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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第1章 エレンディア編
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第36話[裏] 動き出す黄金守りの不死竜

<Side:Souya>

「――という感じで、広捜隊……正確に言うとロディさんと灯さんとユーコさんの3人は、一旦撤収したのです。なんでも後日準備を整えてから、全員で南エレンディアの捜索に移るという事らしいのです。一応私も、その時に再び手伝う予定になっているのです」

 クーが通信機越しにそんな風に言ってくる。

 

「龍脈に影響を与える楔……か。七聖将の残党、あるいはそいつが属する何らかの組織が関わっていると考えてよさそうだな」

 そう俺が呟くように言うと、別の通信機からグレンの声が響く。

「なら、俺が乗り込んでぶっ潰してくるぜ。最近、あまり動いてなかったせいで、身体がなまっちまいそうなんでな。それに……そろそろクーを愛でたい」


「ほえぇぇぇぇぇっ!?」

 グレンの発言に素っ頓狂な声を上げるクー。


 通信機のモニター上でも、真っ赤になっているのが分かる程に恥ずかしがっているクーと、何やら良い笑顔のグレン。

 ふたりを交互に見てやれやれと思いながら、俺は考えを巡らせる。

 

 ……エレンディアにはアルチェムの転生体――灯とユーコがいるんだが……まあ、南エレンディアなら接触する心配はないか。

 定時連絡によると、灯もユーコも、しばらくは北エレンディアを中心に行動するみたいだしな。

 

「わかった。なら、この件はグレンたち獣王国組と、三番隊の中で自由に動ける者に任せる……と言いたい所だが、気になる事があるから俺も行こう」

 そう俺が告げると、シャルが間髪入れずに、

「じゃあ、私も行くわよ」

 と、言ってくる。まあ想定通りではあるが。

 

 うーむ……やや戦力過多な気もするが……まあ、敵が不確定な現状と、警備隊――いや、広捜隊が動く前に決着を付けてしまう事を考えたら、このくらい投入しても問題はないか。

 もっとも、大人数での動きになるほど目立つから、敵にこちらの存在がバレないよう、集合する場所、タイミングには注意を払う必要があるが。

 

 という事で、

「クー、目標地点周辺で、今言ったメンツが集っても大丈夫な場所はあるか?」

 そうクーに対して問いかける俺。

 

「はいです。良い具合に、三番隊で経営している食堂が近くにあるのです」

「なるほど、それは好都合だな。よし……明日、昼飯を食いに訪れた風を装ってそこに集合するとしよう。言うまでもないとは思うが、怪しまれないように大勢で動いたりせず、数人単位で時間を少しずつずらしながら、な」

「おう、了解だ。こっちは今日の内にゲートでエレンディアへ向かっておくぜ」

「あ、それなんだが南側から入ってくれ。そっちの方が目立ちにくいからな」

 俺は咄嗟にそんな感じで、グレンたちに南エレンディア側から侵入するよう伝える。

 北エレンディア側から侵入させて、うっかり灯やユーコに接触したら面倒だからな。


「なるほど……たしかにそうだな。よしわかった、フェルディナンド自然公園のゲートに飛んで、そっから向かうとするぜ」

「ああ。……くれぐれも慎重に頼むぞ」

「わーってるよ。奴らの目に留まらない様、念の為、明日の朝まで自然公園付近にでも隠れておくさ」

 俺の言葉にそう返してくるグレン。

 自然公園付近にいるなら問題なさそうだな。

 

「じゃあ、明日のランチタイム……一二三○をスタートタイムとして、順次集合だ」

「了解だぜ」


 ――そんな感じで通信を終了した所で、

「それで、私たちはどのルートでエレンディアに? 前回と同じく飛行艇?」

 と、シャルが問いかけてくる。

 

「いや、ゼクタ渓谷のゲートへ飛んで、リグナットの街から鉄道で向かう」

「え? わざわざ鉄道で行くの?」

「ああ。途中でアナスタシア自然公園……の北部に寄っていこうと思っているからな」

「なるほど……。たしかにそれなら、リグナットから鉄道で公園北入口駅へ向かうのが一番楽ね。……でも、どうしてアナスタシア自然公園に?」

「いや、灯とユーコについての情報を確認していたら、ちょっとばかし気になる事があってな」

「ふぅん、まあ良くわからないけど、了解したわ。早速準備をしてくるわね」

 シャルの興味がなくなったのか、それとも俺に遠慮したのか、それだけ言ってその場から立ち去っていく。

 

 ……ふたりは、地球とこのグラスティアを繋ぐゲートを通って――正確には吸い込まれて、こちらの世界に来たという。

 そして、その到着先がどこかというと……アナスタシア自然公園だった。

 

 まだこちらに来てから、それほど経過しているわけではないようなので、ゲートに関する何らかの痕跡があるのではないかと思い、俺はアナスタシア自然公園を訪れてみようと思ったのだ。

 

 ……って、そういえば今、ロゼがリグナットにいたな。

 自然公園が気にいってちょくちょく訪れていたら、かなり詳しくなった……なんて言ってたから、案内役にちょうどよさそうだ。

 それに……今回の作戦でも、ロゼの能力は戦闘と調査の双方で役立つだろうし。

 

 そう考え、俺はすぐに携帯通信機を起動し、ロゼを呼び出す。

 

「――ん、ソウヤが直接連絡してくるなんて珍しい、うん。どうかした?」

「ああ、実は――」

凄い久しぶりに蒼夜たちがメインとなる話です。

そして、しばらく蒼夜側がメインになります。


といった所でまた次回! 更新は明後日、日曜日になります!


また、第3作(新作)となる『ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~』も公開中です! 

こちらもお読みいただけると嬉しいです! よろしくお願いいたします!

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