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猫と約束  作者: 窪井 柚希
5/13

登校、同行

「おはようございます。先輩」

「おはよ。もう遅いよ、陽斗」

「・・・おはよう」

あれから一週間がたった。あの日から、僕らは三人で登下校するようになった。僕が真ん中だ。

両手に花。というやつだろうか。まぁひまわりとドクダミって感じだけれど。

「相変わらず暗い顔してますねぇ先輩。美少女二人に挟まれてるんですから、もっと本心さらけ出してニヤニヤしていいんですよ?」

「自分で美少女っていうなよ・・・」

根黒も相変わらずである。そんな感じで他愛もない話をしながら歩く。土手を抜けて、大通り。同じ学校の生徒がちらほら見え始めてくる。

「あ・・・今日もちょーっと用事あるの思い出した!あたし早めに行くね!それじゃあまた帰りね!」

と言うが早いか、栞は駆け出した。

「おう」

「はい、先輩」

栞はいつも、このあたりで先に行ってしまう。

「・・・先輩。おかしいと思いませんか?」

「何が?」

「何がって、栞先輩ですよ。いつもこのあたりで用事思い出したーって先に行っちゃうじゃないですか」

「たまたまここで用事を思い出したんだろ」

「なんでここなんですか」それに、と根黒「急ぐ用事なら、待ち合わせをもっと早くすればいいのに」

「・・・気を使ってんじゃないの?というか、本人に聞かなきゃ、わかんないことだろ」

「そうですね・・・」根黒は少し寂しそうな顔をする

「とりあえず、急ごうぜ。遅れそうだ」

「誰のせいだと思ってるんですか・・・」



「栞、お前の毎朝の用事ってなんなの?」

「・・・え?」

授業後の校門。委員会で遅れるという根黒を待っている間に、栞に尋ねてみた。

「あぁ・・・。えっとね、あたしが毎朝、クラスの仕事してるから・・・」

「それってクラス委員の仕事じゃないのか?栞ってクラス委員じゃないだろ?環境整備委員でもないし」

「えっと、友達がクラス委員なの。それを手伝ってるんだ」

「・・・ふぅん」それならまぁ、わからなくもないな。

「えらいでしょ」

と胸を張る栞。これに関しては適当に流す。

「でも・・・そっか。ごめんね。一緒に行こうっていいだしたのは、あたしなのに。あたしが二人を置いてってちゃあおかしいよね」

「いや、別にいいよ。根黒が気になってたみたいだから、聞いただけだから」

「・・・そう」

栞は少し悲しそうな顔をした。

そのあと根黒がやってきた。そのときちょうど栞が忘れ物を取りに行っていたので、さっきの話を根黒に話しておいた。根黒は「そうですか・・・」と言ったきり、ずっとなにかを考えているようだった。


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