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策士なパリピ

「塾で疲れてるんだろ。俺と連絡先交換してんだから別にメールでもいいじゃないかよ。」


俺は「シッシッ」と手で払う素振りをした。


だいたい何で家に来るの?彼女っすか?

彼女でいいの?うん彼女にしよう!


てゆか何で俺もこんなホイホイ外に出てるんだよ...。ゴキブリホイホイ...

俺ってゴキブリだったのか。


勝手に一人で訳の分からない妄想を繰り広げているとアカリが「アハハッ」と笑い答えた。


「そんなん直接話した方が楽しいからじゃーん!颯汰君も家から出て来たって事は私と喋りたかったんじゃないのぉお?」


肘でうりうりしてくんなよ。

ホントに好きになるだろ。いちいち可愛い...


「そりゃ在宅してるのバレて家から出ないって

失礼過ぎるだろ...まぁいいや。ここでしゃべんの?」


「やっぱり颯汰君優しいね!じゃ颯汰君がいつも行く自販機でジュース買って近くの公園で座って話さない?」


アカリは自販機を指差し歩いていったので

俺も若干猫背になりながらあとを着いて行った。


「何か飲みたいもあるか。」


俺は財布を取り出しいつも飲む炭酸ジュースを買いながらアカリの顔を見た。


「えぇ!?いいよ買わなくて!」


アカリは手を「ブンブン」と振って急いでサイフをバックから取り出した。


俺の中で女と言えば「媚びる」「奢らす」「物ねだる」といった様に金をチラつかせたら

すぐにがっつくモンだと思っていたが...


「イイよ...てゆかジュースぐらい別に気にすんな。」


コイツ良い奴だしな。それにジュースの1本ぐらい余裕だし。


「えぇ...それじゃ颯汰君の飲んでるのと同じのが良いな!」


俺は「ん」とだけ言いジュースを買ってアカリに渡した。


アカリは「えへへ」と嬉しそうに受け取り

ジュースを1口飲んだ。


「ん〜〜!美味しい!颯汰君に奢ってもらったジュースだからかな?また今度このお返しは絶対するからね!」


「期待せずに待ってるよ...」


俺は公園の方へ歩いた。

わりと広い公園で昼間は小さい子供が多く賑やかだが夜になると誰もいない。


夜の公園っていいな。

なんと言うか「ノスタルジー」で雰囲気がとても好きだ。


アカリも「誰もいないから静かでいいねー」と

辺りを見渡してる。


俺はベンチに座った。が、すぐ隣にアカリが座ってきた。


近い近いよアカリさん?いい匂い...

髪があたってるんだよ...肩くっつけるな!

俺を殺す気か!


俺は間隔を空けるために少し離れた。

しかしアカリもすかさず間隔を詰めてくる。


レイプかよ!

童貞イジメて楽しいかぁ!?アァ!?

いい匂いだし可愛いけど流石に近すぎるんだよ。


俺は若干困った顔をしてアカリの方を向いた。


「近くすぎ!ちょっと離れてくれませんか...

恥ずかし死してしまう。」


すると彼女も慌てて少し離れた。


「あっ!ゴメン...少し近すぎたよね...

私も恥ずかしくなってきた...」


顔を少し赤らめうつむきがちになった彼女を横目でチラチラみた。


俺は変態かっ!?

襲うなよ俺...犯罪者になったら天国の親に顔向け出来ねぇ!


襲わないために何をしたらいいか俺は考えた。


無言だと襲いかねないので何か言わないと

えーと、えーと


「学校楽しいか?」


よし無難!ナイス俺!コミュ力高い!

俺は晴れた表情で返答を待った。


「楽しいよ〜!そろそろ体育祭があるから学校全体が盛り上がってるよ〜。颯汰君も、学校来れば良いのに〜」


さっきほどとは一転し俺は渋い顔をした。


「体育祭...あんなパリピってる奴らが調子に乗る最大の祭りだろ?

高校生になった途端、男子共は腕をまくりオラつかせ、女子共は汚い笑い声ではしゃぎまわり

挙句の果てには公開告白という恥を晒してく高校最大のウザイ行事じゃん。絶対行かんな。」


しかもそーゆー奴らに限って2ヶ月とかで別れたりしてんだよな。いやぁ実に滑稽!


しかしアカリは「そうかなー?」と顔をかたむかせた。


「そんな事言って颯汰君だって

中学校の時物凄い張り切ってたじゃん!

学年代表リレーとか速くてカッコよかったよ!」


アカリは褒めてくれるがそんな事はなかっただろ...


「懐かしいなぁ。確か最後の学年代表リレー

俺が転けたせいで1位になれなくて、周りからはバッシングその上肘が骨折し全治2ヶ月という苦行を味わったしなぁ。ホントに楽しかったよ...」


俺は吐き捨てるように言った。

一、二年は確かに楽しめたし三年も転けることさえなければ楽しめただろう。


「そいえば3年の時はそんな事あったね...

でも高校はもっと楽しいと思うよ!

それに颯汰君が来てくれると...私も楽しめるし...」


何でモジモジしながら言うんだよ!

可愛すぎるホントに今すぐにでも抱きしめたい!


「いや...アカリは俺のこと知ってるからまだしもほかの奴は多分受け付けないだろ。俺だって逆の立場ならそうなる。」


きっとそうだ。白い目で見られるに決まってるし

何より今の生活が俺は好きなんだよな。


「でも勉強は大丈夫なの?大学行くつもりなら

いくら颯汰君が中学の頃勉強出来たからって言っても...」


心配そうな顔で俺の方を見てくる。


「確かに勉強はしないとな...

でもアカリが毎日宿題とか届けてくれるから

基本的な事はまだ分かる。ってかまだ六月だし簡単な内容出しな。でもちょっとヤバイかもな。」


ゲームしまくってたせいで学力は周りに比べ劣ってしまった。ましてや俺の学校はわりかし偏差値も高い。


どうしたものか…と俺が考えてると

アカリは閃いたように手をたたいた。


「それじゃあ私が颯汰君に勉強教えてあげるよ!中学の時は颯汰君の方が賢かったけど私だって塾に行って頑張ってるし教えれると思う!」


アカリは目をキラキラさせ「ナイスアイデア!」

と呟きながら頷いてる。


「いつどこで教えてくれるんだよ。

それにそんな暇あんの?」


教えてくれるのはありがたいが、そこまで尽くされる義理もないしな。


「じゃー毎週土日のどっちかに颯汰君の家か私の家で教える!宿題とノートはpostに入れとくから分からないことがあったら私に聞いてよ!」


アカリは立ち上がり俺の前に立った。


「私も授業の復習になるし颯汰君も学校行かなくても授業の内容が分かるか一石二鳥!」


アカリは名案と言うふうに言ってるが

ハッキリ言って非常にまずい。

思春期である男と女が2人きりで勉強なんか出来るわけないだろ。

むしろ大人と勉強してしまうわ!


俺は慌てて断ろうとしたがアカリはそれを察したかのように俺が発言する前に口を開いた。


「あっ、もうこんな時間だ。早く帰らないとお父さんに怒られちゃう!今日は楽しかったよ!

それじゃあ今週の土日また連絡するから予定空けといてね!バイバイ!」


「ちょ...待てって」


しかしアカリは手を振って、走って家に帰っていった。


「初めからこれが狙いか...」


俺はベンチから腰を上げ家へとゆっくり歩いた。


普通の男子ならあんな可愛い子と2人きりで勉強出来ると喜ぶんだろう。俺も実際ドキドキしかしないけど...

でも好きじゃないからなぁ。

付き合ってるならベッドインしてもいいんだろうけど。


「よしっ次の土日までにアカリに欲情しないためにも性欲を抑える努力をしよう!」


俺は心に誓い帰宅した。

最後まで読んでくださりありがとうございます!


アカリちゃん可愛すぎますね。

体育祭のネタは実体験ですね〜

コケたせいで文句は言われるわ

手を怪我して部活は出来んわで散々でしたよ笑


テストが終わったので更新頻度は高くなると思います〜!


(*´∇`)ノ ではでは~

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