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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第1章 エレンディア編
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第81話[表] 猛攻と猛攻

更新が予定時間より大分遅くなりました……

<Side:Akari>

 同じ武器を……重ねていた!?

 

 両の手それぞれに双頭の薙刀を持ち、二刀流へと変化したグレンに対し、心の中で驚く私。

 そんな私の攻撃を、右手側の双頭の薙刀で受け止めたかと思うと、左手側の双頭の薙刀を放り投げて来た。

 

「くっ!」

 

 ギリギリの所で身体を捻り、投げられた双頭の薙刀を回避する。

 しかし、無理矢理な回避だった為、バランスが崩れた。

 

 当然、そこを狙ってグレンが攻撃を仕掛けてくる。

 ……かと思いきや、グレンはユーコの方へともうひとつの双頭の薙刀を投げつつ、私の前をすり抜ける形で自身が先程投げた双頭の薙刀を超高速で追った。

 

 そして、その凄まじい速度で、投げた双頭の薙刀に追いつたグレンはそれを回収。

 と同時に、それを私の方へと投げてくる。

 

 私がそれを弾き飛ばしつつ、グレンの接近を予測し、PACブラスターを構える。

 しかし、グレンは私ではなく、ユーコの方へとドリルを構えて突っ込んでいった。

 狙いはそっち!?

 

                    ◆


<Side:Yuko>

 灯の援護に回ろうとした所で、グレンダインさんがこちらへ突っ込んで来ました。

 リーチ的に不利な灯との交戦を避けた……いえ、逆に有利な私を狙ってきた、といった所でしょうか。

 

「っ!」

 回転していないドリルによる刺突攻撃を、私はガントレットで受け流しました。

 そこへ更に連続で刺突を繰り出してくるグレンダインさん。

 

 乱れ突き――そう呼ぶのが相応しい、そんな荒々しい刺突の乱舞。

 ガントレットで受け流せるとはいえ、そのリーチのせいで反撃が出来ません。

 

 それはまさに、先程の灯の攻勢の再現。

 ただし、攻勢を受けるのはグレンダインさんではなく、私。

 

「く……う……っ!」

 推測した通りの状況であるとはいえ、これを打開するのは、なかなかに厳しいですね……っ!

 反撃を狙っても届かないせいで、防戦一方です……っ!

 

 と、そう思考した直後、グレンダインさんの横から魔法の矢――灯の攻撃が飛来。

 グレンダインさんはそれをバックステップで回避すると、そのままドリルを灯の方へと投擲しました。

 

「そ、それは流石に弾けないわよっ!?」

 なんて事を口走りながらドリルを回避する灯。

 

 グレンダインさんはドリルの投擲と同時に、私が弾いて地面に落とした双頭の薙刀を拾い上げると、それを私の方へと投げつけつつ、灯に接近。

 更にもうひとつの――灯が弾き飛ばした双頭の薙刀を拾い、そのまま灯へと踏み込みました。

 

「っ!?」

 灯が転がるようにして踏み込んできたグレンダインさんの攻撃を回避。

 

 グレンダインさんはドリルを回収すると、それを右手に、そして双頭の薙刀を左手に持ち替えました。

 

「ちょっ!? それ片手で持てるの!?」

「どうにかな!」

 灯の言葉にそんな風に返しつつ灯めがけて攻撃を繰り出すグレンダインさん。

 

 無論、それを見ているだけの私ではなく……

「――《翠迅の瞬歩》!」

 短剣を構えてその言葉を発すると共に、グレンダインさんへ高速接近。

 1つしか魔法が組み込めない骨董品と化した旧式の魔煌武器――それを念の為に持ってきておいて正解でした……

 

 魔法によって一瞬で間合いを詰めた私は、グレンダインさんの真横から短剣を振るいます。

 しかし、それは左手に持った双頭の薙刀であっさりと防がれました。


 ですが……そこは大した問題ではありません。

 こうして、灯とグレンダインさんの間に割り込めた事が重要です。

 

                    ◆


<Side:Akari> 

 グレンの多段突きを凌いだ所で、ユーコが加速魔法を使って割り込んできた。

 

 それと同時に飛んでくる「PACを!」というユーコの声。

 その声に、私は刃を消したPACブラスターを、ユーコに向かって投げる。


 ついでに弓に持ち替えつつ、横に向かって飛びながら、矢を放った。

 何故なら、おそらくそれがユーコには必要だろうと考えたから。

 そして、それは正解だったと言って良いわね――

 

「――《玄キ影身ノ幻舞闘》っ!」

 ユーコが、魔力的にギリギリ使える状態の『あの魔法』の名前を叫んだ。

 

 直後、PACブラスターと短剣を持ったユーコの分身が2体、その姿を現す。

 

「なっ!? 幻影……いや、分身かっ!」

 グレンは驚きの声を上げつつも、ユーコへの攻撃を中断する事なく突きを繰り出す。

 

 ユーコがそれを受け止めた瞬間、分身が左右から襲いかかった。

 さすがに三方からの攻撃を防げないと判断したのか、バックステップするグレン。

 

 私は追撃を仕掛け……ようとするが、分身が邪魔で狙えない。

 この魔法、地味に厄介ね……分身が壁になってしまって、遠隔攻撃だと相手が見えにくくなってしまうわ……

 

 そんな事を考えつつユーコに視線を向けると、ユーコは顔を正面に向けたまま、ほんの少しだけPACブラスターを分身の方へと傾けてきた。

 それがユーコの合図であり、何をさせようとしているのかを読み取った私は思う。

 

 ……え? そういう事……なの? と。

バトルシーンがやや長くなってきていますが、もう少し続きます……

(とはいえ……あまり長くなりすぎないように、調整したい所ではあります)


そんなこんなでまた次回! 次の更新は10月9日土曜日の予定です!

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