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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第1章 エレンディア編
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第129話[表] 状況と変異した力

15日に更新する予定が、時間が取れず、2日遅れ(というか3日遅れ寸前)になってしまいました……

誠に申し訳ありません……

<Side:Yuko>

「……ロディが前に言っていた影響もあるんじゃないかな?」

 と、灯。

 ……ロデリックさんが前に言っていた……?

 

 しばし思案を巡らせ、そして思い出す。

 ああ、そういえば地球からこっちに来ると、サイキックを含めた異能の力が、増したり変異したりする……と、クーさんが言っていた。……みたいな事を前に話していましたね。

 

「――なるほど……。そういう事ですか」

 そう呟くように私が言うと、蒼夜さんが腕を組みながら、

「ま、おそらく『そういう事』だな」

 なんて事を言ってきました。

 

 ……やはりそうなんですね。

 ……ですが、何がどういう変異をしたらあんな風になるんでしょう……?

 

 などと、考えていると、

「――よくわからんが、こまけぇ話は後回しにしようぜ。とりあえず各方面の戦況確認と、周囲に潜んでいる奴がいないか、街に被害が出ていないか、それらを把握してぇ」

 と、レヴィンさんがそんな風に言ってきました。ごもっともです。

 

「たしかにそうね。それじゃあ私は、ユーコと一緒に周囲に潜んでいるエセ魔獣とかがいないか確認してくるわ。割とそういう捜索は得意だし」

 灯はそう返事をすると、早速山道から外れる形で、やや急勾配な斜面を登っていきます。


 ……何も、そんな登りづらそうな場所を登らなくても良いのでは……。まあ、高所へ向かうのならショートカットにはなるでしょうが……

 と、私はそんな事を思いつつ皆さんの方へと顔を向け、「こちらはお任せください」と伝えると、そのまま灯の後を追いました。

 

                    ◆


<Side:Akari>

 高所から見下ろすような形で、山道とその周囲を調べてみるも、エセ魔獣だけではなく、普通の害獣や魔獣すら見当たらなかった。


「――どうやら、問題なさそうね」

「ですね。更に上の方も少し見てきましたが、若干害獣っぽいのがいたくらいでしたし、そろそろ切り上げて戻りましょうか」

 私はユーコの言葉に対し、「そうね」と短く返すと街に向かって歩き出す。


 と、その途中で携帯通信機を使って会話中の蒼夜の姿が見えた。


「――わかった。ああ……壊す前にデータの回収を忘れないようにな」

 そんな事を言って通信を終了した蒼夜が、私たちに気づき、

「残党はもういなさそうだな」

 なんて言ってきた。


「良く分かったわね?」

「俺にはクレアボヤンスがあるからな。周囲を視るくらいは簡単だ」

「あ、なるほどね……。って、あれ? それなら私より適任だったような……」

「……否定はしないが、まあ……念には念を入れるのは悪い事じゃないさ」

 私に対し、そんな風に言う蒼夜。凄くフォローされている気がするわ……


「ちなみに他の皆さんは?」

「街の方や他の方面の様子を見に行ったぞ。ああ、ロゼから街中の被害は皆無だという連絡があった。けが人は少しいるが、死者はゼロだそうだ」

 ユーコの問いかけにそう答える蒼夜。


「最高の結果ね! 完璧に防衛出来て良かったわ!」

 と言いながら、私は両手を合わせて喜びを示す。

 これで明日はゆっくり休めるわね。


「ああそうだな。元凶である奴ら――『竜の御旗』の拠点も制圧出来た事だし、もう心配はないだろう」

「制圧……。先程の通信でもそのような事を言っていましたが、もう制圧し終えたんですか?」

「ま、向こうには接近戦最強の一角であるシャルがいるし、蓮司を始めとした他の面々もシャルほどではないが十分強いからな」

 首を傾げてみせるユーコに対し、サラッとそんな風に答える蒼夜。


 ……さ、さすが黄金守りの不死竜……

「な、なるほど……。それに関してはさすがとしか言えないわね」

 と、呆れ気味に言った後、私は問いの言葉を続ける。

「……というか、結局踏み込む事にしたみたいだけど、そうしたのはどうしてなのかしら?」

 

「奴らは、俺たちの存在を脅威であると考えているようでな……。あっさりと拠点を破棄して逃走しようとしてたから、そのまま放っておくわけにはいかなかったんだ」

「あー……拠点にある情報が失われる寸前だったってわけね」

 蒼夜の話を聞いて納得した私がそう返すと、蒼夜は、

「ま、そういう事だな。俺たちとしては休暇がメインだったんだがな……」

 と言って、腕を組みながら首を横に振ってみせた。


「……そうは言っても、トップが直々にあの人数を引き連れて乗り込んできたら、さすがに向こうも脅威に思うわよねぇ……」

 そんな風に言って肩をすくめる私に、「ですね」と同意するユーコ。


「――あ、脅威といえば……」

 脅威ではなくて驚異なのだけど……と心の中で付け加えつつ、私は蒼夜の方を見る。

 そしてそのまま、顎に手を当てながら、

「さっきエセ魔獣を掃討していた時に、チャージショットが敵を吸引しつつ穿ち貫いていくとかいう、驚異的な技に変異したけど、あれって何が変異してああなったのか分かる? 私の持つサイキック能力って、『転写』と『予知夢』だけなんだけど……。それに、地球からこちらへとやって来てから随分立ってるんだけど……」

 という疑問の言葉を投げかけた。

 

「んー、そうだな……。まず時間に関しては別に珍しい事じゃないな。俺の知っている人間の中にも、時間経過と共に、徐々に変化していったのがいるし」

「あ、そうなの?」

「ああ。すぐに強化されたり変化したりするわけじゃなくて、個人差があるみたいだな。俺は即強化されたから、詳しくは分からんが……」

 と、蒼夜。なるほど……個人差があるのね。


「……そう言われてみると、以前よりも灯の考えている事が分かったり、誰がどういう行動を取ろうとしているのかが、なんとなく分かるように最近はなりましたね……」

 ユーコがこめかみを人差し指で軽くつつきながら、そんな風に言う。

 あ、そういえばそうね。

 

「ユーコの場合は今言った通り、時間経過で徐々に変化や強化が起きているタイプだな。灯の場合は時間経過は時間経過でも、徐々に変化や強化が起きるタイプじゃなくて、突然変異的な感じで変化や強化が起きるタイプなんだと思う」

「えっと……つまり、このタイミングで唐突に私の持つサイキック能力――『転写』か『予知夢』かに変異が起きた……と、そういう事かしら?」

「そういう事だな。多分、俺の良く分からん成長促進能力が影響したんだと思う。チャージショットを撃つ時、何か考えなかったか?」

「あー……チャージショットって横幅が狭いから多くのエセ魔獣を巻き込めないなー、とか、上手くエセ魔獣の方から寄ってきてくれないかなー、みたいな、そんな事を考えたわね」

「なるほどな……。おそらくだが『転写』と『予知夢』のどちらか……じゃなくて、『その双方』が大幅に変異したって感じだと思うぞ」

 私の話を聞いた蒼夜が、腕を組みながらそんな推測を口にしてくる。


「両方? どういう事?」

「――『予知』が『結果そのものを引き寄せる』という形に変化して、『転写』が『頭で考えた事がそのまま反映される』という形に変化した結果、組み合わさって――」

 首を傾げた私に対し、蒼夜そこまで説明した所で、

「……あ! わかりました! 『多くの敵を巻き込むために、敵を無理矢理引き寄せる』という性能に、チャージショットが変化したんですね!」

 と、指をパチンと鳴らしながらそんな風に言ってくるユーコ。

 

「ああ、そういう事だと俺は思う」

「……な、なんだかそれだけ聞くと無茶苦茶な能力になった気がするわね……。思った事が現実になる――実際にそうなるって事よね? それ」

「ま、たしかに強力だな。もっとも、さすがに何でもかんでも思った事が現実になるわけじゃないだろうけどな。さすがにそれだと全知全能すぎるし」

 私の発言に対し、蒼夜がそう言って肩をすくめてみせる。


 ま、まあそうよね……。さすがに思った事が何でもかんでも現実と化してしまったら、万能とかいうレベルじゃないし。

 でもそうなると、どこまで現実化する事が出来るのか、というのが気になるわね……

大分遅くなってしまいまして申し訳ありません……


また、なかなか上手く区切れるそうな所がなかった為、思ったよりも長くなりました……


さて、次の更新ですが……更新が遅くなったものの、執筆は進めていたので、3月19日(土)に更新する予定です!

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