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山中さん
「山中さんコーヒーでいいっすか?」
「あら良いのよ。気にしないで」
遠慮されたが、突然とはいえ来てくれた客になにも出さない訳にもいかず、俺は台所にあるインスタンドコーヒーと、食器棚からティーカップを取り出した。コーヒーを入れながら話し掛ける。
「ところで山中さん、何の用ですか?仕事は?」
「立派に仕事中よ、タケルくんとお話しする仕事〜」安いコーヒーの、ほろ苦い薫りが俺を刺激する。話し、とは、恐らく停学についての事だろう。しかし今、何を聞かれても俺には分からない。『高田タケル』は、なにも知らないのだ。
「あのね、タケルくん」




