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くらいくらい  作者: 本間えるは
1/11


 夏だね。


 夜になっても、暑いね。


 何をする気にもなれない。


 眠りに就くにも暑すぎる。


 ……じゃあ一つ、ひんやりする話をしようか。


 少しだけ、ね。




 ……僕には昔、とても仲の良い友達がいた。

 長くて真っ黒で、さらさらした髪がきれいな女の子だった。

 名前?

 何だっけ、確か「ユリちゃん」だったか、そんな名前だった気がする。

 僕とその子、ユリちゃんは通う小学校は違うけれど、家が近くてよく二人で遊んでいた。

 学校から帰って来るとランドセルを玄関に放り投げ、宿題そっちのけでユリちゃんの家に遊びに行った。

 家で遊んだ記憶は……無いな。公園で遊ぶことが多かった。

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