落語 お尋ね者
落語 お尋ね者
ベッドから起きられない娘が運命故、ベッドを取り上げられちゃいましてね、お前は布団で寝ろっぃて狭まぁーい部屋に押し込められてしまったんです。
今娘は高ーいはしごの上のロフトの場所でお布団を敷いて眠っております。
(お高く止まりやがって!!
ホラァ!!娘!!
自堕落な生活をしてるから謎の存在から目をつけられちゃったじゃぁありませんか!
娘が住んでいる部屋は202号室。
オートロックではありますが。。。
そう、たまに怖いものが訪ねて参ります。
その晩、娘は夜遅くまで夜更かしして起きていたんです。
そんな娘に罰点!バッテン!✖️!!
・・
そう、天罰が下り申しましてな。
出ちゃったんですよ。
こわーいものが。
娘は壁に視線を感じました。
…何かいる?
それを見た瞬間、娘、沈黙します。
黒光りする脂っこい茶色のメタルな体。
・・・・
大きさは5センチほど。
・・・
ゴ・センチメタル、コックローチ!!
・・・・
ゴキブリというやつでございます。
・・
いや、今は菖蒲の花の盛りが咲いている季節で6月でござい。
ゴキブリ!! ・
正式名称はゴキカブリ!!
誰かが辞書を作った際にゴキブリと表記されてそのまま広がったのがゴキブリでござい。
こだーい!!
そりゃあ人類よりもはるか昔から居る生き物でございー!!
・・
全くこの娘、騒がない分だけ物騒がせな。
娘、家中、クイックルワイパーをホッケーのスティックの様にして扱い中身の入ったワイン瓶をボウリングのピンようにひっくり返してゴキブリに勝負を挑み潰しにかかります。
そう、この娘、ゴキブリが出る家に住んだ事ないものですから殺虫剤というものを持っていなかったんですね。 ・・
文字通り、ゴキブリを本当に潰しにかかります。
だが奇妙な事、娘がそのゴキブリ何度も仕留めたと思っても死骸が無いんです。
そして娘はあらぬところから奇襲を受けます。
・・・・
娘は用心しながら血眼になって5センチの犯人をクイックルワイパーで潰しにかかりました。
ワイパーで抑えたと思ったらあらぬ場所で反対側にひっくり返って笑い転げている様なゴキブリを娘は目にします。
娘(馬鹿にしやがって!!
いやいや、冗談です。
もしかすると事前に殺虫剤を食らっていたお尋ね者だったのかもしれませんね。
ともあれそれは腹を見せてひっくり返って暴れておりました。
・・・・
娘はそのお尋ね者を今度こそクイックルワイパーで仕留めたそうにございます。
一件落着。