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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第1話[表] イルシュバーン共和国へ

<Side:Akari>

「そんな簡単にイルシュバーンまで行けるんですの?」

「さっきソウヤが言いましたけどねぇ、皆さん既にここにある装置や施設を自由に使う事が出来やがるんですよねぇ。だから、テレポーターも使い放題なんですよねぇ」

 エリスのもっともな疑問に対し、ティアがそう返事をする。

 

 そう言えば、ここに来る時に使ったわね。

 

「興味はありますが、エレンディアの首都の様子も一度見ておきたいですね」

「まあたしかに、しばらく留守にしちまってるしな」

「そっちの方も『ゲート』がすぐ近くにあるから、すぐに戻れるぜ」

 ジャンさんとゼルの言葉に対し、そんな風に答える蓮司。

 

「そこからここには来られなかったのぉ?」

「ああ、『ゲート』は『テレポーター』を使ってここに来ないと、使えるようにならねぇんだよ」

「なるほどぉ。それでわざわざゼクタ渓谷の方からまわって来たんだねぇ」

「そういう事だ。エレンディアだとあそこにしか『テレポーター』がねぇからな」

 アリシアの疑問に対し、蓮司が説明し終えた所で、

「ゲートとやらですぐに行けるのなら、イルシュバーンにも興味があるな……」

 と、呟くように言うロディ。

 

「そうだな……イルシュバーンを見てくるのも悪くはねぇと思うし、興味がある奴は行ってくるといいぜ」

 と、そうゼルが言うと、

「はいはいぃ、それじゃボクも行くよぉ!」

 なんて事を勢いよく手を挙げながら宣言するアリシア。

 

 ま、予想通りね……と思いつつ、

「私もロゼからあれこれ聞いていて気になっているのよね」

 と、告げる私。

 

「だとすると、私も必然的に行く事になりますね。さすがに西大陸と東大陸ほどの距離は離れられませんし」

 顎に手を当てながらそう口にするユーコ。

 まあたしかにそうなるわね……

 

「私は一度オルティリアに戻りますわ」

「自分もオルティリアに行くっす」

「あ、私は首都の方に戻るのです」

「なら、私はオルティリアへ行くとしますかねぇ。それでちょうど良い感じに分かれやがりますしねぇ」

 エリス、ツキト、クーさん、ティアの4人がそんな風に言う。

 

 ゼルとジャンさんはエレンディア帰還組みたいだから、たしかにちょうどいい分かれ方かもしれないわね。


                    ◆


<Side:Akari>

「へぇ……これがゲートかぁ」

 アリシアがそんな風に呟きながら目の前の装置を眺める。


 ……これ、私たちがこっちの世界に来る事になったあの装置に似ているわね。

 まあ……あの装置は竜の血盟が作った物だと考えると、これを模倣、あるいは再現した物だったんだろうけど。


「んじゃ、先に移動するぜ」

 ゼルがそう言いながら、蒼夜たちから教わった通りに装置を操作。

 出現した渦へと飛び込んで行く。


「それではみなさんもお気をつけて」

「何かあったら連絡してくださいです」

 という言葉と共に、ジャンさんとクーさんが続く。


 そして3人が通過した渦が消えたのを確認すると、

「次は自分たちっすね」

 とツキトが言って、再び渦が出現。

 そこへと飛び込むツキト。


「……若干飛び込むのに躊躇しますわね……」

「何も起きねぇから安心しやがれですねぇ、っと」

「ぎゃー! ですわぁぁー!」

 躊躇するエリスをティアさんが押し出して自分もそれに続く。

 そして、程なくして渦が消えた。


「さーて、次はボクたちの番だねぇ!」

 アリシアが勢い良くそう言って装置を操作し、三度、渦が出現。

 そのままささっと渦に飛び込んでいくアリシア。

 

 私たちもそれに続いて渦へと飛び込むと、その先は遺跡のような場所だった。


「ここは?」

「イルシュバーン共和国の首都、ルクストリアの南方にある『レンディカ遺跡群』という名の観光地だな。まあ、最近きっちり整備したばかりの観光地だが」

 周囲を見回しながら首を傾げるアリシアにそう答える蒼夜。

 そんな蒼夜に対して、今度は私が問う。

「まさかの観光地! 私たちのいるこの場所って、人が入って来たりしないの?」


「ああ、ここは関係者以外立入禁止の区域だから大丈夫だ」

 と、蒼夜。……実に観光地らしいわね……


「ここからルクストリアまではどうやって行くんだ?」

 今度はロディがそう問いかけると、蒼夜は、

「バスで駅まで行って、そっから鉄道だな。1時間かからないで着くぞ」

 なんて事を言ってくる。


 へぇ……イルシュバーンには既にバスが存在しているのね。

 さすが、最先端技術国って感じだわ。


「まったくですね」

 と、そう小声で囁いてくるユーコ。


 いやいや、どうしてそこで私の思考を読んで返事をしてくるのよ……

ようやく第2章に入りました……

旧プロットではレンディカに着いてから、しばしあれこれしていたんですが、単に長いだけなのでスパッと切りました。

それぞれがゲートを操作する場面もなくていい気もしたのですが、誰がどこに行ったのかがわかりやすくなると思い、敢えて残した感じだったりします。


というわけで(?)早速イルシュバーン共和国へとやってきました。

次の話でルクストリアに到着します。

そして……その更新ですが、平時通りの間隔となりまして……3月5日(日)を予定しています。

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