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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第1章 エレンディア編
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第108話[裏] 灯とユーコの繋がり、そして遺跡

<Side:Coolentilna>

「そういえば、ユーコって料理食べられるんだね」

 唐揚げを口に入れるユーコさんを見ながら、そう問いかけるカエデさん。

 それに対し、ユーコさんが、

「あ、はい。口に入れようと思えば入るんですよ。食べなくても大丈夫ではあるんですけどね……」

 と答えながら、灯さんの方へと視線を向けたのです。

 

 まあ、朔耶さんも普通に食べていたですからね……

 どういう原理でどう吸収されて、そしてどこに消えていくのか、さっぱりわからないですが。

 

「食べなくても大丈夫かもしれないけど……ユーコが食べ物を摂らないと、何故か私のお腹が満たされないのよね。……逆に、空腹の時にユーコだけが食べても、何故か少し空腹感がなくなるんだけど」

 なんて事を補足するように言ってくる灯さん。

 

 ……さ、朔耶さん以上に、わけがわからないのです……っ!

 無論、おふたりが特殊な存在なのは理解しているですが……まさか、そんな謎すぎる性質まであるとは思いもしなかったのですっ!

 

「魂レベルでリンクしていやがるとそうなるんですかねぇ?」

「うーん、他に例がないからさすがにわからないわね」

 ティアさんの疑問に対し、灯さんが腕を組んで首を傾げながらそう返したのです。

 それはまあ……他に例があったら驚きなのです。

 

「おふたりは、なんというか……色々と特殊過ぎるですからね」

 とりあえずそんな風に私が言うと、ロデリックさんが頷いた後、

「たしかにな。……まあ、エステルに興味を持たれたのは、良い事なのやら悪い事なのやらと言った感じだが……」

 なんて事を言ったのです。


 ……エステルさんは、おふたりが『石化』をどうにかする『鍵』になるはずだと言っていたのです。

 そして、空腹と満腹が半々――つまり、『感覚』の一部が繋がっている……

 個人的にも気になる所なのです。調べてみたいのです。凄く気になるのです。

 

「……なんか、クーさんまで目が光ってるんだけど……」

「はぅっ! す、すいませんです! つい、ちょっと詳しく調べてみたいとか思ってしまったのです!」

 灯さんの言葉に、ハッとなった私が慌ててそんな風に返すと、

「ま、まあ、その……エステルさんの様に形容し難い、正体不明の末恐ろしい責め苦と快楽を、同時に立て続けに味わわせて来るようなものでなければ、少しくらいなら協力します……よ?」

 なんて事を言って身震いするユーコさん。

 

 ……エステルさん、一体ユーコさんに何をしたですか……

 

                    ◆


 ――灯さんやユーコさんに話をあれこれ聞き終えた所で、ちょうど料理もなくなったのです。


 と、そこで、

「……いつの間にか夕食が終わっていますわ……」

 なんていう呟きと共に復活したエリスさん。


 それを聞いていたアリシアさんが、

「炭酸飲んだら駄目ってわかってるのに、飲むからだよぉ」

 と返して、やれやれと言わんばかりに首を横に振ってみせたのです。

 

「すいませんねぇ、知らずにうっかり渡してしまって」

「あ、いえ、渡されなくても昼間仕入れておいた炭酸飲料を飲むつもりだったので、お気になさらずとも大丈夫ですわ」

 ティアさんに対し、右手を横に振ってそう答えるエリスさん。

 ……あ、結局どっちにしても飲む気だったですか……

 

「それで、3人ともツキトの料理はどうだったんですの?」

「それに関しては抜群でしたねぇ。日々、これが食べられるとか最高ですねぇ」

「はいです。話には聞いていたですが、想像以上においしかったのです」

 エリスさんの問いかけにティアさんと私がそう返事をした所で、

「だねぇ。それに……なんだか懐かしいかも。エレンディアだと、アカツキの料理を出しているお店をほとんど見かけないし、出している所も、ここまで凝った物はメニューにないし」

 と、そう言葉を続けてきたカエデさん。

 

「たしかに言われてみると、デパートの中のフードコートくらいしかないですわね」

「ですです。私の国――ディンベル獣王国の首都である王都ベアステートには、多くのアカツキ料理屋さんがあったですが、エレンディアではまったく見かけないのです」

 私はエリスさんに同意するように首を縦に振り、そんな風に言ったのです。


 まあ、ベアステートにはアカツキから渡って来た人たちの末裔が主に暮らしている、まさに和の雰囲気に満ちた――正確に言うと、少し赤や緑の色味が強いというか……純粋な和とは違うものも混ざっている様な気はするですが、概ね和な感じの――地区があるですからね。

 

「へぇ、ベアステートにはあるんだ。ちょっと楽しみかも」

 そんな風に言ったカエデさんに対し、

「楽しみ……でやがりますか? もしかして貴方の遠出する先って、ディンベルなんですかねぇ?」

 と、首を傾げながら問うティアさん。

 

「うん、そうだよ。ディンベルにいる知り合いにちょっと来て欲しいと言われてね。なんでも、異界に詳しい人が欲しいとかなんとか」

「異界に詳しい人が欲しい……です? もしかして、ディンベルで異界の魔物に関する事件かなにかが起きているです?」

 カエデさんの説明に疑問を懐き、今度は私が問いかけたのです。

 

 ……今のディンベルで、異界の魔物が関係するような事件などが起きているという情報は、特に入ってきていないですが……

 

「あ、ううん、異界の魔物を討伐するって話じゃなくて、単なる遺跡調査のサポート……みたいな事をして欲しいって感じの話だね。なんでも、『異界に関係する遺跡』が発見されたとかなんとかで、その調査に協力して欲しいんだってさ」

「遺跡……? ……あ、アレですね。納得したのです」

「あ、そういえばクーさんはディンベルの出身だったわね」

 納得した私に対し、今度は灯さんが納得したようにそう言ったのです。


「あ、はいです。それもあるですが、ウチの研究所にギルバートさんという人がいましてですね、その人がその遺跡の調査に関わっているのです。なので、遺跡や調査の状況については、その人から報告を受けてそこそこ知っているのですよ」

「ほほぅ、そうなんだ。ちなみにどんな遺跡なの? 私、詳しい話をまだ聞いてないから良く知らないんだよね」

 私の説明に対し、カエデさんが灯さんに代わる形で、そんな言葉を投げかけてきたのです。

 

 うーん……あの遺跡、結構特殊なのですよね……。どう説明したらいいのですかね……

あけましておめでとうございます! 


……が、やはりというかなんというか、1月4日の更新は無理でした…… orz

そして、次の更新も1日遅れる見込みで、1月9日(日)を予定しています。

今回はその1回だけで、以降はいつもどおりの更新間隔に戻る想定です。


……とまあ、そんなこんなで、今年もよろしくお願いいたします!

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