メチャクチャハメられた俺
「性欲抑える方法だ〜?そんなもん俺がしるわけねーだろ!」
フニさんは苦笑混じりに答えた。
俺はあの日から3日ほど性欲を抑える方法を考えていたがこれといって良い方法が見つからない。
対策をしたと言えばせいぜいフィルタリングをしたぐらいだな。
まぁパスワードも自分で掛けたから意味は全くないんだが...
「いやーフニさんぐらいしか真面目に答えてくれる人いないじゃないですか〜頑張って考えて下さいよ。」
「いやいやいや...てゆか何で急にそんな事聞いてくんの?」
確かに疑問に思うだろう。俺だっていきなり
「性欲の抑え方教えてください!」
などと言われたら「いや何でやねん」とつっこんでしまう。
まぁフニさんなら理由ぐらい教えてもいいか。
「いやー実はですね...これから先、同い歳の女が俺の家に出入りする事になったんすよ...
話せば長くなるんすけど。
結構どころかメチャクチャ可愛いんすよね。
だから俺が暴走してそのメチャクチャ可愛い子をメチャクチャにしないためにもと思いまして。」
途中から「メチャクチャ」の連呼で何が何だかわかなくなってしまったがフニさんなら伝わるだろう。
どうやらフニさんも数秒の沈黙後
何とか理解が出来たらしく俺に提案をしてきた。
「いや、むしろメチャクチャにするべきだよ!
タコとその女の子関係はまた今度詳しく聞かせて貰うけど...タコが女を誘うはずないよね?
女の子から誘ってきたならそれはgoサインだよ!」
フニさんは「良かったじゃん!」と盛り上げてくれるが、俺は「違うだろ!」とメチャクチャする事に反対した。
「フニさん、あんたの考え方はまちがってる!
そんな簡単に女の子をメチャクチャにしていい訳無いじゃないか!もしこれで訴えられたらどうすんだ!アンタ責任取ってくれるのかよっ!!
フニさん...アンタは女の子をメチャクチャするのに何のリスクもないと思ってるのかァ!」
俺は訴えた。女の子をメチャクチャにする事を軽視するべきではないと思った。
「確かに...俺だってメチャクチャにしたいさ。でも断られたらどうするんすか!もう俺は笑いながらベロ垂らしながらビルから飛び降りる程狂っちまう!以前に言ったでしょう!俺は...彼女が家に来ても靴下しか脱がせられなかった...!
断られるのが怖くてなァ!」
ハァハァ...これが俺の全ての思いだ。
俺は肩で息をしながら「どうだ!」という風に会話を終わらせた。
何でこんなに俺は熱くなってんだ...?
しかしフニさんは「フッ」と俺の事を小さく鼻で笑った。
「何がおかしい!」
まさかこの人にはまだ何か考えがあるのか?
俺は唾を飲み込んだ。
いやだから何でこんなに熱くなってんの俺。
「そうだ...確かに相手には好かれてない上に犯罪扱いされる可能性だってあるさ。
だがなお前はメチャクチャするべきなんだよ!
この先お前が童貞を卒業するチャンスは恐らく少ない...いやもしかしたら無いかもしれない。
成長する賢い人間ってのはな、少ないチャンスをモノにしてるんだよ。お前は自らチャンスを捨てる愚か者だ!だから...だから!チャンスを捨てるなよ!」
フニさんは今までに無いくらいに真剣な声で俺を説得してきた。
フニさんの本気を見たのはいつぶりだろう。
てゆか何でこの人も熱く語ってんだよ...
冷静になった俺からしてみると
正直「引いた」
それに「何言ってんだこの人」とも思った。
最後の方なんかほぼ悪口じゃねーかよ。
フニさんの方が性欲抑えた方がいんじゃねーの?
と俺は少し心配もした。
しかしこの雰囲気でいきなりテンション下げるのもアレだし、テンション上げたまま会話して
タイミング見て切り上げよう。
俺はそう思って、「アンタは何もわかっちゃいない!」と言おうとした瞬間...
ピロンッ♪
「おいす〜。タコとフニ君2人だったからパーティ来ちゃった〜。今何してんの?」
「タコさん〜どうも!タコさんとゲームしたくてパーティ来ちゃいましたっ。」
ユウナとアユは軽く挨拶をしパーティに入ってきた。
てゆか、2人でゲームするほど仲良くなってんのね...女子っていつの間にか仲良くなってるから驚きだ。
俺とフニさんは予期せぬ事態のため一旦話し合いをやめた。
よしっこれで話し合いは終わったぞ...
ユウナとアユに感謝しないとな。
俺の感謝もつゆ知らずユウナはフニさんに相変わらずベタベタと喋りかけにいっている。
「フニ君さータコと2人でよくゲームしてるけど
いっつもなにしながら話してんの?」
フニさんは笑いながら答えた。
「タコとゲームするのは楽しいよ。とりあえず適当グダグダ話してるもん。今日だってタコが変な事相談してきたんだよ?」
ハッ!?
俺は目を一瞬で見開きヘッドセットを付け直した。
「えー、何の話してたのー?教えてよー」
ユウナはねだるようにいいそっている。
それを黙って聞いていたアユも話に乗ってきた。
「アユもタコさんの相談って、興味あります〜
聞かせてくださいよ〜!」
マズイっ...!この先は...
俺は声を上げ会話を遮るようにして三人の会話に割って入った。
「ちょっっっと待ったァァァア!
この話はな、アユとユウナじゃ理解し合えない事なんだよ。だからそれ以上深く聞くな...
お前らのためにだ。分かったら大人しくしてろ!」
何でこんなに疲れないといけないんだ。
俺は必死で会話を続かせまいと喋り続けた。
ユウナもアユも何のことか分からず
「キモッ」とか「タコさんが焦ってるぅ〜」
などと煽ってきたが、今はそんな事はどうだっていい。
俺がなおもワチャワチャと喋り続けてるのにもかかわらずフニさんは笑いながら平然と言った。
「タコがまた今度女の子を家に連れて来るらしいよ。それで2人きりだとメチャクチャにしそうだからって俺に性欲の抑え方を聞きに来たんだよね!」
その瞬間四人いるはずのパーティがいっせいに無音となった。
五秒程間をあけてまたしてもフニさんが口を開いた。
「あっ!タコさ、ユウナとアユリにどういう時にメチャクチャすればいいか聞けばいいんじゃない?三人とも歳が近いんだし。
んー。そーなると俺が邪魔だな...
んじゃ俺、ハルさんと電話でもしてくるから
バイバイ!」
そう言ってフニさんはパーティを静かに抜けた。
なおも無言のままのパーティで俺は困惑した。
フニさんはアホなのか?それとも俺をハメた?
もはや「メチャクチャ」という言葉に「ハメた」
などの言葉を付け加えると完全にイヤラシイ事じゃねーかよ。
少し笑ってしまった。
こんな危機的状況でもこーゆー所に気づく俺は嫌いじゃない。
そんな事を考えてる暇など我にないと思い俺は頭をブンブンと振って打開策を考えた。
依然としてアユとユウナは無言だ。
となるとだ...
この空気を壊すためにも俺から切り出すしかないか。
そう言って深く息を吐きゆっくりと言った。
「俺の話を聞いてくれ。」
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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( ̄∇ ̄ノノ"パチパチパチ!!
今は夏休み前で忙しいですがこれからも頑張るのでよろしくお願いします(≧∇≦)