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突き抜けた他人の行動で

今日のはちょっとゲスい内容かもしれません。こういうのが苦手な可愛らしい乙女な方は回り道でお願いします。


「人は幸せになれる確率が高い道を選ばずに、不幸になるかもしれない道を選んでも、後悔しないと言い切れる人生を送れると思う?」


「くっそ面倒なことを言い始めましたね」


「くっ・・・」


プリシラが言うと、よろしくない言葉も「にゃあ」とか「わん♡」みたいに変換されそうになるのってすごいわよね。面倒だと言われてることはしっかり理解できるのだけれど。だってわたくしも思うもの、なんなのこの面倒な思考って。


「何を言ってるのか理解できませんでしたが、なんとなく想像できますよ、なぜそういう面倒なことなっているのか」


「・・そう」


「ごちゃごちゃ考えて疲れたら、ちょっと気分転換でもしてきたらどうですか」


「そうね。お兄様、私をレイモンドの国へ送って」


「もう準備進めてる」


「さっ、さすがお兄様」


半分以上冗談のつもりだったのだけれど。


「期間は選べるぞ」


「そうねえ・・2週間ほどかしら」


「1年ぐらい行ってもいいんじゃないですか?」


「それは・・寂しいわ」


プリシラに会えなくなるのはなんだかとても不安だし、私が1年いなくても何も困らないという現実に打ちのめされそう・・。それに、今の気持ちの混乱状態は、そんなに長くは続かないような気もする。


ごちゃごちゃ考えてるときはろくでもない方向へと思考が流れていくことに気がついて、考えるのは意識してやめよう。そうよ!もっと楽しい未来を想像するのよ。


私がユリウスを心から愛して、ユリウスからもなけなしの小さい愛情を返してもらって、そこそこに楽しい生活をして生きていくの。


・・だめね、調子が悪いわ。想像が残念な感じ。


□  □


特に期間を決めることなく、気軽に遠出するぐらいの感覚で訪問することにした。

正式な訪問ではなく、あちらの国にある王族用の別荘に最小限の人員で向かう。


シリウス兄様が「あっちの植物ととこちらの植物の品種改良のため」という少し胡散臭いような大義名分をひねり出してくれ、実際により強い品種を作り出すためだからと、単なる贅沢旅行などにならないように任務も決められた。


王族であることまでは偽れないけれど、王族としての歓待は不必要。これならお前も自由にできるだろう、と。ありがたい提案なので、夜会用のドレスなどは持たず、簡素な服のみ持参して自分でできることはする。レイモンドと旅行したときのような気軽な旅に心が弾み軽くなった。


着いて早々にレイモンドと会い、町のレストランで食事をした翌日からは、髪を帽子に隠し眼鏡をかけて町を探索。そうしながら2週間が経ち、植物の交配の様子を見に行ったけれど、何年もかかる作業だからと携わる人達を恐縮させただけだった。


これに関しては私にできることなど何もないのだなと思うと、


「私は何をやっているんだろう」


という焦りのようなものが顔を出す。ちょっと考えすぎたからと隣国までやってきて、フラフラしているだけなんて。楽しかった散策も急激に色褪せてしまい、レイモンドに帰ることを伝えて、明日にでも帰ろうかなと考えていたら、後ろから騒がしい声が聞こえてきた。


普段なら騒ぎが起きているよう場所に近づいたりしない。その時は騒ぎかこちらに近づいてきたのだ。


「だからあなたとはもう終わりだって言っているでしょう!?」


「いやだ!絶対に別れない」


「あなたのことはもう好きじゃないの!」


「その分俺が君のことを好きだから大丈夫!」


「片方だけの愛情でやっていけるわけないじゃない!」


「大丈夫、俺の愛はどんなことでも乗り越えられる」


「・・・本当に?」


比較的普通な印象の女性が、険しい顔つきで男性を見ている。男性の方は整った印象の顔で、必死の形相といってもいいかもしれない。

けれど、これは【どんなことがあっても私を愛してくれるの?】という確認で、【そこまで愛してくれるなら】と絆されて仲良く暮らしましたとさ、という流れになるのかしら?なんて思っていたら、


「あなたの親友と寝たわ」


えぐい爆弾が投下された。


いやでも・・彼のためを思ってついた嘘だという可能性・・?


「知ってる!」


え、知ってるの?!


「それから、あなたの従兄弟とも寝たし、あなたと付き合ってる間に関係した男は両手の指で足りないぐらいよ」


くっ・・・


言ってもいいかしら、いいわよね?プリシラなら言うわよね?


「それも全部知ってる!」


・・・え?


「知ってて追いかけてくるとか馬鹿なの?」


そうね、たぶん。


「お、おれは・・」


それでも君を愛してるんだ!とか?


「君が浮気をするのがたまらなく好きなんだ」


あ、変態。


そういう楽しみ方をする人間もいるのかという衝撃。


お兄様とは違うタイプの変態。いえ、お兄様はプリシラ変態であって、性癖がどうとかいうわけでは?本物の変態と比べたりするのはおかしいわよね。


「これからも僕の側でビッチで居続けてくれていい!」


「いやよ!私は浮気をするのが好きだけど、ヤキモチを焼かれたいから浮気するの!」


変態具合は一致しているのに、方向は同じところに向かっていないということでいいかしら?


私を含めて5人ほどいるギャラリーの皆さんの頭に「あれ?」っていう思いが浮かんでいる気がするわ。


「とにかく、あなたとはもうおしまいだから」


「待ってくれ!」


騒々しさが遠ざかっていく。


・・・。


なんだか真剣に悩むのがバカバカしいと心の底から思って、体から力が抜けた。


人間色々いるってことで。

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