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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第1章 エレンディア編
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第78話[Multi Site] ガレスとロゼ

<Side:Roderick>

「くっ! やっぱ、ガレスさんはつえぇな……っ!」

 ゼル先輩がそんな事を言いながら、ガレスさんの攻撃を回避する。

 

 そして……たしかに強い。

 ガレスさんは、俺とゼル先輩の同時攻撃――俺のサイコキネシスで飛ばした剣とゼル先輩の魔法を易々と回避。

 更にゼル先輩が続けざまに放とうとしていた魔法を、発動前に踏み込んで『投げ飛ばす』事で発動をキャンセルしてのけたのだ。

 

 幸いにもゼル先輩は受け身を取ったのでダメージはほとんどない。

 俺はゼル先輩を追撃するガレスさん目掛け、割り込む形で剣を飛ばす。

 

 それに気づいたガレスさんがそれを上体を反らす事で回避し、剣を蹴り飛ばした。

 って……マジかっ!? とんでもない動きだな!?

 

 ……いや、さっき横目でチラリと見えたロゼという女性ほどではないが……

 

                    ◆


<Side:Rose>

 犬化したクーが壁を蹴って突っ込んでくる。

 私はそれに対し、霊力の刃で迎撃を仕掛ける。

 

 うん、普通なら跳躍状態で無防備だから、これは確実に命中させられる……うん。

 けど……うん……クーは普通じゃない。

 

 空中で方向転換し、横に滑るように移動するクー。

 それは、飛翔しているわけではなく、空中――大気中の魔煌波を一瞬だけ物質化し、それを蹴るという行為によるもの。

 

 ……ん、おかしい。

 以前のクーはこんな動きしなかったはず……うん。何か使ってる……?

 それとも……うん、単純に、クーが強くなった?

 

 いずれにせよ、楽しめそう。うん。

 

                    ◆


<Side:Coolentilna>

 ……あ、ロゼさんが凄い嫌な笑みを浮かべているのです……

 あれはおそらく、全力で戦えそう……みたいな事を思っているですね……

 表情の変化が乏しいディアルフ族とはいえ、長い間一緒にいれば、そのくらいは読み取れるというものなのです。

 

 そんな事を考えている間にも、ロゼさんが様々な大きさの衝撃波――霊力の刃を飛ばしてくる。

 なんというか……シャルロッテさんと違ってパワーはないですが、テクニカルな弾幕といった感じなのです。

 

 もっとも……私、実は弾幕シューティングは得意なのですよ!

 だから、このくらいなら余裕なのです。掠り避けも余裕なのです!

 ……まあ、現実の戦闘で掠り避けなんてしたら、痛いのでしないですが。

 安全第一、大きく回避! なのです!

 

 っと、回避と言えばガレスさんの回避も凄まじいのです。

 あれこそ、掠り避けなのです! ……あ、いえ、ギリギリ当たっていないので、掠っているわけではないですけど……

 

                    ◆


<Side:Gareth>

 ロディの異能――ソウヤ殿と同じ力のようですが……ソウヤ殿ほどの力はまだないようですね……

 ソウヤ殿は先程の拠点攻略時は、折れた柱を浮かせ、プロペラのように回転させたり、中世の時代に城門を破壊する為に用いられていた破城槌……もしくは、アカツキの寺院で見られる『鐘つき』のような事をしていましたし……

 

 などと考えている所へ、分離させた剣を異なる方向から時間差で飛ばしてくるロディ。

 更に回り込んで来る途中で、剣から攻撃魔法が放たれており、事実上、周囲全体から攻撃を仕掛けられている状態です。

 

 なるほど……なかなかやりますね。さすが、というべきでしょうか。

 ――残念ながら、これは先程のようにギリギリで回避……とはいきませんね。

 

 そう結論を出し、大きく斜め後方へと飛び退……こうとして足が動きませんでした。

 ……おっと、これは影縛りの魔法……。ゼルがいつの間にか使っていたようですね。

 

 しかも、続けざまに連続での攻撃魔法の発動……ですか。

 相変わらず言動に似合わず、実に器用な事をしますねぇ。

 

 強引に魔法を破っても良いですが、折角ですので得物を使うとしましょう。

 

 そう考え、次元鞄から『盾』をふたつ取り出しました。

 ……『黄金守りの不死竜』仕様の次元鞄は大きさを無視出来るから便利ですね。

 最近は市販のものでもある程度は無視出来るようになりましたが、『この大きさ』でも無視出来るのは素晴らしいというものです。

 

                    ◆


<Side:Roderick>

 な、なんつーデカさの盾だ……

 

 ガレスさんが、次元鞄から取り出してみせたそれは、最早盾というより巨大な鋼の板だった。

 それはもう、工事現場とかで仮囲いに使われている鋼板だ。

 

 そんなデカさと形状を有するソレが、ドスンという重い音と共に地面に置かれる。

 と、次の瞬間、鋼の板が左右にガチャガチャと音を立てながら広がり、あっという間にガレスさんの周りを囲う『完全なる城壁』となった。

 

 ゼル先輩が足止めて攻撃魔法を放ち、俺もまた剣を飛ばしつつ攻撃魔法まで放った。

 しかし、それら全てがその『城壁』によって阻まれ、王たるガレスさんには届かない。

 

「……かつて、『鉄壁の城塞』と呼ばれていたのは伊達じゃねぇって事か……」

 ゼル先輩がそんな事を呟くように言った。

更新が遅くなってしまいました。すいません……


今回はロディ&ゼルVSガレス、クーVSロゼの組み合わせでした。

同時進行は進みがいまいちな気がします……


とまあそれはそれとして、次回の更新ですが……明々後日、9月30日木曜日の予定です!

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