存在
僕の自己紹介をするとしよう。19歳 独身 1人暮らしの職業はニート。以上。
名前なんてとうに捨てた、なんてかっこをつけてみたいものなのだが市役所にはちゃかんと登録されている。
「一茶〜?」
そう、それが僕の名前
親曰く、そんな名前の歴史的有名人がいた気がするから
「いっさ〜?!」
同じようにデッカいことして有名人になれよ的な感じでこんな名前にしたらしい。
「おいこら」
テキトーにつけられた名前だけど響きが僕的には好きなのでまあまあ気に入ってる。
「いい加減返事くらいしろ!!くそボケが!!」
「おいうるさいぞ!!僕は忙しいんだ!!」
僕は今日行ったバイトの面接で受かったときのためにバイト仲間と仲良くするためのイメトレしてるんだぞ
「霊は霊らしく大人しくしときなさい!」
そう、さっきからうるさかったのが
ある日突然僕に憑いた幽霊であり女の子?でありヒロイン?の金髪ロングヘアー日傘ちゃんこと天口 日傘である。
「?は余計じゃボケェッ!!」
と言いながら日傘は僕に強烈な蹴りを食らわした。
なぜ僕の考えてることがわかったのかは不明である。
いや、それよりも不明なのは幽霊なはずの日傘になぜ僕を蹴る足があるのかなんだけどな
なぜかは知らないし、他の幽霊もそうなのかは知らないが、こいつは最初から頭から足の指の先までがちゃんとある。服装も死装束ではなく、短パンで綺麗な生足を出し、上から下へだんだん色が薄くなっていく赤のグラデーションのシャツを着ている。生きていれば普通の格好だろう。しかしスレンダーな体型なのに巨乳なため、シャツが引っ張られおへそが見えるし谷間もよく目に入る。
つまりとてもエッチな格好に見えるのだ。まいにちとてもご馳走様である。
「で、僕のバイト先での友達作りの邪魔をしてまで何の用だ?」
「おまえの気持ち悪い性癖で仲良くしようなんて奴はなかなかいねぇだろ...腹減った」
日傘は冷たい表情で言う
いや、性癖関係ないだろ
それになぜ僕の性癖を知ってる提で話てるんだ?
てか幽霊のくせになんで腹減るんだよ...
こいつの食事は僕に憑依して身体を得た日傘が僕の作った料理を食べるということになっている。
この憑依をするたびに僕は意識がとんでしまうため、気づいたらお腹が膨れているという少し怖い現象が毎日起きている
「わかったわかった、あとで飯作ってやるから。ちなみに僕は友達ちゃんといるぞ?」
「嘘つけよ。何人だ?」
「100人」
「子どもか」
ボールでも友達に含まれるよね?
とまぁこんな感じで仲が良いのか悪いのかこんな日常が半年ほど続いている。
日傘がどう思っているのかは知らないがこの生活は悪くないなと僕は思っている。こいつといると暇しないし、顔もキリッとしていて綺麗なお姉さん系で僕の大好物だし
実は一目惚れだし
だがこの生活は長くは続くわけではないと思うし続けてもいけないと思う。
僕も高校を卒業したとはいえ、まだ年頃の男の子。何歳かはまだ聞いてないがこのエロいお姉さんと二人っきり、否、1人+1霊っきりで過ごすのには刺激が強すぎて手が出てしまいそうになる。
まぁ手をだしても通り抜けてしまうのだけど。
冗談はさておき幽霊ということは死んでしまったということだ。
つまりこの世では本来存在するべきものではないということ...
こいつもなんらかの未練を残して今、ここにいるに違いないが、日傘には生前の記憶がないらしく初めて取り憑かれた日以来一度もその話をしていない。
しかし、いつかこいつは、天口日傘は成仏しなければならないのだろう。
でもまぁ今考えることではないだろうと料理を始めた。