怪しい
『うわぁ~!いろんな本があるんですね』
「じゃあ、このフロアにミヨが読みそうな本が沢山おいてあるから、このフロアにいててくれ」
『了解しました!』
「おう!すぐ戻ってくるからな」
クリハはそういうと三階のライトノベル・マンガ売り場へエスカレーターに乗って行った。
『うーん、どの本にしましょう……』
「なんかミヨにあんな表紙のラノベ買ってんの見られたら恥ずかしいしな」
クリハは苦笑いした。
「欲しい本が無かったことにするか……」
そう小声で言いながらライトノベルの新刊コーナーへと歩いた。
「お!あったあった」
クリハは二冊の本を手にとってレジへ向かった。「ポイントカードはお持ちでしょうか」と聞かれる前にポイントカードを財布から取り出した。
クリハはお金を払い、レジ袋をカバンにしまってエスカレーターでミヨのいる二階へ降りた。
『この本が欲しいのですが……』
その手には東野圭吾の作品が一冊握られていた。
「おお、いいね!この本は母さんも持ってなかったはずだ」
『では、お会計お願いします』
ミヨは本をクリハに両手で差し出した。
クリハはまたポイントカードを素早く出し、ミヨの本の全額をポイントで払った。
「ほい」
クリハは本をミヨに手渡した。
ミヨがクリハの袖を引っ張った。
「なんだ?」
ミヨは小声で言った。
『あの人、怪しくありませんか……』
ミヨが指さした人は黒いパーカーのフードをかぶっていた。その人は二冊の本を持ったまま。本棚の周りをウロウロしている。
「確かに怪しいな」
クリハも小声で言った。
『今こそ、正義のあの炎の拳を使う時ですよ!』
「そうだな」
『しっかりチェックしましょうね!』




