デート!?
女の子はみんな白馬の王子様に憧れている。
私だって白馬の王子様といつか……なんて思っていたけど実際は違った。
高校3年、17才、彼氏いない歴17年。
白馬の王子様を信じ続けてこの年にまでなってしまった。友達はみんな彼氏をつくってこの夏をenjoyさせている。
いいな~、私も彼氏欲しい。
自然と溜め息がでる。
「咲良、お客様よ」
お客様?誰だろ
「はぁい」
玄関を開けると目の前には葵がたっていた。私はそのままなにも言わずにドアを閉めようとした。が葵の手によって閉めれなかった。
「てっ手をっ、離してっ!!」
「なに動揺してんの、咲良?」
「別に動揺なんてしてないって!!」
ニヤリと葵が笑う。
「まっいいや。暇だしデートしない?」
はっ……?デート!?
いまこいつサラッとデートとか言いやがった!!
「なんで私があんたなんかとデートしなきゃならないのよ!?」
「あんたなんかとは失礼だな。てか、お前も暇なんだろ?」
「ひっ暇じゃないわよ!!」
動揺するな、私!!
葵とデートなんてしてたまるもんか!!
「ふ~ん?そんなこと言うんだ?じゃあ、あのときの借りを返してもらうってことでどう?」
「あのときの借り???」
「んじゃ、決まりね。11時に迎えに来るから」
葵は人のはなしも聞かずいってしまった。
どうしよう……いかなかったらひどい目に遭いそうだな。
とりあえずクローゼットを開けてみる。
なに着よう?
15分経過
決まらない……。
もうなんでもいいや。
一番手前にあった薄ピンクのワンピースを手に取った。
ふと、なんであんなやつとデートするだけに着ていくものに迷わなきゃいけないんだ。
ピンポーン
きた!!私は玄関を開けた。
「準備できた?」
「……一応」
「じゃあ、行こっか」
葵は私の手を握って歩き出した。
「あのっ手っ!!」
「デートなんだしいいじゃん」
「私が良くない!!」
「なに、恥ずかしいの?かわいい」
なんなのよ、こいつ!!