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プロローグ
気がつくと、白い空間に立っていた。床も壁もなく、ただ光だけが広がる世界。
目の前に、人とも神ともつかぬ存在が現れる。輪郭はぼやけ、声だけが鮮明に響いた。
「あなたは、すでに死んだ」
突然の宣告に、言葉を失う。
「……は?」
「避けようのない事故だった。理不尽なものだ。だから、こちらで新しい生を与える」
理解が追いつかないまま、さらに言葉が続いた。
「行き先は剣と魔法の世界。人は剣を握り、魔法を操り、魔物と戦う。危険は多いが……生きる価値はあるはずだ」
「ちょっと待て、なんで俺なんだ」
「理由を知る必要はない。ただ――これはお前に与えられた第二の人生だ」
声がそう告げた瞬間、視界を白い光が覆う。
「待て、まだ――!」と叫ぶ暇もなく、体は光に溶けていった。
最後に聞こえた声は、温かくも冷たくもなく、ただ淡々と響いた。
「せいぜい楽しむといい」




