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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第1章 エレンディア編
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第197話[Dual Site] 拠点同時攻略作戦 Phase2

<Side:Coolentilna>

「とりあえず、入口は制圧出来たので良しとしましょう。その人は例の場所へ拘束しておいてください」

 ジャンさんがメガネをクイッと押し上げながらそんな風に言うと、後方からやってきたエリスさんの家の警備員さんが、速やかに私が気絶させた女性を外へと運び出していったのです。

 

 ちなみに例の場所というのは、警備員さんが来た時点で分かる話ではあるですが、先日捕まえた警備隊内の不穏分子――要するに内通者のひとりを尋問したエリスさんの屋敷内の事なのです。

 まだ警備隊のビルを使うのは危険であり、他に使えそうな場所となるとそこしかなかったとも言うですが。

 

「さて、このビルに突入した時点で、上の階から覗かれて気づかれていると思った方が良いだろう。このまま一気に階段を駆け上がりつつ、各フロアに分散するのが妥当だろうな」

「ならば、2階はこちらに任せてくれていいよ」

 ゼルさんの言葉に、ガレスさんがそんな風に答えたのです。

 そう……この部隊にはガレスさんが加わっていたりするのです。

 

「承知いたしました。それでは2階の方はお任せいたします」

 ジャンさんはそんな風にガレスさんに対して答えると、ゼルさんや私たちを見回してから、続きの言葉を紡いだのです。

「――という事ですので、私たちは3階へ向かいましょう」


 なら、早速3階へ……と思った所で、

「それでしたら、私とクー、それからガレスさんの班以外の『黄金守りの不死竜』の面々で、最上階へ踏み込みやがるとしますかねぇ。機動力を考えたら、それが一番良いと思いがやりますしねぇ」

 と、ティアさんがそんな風に言ったのです。

 なるほど……たしかに、変身して階段を駆け上がれば、最上階――5階まですぐに登れるのです。


「あ、であれば、私は屋敷の者の半数と共に4階へ向かいますわ。残りの半数はそちらにお貸しいたしますわね」

「……ジャン、4階を頼む。3階は俺と今言った人員だけで大丈夫だ」

「委細承知いたしました」

「……なんだか気になるやりとりですわね……」

 ティアさんに続いて、そんなやりとりをするエリスさん、ゼルさん、ジャンさんの3人。

 まあ……なんとなく理由は分かるですが、敢えて言いはしないのです。

 

「では、早速最上階に踏み込むのです」

 3人の会話には何も言わず、私はそれだけ告げると再度変身。

 一気に階段を駆け上がったのです。


                    ◆

 

<Side:Akari>

「なっ! きさ――」

「――遅いよ?」

 遭遇した竜の御旗の構成員たちが、私たち……いえ、シズクの姿に驚きの声を上げ……る前に、一瞬にして間合いを詰めてきたシズクによって、その場に倒れ伏す。

 うわぁ……容赦ないわねぇ……

 

「殺してない……よな?」

「今回は『警備隊』の助っ人みたいなものだからね。『警備隊』のルールに従って気絶させただけだよ。まあ、全員気絶で済ませられるかは、約束出来ないけどね」

 ロディの問いかけにそう返してくるシズク。

 

 あの二刀流の小型の鎌――双鎌とか言うんだったかしら? で、複数人を一気に気絶させるとか良くやるわねぇ……

 なんて事を思いながら、威力を弱めた魔法で、シズクが気絶させきれていなかった構成員のひとりを吹き飛ばして気絶させる私。

 

 ……蒼夜の『経験値○倍』みたいな異能の効果で私の戦闘能力が上がりすぎていて、魔煌弓とかPACブラスターとか使うと威力ありすぎて確実に殺してしまうのよね……なんというか、レベルカンストで最初の町のザコ相手に物理攻撃で寸止めするのが難しいのに似ているわ。

 いやまあ、お手軽に強くなれるのはありがたいし、贅沢な悩みなのは分かっているのだけど。

 

 で、それなら寸止めする場合はどうすればいいのかというと……単に魔法を使えばいいだけだったりする。

 この世界の魔法は、個人の魔力とかで発動させるものじゃなくて、魔煌具の力で発動させるものだからなのか、蒼夜の力でも威力が大幅に跳ね上がったりはしないし、威力を意図的に弱めて撃つ事も出来たりする。なので、気絶させたい時には便利だったりするのよね。

 まあ、何故か蒼夜の融合魔法に関しては、威力が格段に上がってるけど……

 

 なんて事を考えつつ、ふたり目を魔法で倒す頃には、既にその場に立っている構成員はいなくなっていた。

 まあ、こっちの戦力を考えたら一方的に圧倒して終わりよねぇ……

 

「ま、俺たち保安隊もルール的には気絶させるだけに留めるように心がけるが、やむを得ない時はぶった斬っちまうしかねぇしな」

「ん、列車強盗団とか大体殺すしかない場合が多い。うん、まあ……シャルの様に嬉々として薙ぎ倒したりはしないけど。うん」

 ウルの言葉に頷きつつ、そんな風に言うロゼ。


「列車強盗団を薙ぎ倒すって辺りは、私と同じだね。これはある意味、気が合うというのかな?」

 などとのたまうシズク。絶対違うと思うけど敢えてツッコミはしないわよ。面倒くさいし。


「とりあえず拘束しておきましたけど……どうします? このまま置いていきますか?」

「うーん、そうだなぁ……。とりあえずそうするしかないだろうなぁ……」

 ユーコの問いかけに対し、ロディが顎に手を当ててそう返した所で、

「ああ、待った待った。そいつらはそのままウチの奴に上に連れ出して貰うわ。上に残してある奴らに任せた方が安全だろうしな」

 と、そんな風に言うウル。

 

「それは助かるが……良いのか?」

「ん、問題ない」

 ロディの問いかけに、ウルよりも先にそう返すロゼ。

 それに対してため息をつきながら、

「おいロゼ、それは俺のセリフだ……。……まあそれはともかく、問題はねぇさ。元々そういう事も考えていたしな」

 と、そんな風に告げるウル。

 

「つーわけで……こいつらを運ぶのはお前たちに任せる。俺はロゼともう少し奥へ行くから、運び終わったら追いかけて来てくれや」

 ウルが後方にいる部下に対してそう言うと、隊員を代表するようにドルモーム族の女性隊員が「お任せください」と短く答えて、速やかに他の隊員と共に拘束した竜の御旗の構成員を外に運び出す準備を始める。

 さすがというべきか、手際がいいわねぇ……

 

 その様子を見ながら、

「んじゃまあ、俺たちはこのまま先へ進むとするか」

 と告げてくる蒼夜に対し、私たちは頷いてみせると、更に奥へと歩を進める。

 

 一番集まっていたと思われる場所は片付いたので、残っている奴らはそんなにいないはずだけど、うっかり逃してしまわないようにしないと……ね。

あまりにも強すぎるのでガンガン突き進んでいますね……


とまあ、そんな所でまた次回! 

なのですが……少々予定がありまして、平時通りの更新は難しい状況です……申し訳ありません。


ですので、次の更新は平時よりも1日遅くなりまして……11月9日(水)を予定しています。

なお、その次の更新には特に影響しない想定ですので、すぐに平時通りの更新間隔に戻る予定です!

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