも……って感じだけど――トラムに乗って移動する事5分。

 和洋折衷な雰囲気の漂うショッピングストリートっぽい場所へとやってくる。

 

「へぇ、このあたりはアカツキ皇国の物を扱っているお店が多いのね」

 立ち並ぶ店舗を眺めながらそう私が言うと、

「以前はこんなになかったんだけどな。ここ1~2年で店子がごっそりと入れ替わってな。気づいたらアカツキ皇国系の店ばかりになっていた感じだ」

 と、蒼夜。

 

「……ん、主にソウヤのせい。うん」

「……そ、そうか。まあ、そうだよなぁ……」

 ロゼにジトっとした目を向けられた蒼夜が、バツの悪そうな表情をしながら頬を掻いた。

 

「どゆこと?」

「ん、この近くに服屋がある。うん。で、そこの服屋では、うん、ソウヤがアカツキの装束とこの国の装束とを融合させたような……うん、そんな感じにデザインした服が売られてる。それが、うん、もの凄く売れるから、それを目当てに人がいっぱい来る。うん。で、それに併せて周囲の店舗でアカツキの物を扱えば売れると考えたアカツキの商人が、うん、高値を積んで店を出す権利を買った。うん」

 首を傾げるアリシアに、ロゼがそんな説明をしてきた。

 

「ちなみに、この辺は全部『黄金守りの不死竜の収入源』だよー」

 付け加えるようにそう告げてくるマーシャちゃん。

 

「まさかの『黄金守りの不死竜』商店街!」

 そう私が言うと、

「別に俺がここに作ろうとか言ったわけじゃないんだがな……。気づいたらそうなっていたというかなんというか……」

 なんて、腕を組みながら返してくる蒼夜。

 

 ……『黄金守りの不死竜』って、若干暴走してたりしない……?

 と、そんな事を思った所で、

「ん、着いた。ここ。うん」

 と告げてくるロゼ。

 

「アカツキ料理屋『アズマ』……。やはりというべきか、アカツキ料理の店か」

 看板を見ながらそう口にしたロディに対し、ロゼが頷く。

「うん、そう。とてもおいしい。うん」

 

 アカツキ料理というと、ツキトの料理を思い出すけど……ここはどんなものがあるのかしらね?

久しぶりのロゼの家、そして久しぶりのアカツキ料理屋です。


といった所でまた次回!

次の更新は、平時通りの間隔となりまして……3月14日(火)を予定しています!

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