デレる俺と怯える俺
イケボかー。そっかー俺はイケボかー...
アユリちゃん、いい子だなー。ちょっとぶりっ子だけど可愛いなぁー。
エヘヘーイケボかぁー。
俺はポワポワとアユリの言った言葉を脳内でリピートしていた。
アユリは「アハッ」っと笑い「タコさ〜ん?」
と様子を伺ってきた。
「あ、いや、あ、うん!ありがとう...
何か褒めてもらって嬉しいです。えぇ!」
「そうですかぁ?それならアユとしても嬉しいです!タコさんはアユの事どう思いましたか??」
「アユリちゃんは可愛いよ!声も性格もいいと思う!うんうん!」
「そんなぁ〜。照れるますよ〜!
あと、私の事はアユって呼んでくださいね?」
俺は唾を飲み込み、恐る恐ると口に出した。
「ア、アユ...?でいいのかな。」
「はぁい!タコさんにアユって呼ばれてドキドキしちゃった...」
くぁぁぁあ!!!たっまんねぇなこれ!
付き合いたてのカップル見たいな感覚で最高にいい!
今なら外に出て雨の中走り回ることだって容易いな!
俺はアユとドキドキするような会話を堪能していた。
が、龍が目覚めたかの如く怒号が飛び交った。
「人前でイチャイチャしてんじゃねぇよ!
アユリちゃん?だったかしら。あんましタコの事からかわない方が良いよ。コイツよく勘違いしてに調子乗るから。それにタコもデレデレしてんなよ!気持ちわりぃんだよ!」
ユウナ先輩がガチギレしなさった...
まさしく「龍〇如く」だなぁ。
背中に刺青でもいれてんじゃーねーの?
いや、そんな事はいい。このままじゃアユがビビって入隊初日でクラン抜けてしまう。
と俺は思ったがアユリは先程と変わらないトーンで話し続けた。
「あ、ユウナさんが今の声の人ですか??話は聞いてます〜。タコさんと同い歳ですよねぇ?ならアユとも同い歳じゃないですかぁ〜。仲良くしましょうよ〜。」
おぉアユも、ビビる所か仲を保とうとしてる...
「はっ!アンタとなんか仲良くできないね。
私は『ぶりっ子』ってのが一番嫌いなのよ。
男子に媚売りまくって...ホントに気持ち悪い!」
ユウナさん怖い。アユも対抗してるし誰か介入しないと...ここは俺が止めに入るか...
「おーい。2人とも言い合いは辞めよーぜー
ほらほらもっと楽しく楽しく!お互い同い歳だし仲良くできるって〜」
俺は努めて明るく振舞った。
ユウナ怒ってると怖いからな…
しかしユウナは怒りの矛先を今度はこちらへ向けてきた。
「タコ、さっきから褒められて調子乗ってるかも知れないけどアンタあれお世辞だかんね?
アンタみたいな童貞が引っかかるからこの『ぶりっ子』もブリブリしはじめるのよ...聞いていて不快でしかないしホントに気持ち悪い!」
ふぇぇぇえ。ユウナ先輩何でこんなに怒ってるの...?
俺がどうにもできないといった態度でフニさんに助けを求めた。
するとフニさんも何かを感じ取ってくれたらしく
2人の中に割って入った。
「ユウナもタコをアユリちゃんも1回落ち着こっか。俺は見てて楽しかったから良いけどね。
シノノメも、ハルさんもそうでしょ?」
「今までユウナがタコを独占してたけどライバル登場ってか!最高に面白いぞ〜
こりゃアユリはクラン加入決定だな!」
「アユちゃんもユウナも仲が良くていいね〜
お姉さんもまぜてほし〜な〜!」
何でこの3人は楽しんでるんだ...
ユウナも息は荒いが黙ってるし
アユも「えへへっー」と笑ってるばかりだ。
とりあえずこれで一件落着か?
俺はホッと息をついた。
「とりあえずこれでアユリの自己紹介?みたいなのは終わるぞ〜。よし今からゲームだゲーム!」
ノメさんは「散っ!」といい、各々でゲームを
再開した。
よっし。俺もゲームやろーっと今日はFPSじゃなくて、ハンティングゲーでもやろうかな。
「誰かドラゴンズド〇マやりませんかー?二人来てくれるといいんすけど」
俺が聞くやいなや、アユリが「ハイハーイ」と元気よく答えた。
「タコさんもそのゲームやってるんですね!
ちょっと手伝って欲しいクエストがあるんですけど手伝ってくれませんかぁ??」
「良いよ良いよー。どんなクエスト?」
「えっとー、大型モンスター討伐なんですけど...1人じゃ大変で...タコさんと2人でいったら勝てると思うんですよね!だから二人でもう行きませんか?」
いちいちあざと可愛いな。2人きりってのが良いな...男の喜ぶ言葉熟知してやがる...
俺は舞い上がりながらも、「よしいこっか」と言おうとした。
が、「待って!」と言う声が聞こえ口を閉じた。
「そのクエストなら私も丁度行きたかっただよね。私も入れてよ。2人より3人方が効率もいいでしょ?ねぇ?」
ユウナも来るのか...喧嘩だけはよして欲しいな...
まぁまた喧嘩したらフニさんたちに止めてもらうか...
と思った瞬間「ピロンッ♪」とパーティチャットから誰かが退出する音が聞こえた。
それと同時にノメさんからメッセージが届いた。
「俺とフニとハルさんは別ゲーだからパーティチャット抜けとくわ^^2人の美少女に囲まれて羨ましい!じゃあまたな〜!」
性格悪ぃー。何なのこの二十歳...鬼かよ...
俺が黙ってメッセージを読んでると
2人の冷めた声が聞こえた。
「タコさーん。2人で行けなくなっちゃたじゃないですかー。もうユウナさん入れていいんで早く行きませんかー?」
「ちょっと!もうってなによ!いちいち癪にさわるわね!ほらタコも早くクエストいかないの?
何なら私とアユリちゃんの2人で行くことになるよ?」
「ユウナさんが良ければ2人で言っても良いですよ♪」
それだけはマズイ。
俺はノメさんへの返信をやめ急いでマイクに向けて話した。
「アユもユウナも俺を忘れるなってぇ!
ほら早くいこーぜ!いやー美少女2人と
ゲーム出来るって最高だなぁー!」
俺は発言とは裏腹に心の中でこう思った。
こんなにも行きたくないクエストは生まれて初めてだなと。
外は未だに雷雨が降り注いでいた。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
今回は、あまりいいネタが思い浮かばず
何とか書ききった形になりました...
テストのせいで頭がまわらない!
次の話はもっともっと面白くさせます!