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花火の合間。乾いた音が響いた。
足元を見る。小枝を踏んでいた。
視線を感じて顔を上げると、ユリちゃんが僕をじっと見つめていた。
「見ないでって言ったのに」
決して届かないはずなのに、はっきりと声が聞こえた。ユリちゃんは悲しそうな目で。
一筋、涙を溢した。瞬間、花火がその姿を赤く染め上げる。
僕は何かを言いかけて。言葉が口から出る前に、景色がぐにゃり、と歪み始めた。
鮮やかな色彩の中。
ユリちゃんはとろり、溶けて、消えた。
花火の合間。乾いた音が響いた。
足元を見る。小枝を踏んでいた。
視線を感じて顔を上げると、ユリちゃんが僕をじっと見つめていた。
「見ないでって言ったのに」
決して届かないはずなのに、はっきりと声が聞こえた。ユリちゃんは悲しそうな目で。
一筋、涙を溢した。瞬間、花火がその姿を赤く染め上げる。
僕は何かを言いかけて。言葉が口から出る前に、景色がぐにゃり、と歪み始めた。
鮮やかな色彩の中。
ユリちゃんはとろり、溶けて、消えた。
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