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第72話 天界へ②

「ダミアン……ほんとに行くの?」

 ソラリスが膝をつき、ダミアンに目線を合わせる。

「いぐ! あいつはお母さんを殺したんだ! むくいを受けさせるためには、何でもしてやる!」

「気持ちはわかるけど……でもあなたのお母さんは仇討ちよりあなたの安全を一番に願ってると思うよ?」

「じゃあなんでソラリスは行くのさ!? 危険じゃないんでしょ?」

「でも何が起こるかはわから……」

「いいよねソラリスは! お父さんは生き返ったんだし! 一緒にしないでよね!」

 その言葉に一瞬ビクッとした後、ソラリスは目を伏せた。

「あ、ごめん……」

 その様子を見て、慌てるダミアン。

 私はアルハンブラさんの方を見た。

「メリルさんを生き返らせることは……できないんですか?」

「無理だ。魔界で死んだ者の魂は、冥界には来ない。冥界で受け入れるのは、下位世界で解放された魂だけだ」

「それで俺達は昔何人も仲間を失った……」

 少し離れたところで見ていたブルースさんが言った。

 そうだったんだ……

「いずれにせよ、そんな危険な場所に俺達を連れて行こうとしていたわけだ」

 ニックさんがため息をついた。

「安心しろ、皆には言わないよ」

 ブルースさんの方を向いたニックさんは、冷静な口調のままだった。動揺していたのは、むしろブルースさんの方だ。

「待て! "道"はそうじゃない! あそこはまだ大丈夫だ!」

「だけどその先には魔界があるんだろう? 戦況次第じゃあのまま攻め入る可能性だってあった」

「それはない! それは俺達が防ぐつもりだった!」

「さて、皆覚悟は良いか? さっきの話じゃ、たぶん天界も同じ条件だ。おちおち死んでられねぇぞ?」

 ニックさんは、今度は私達四人を順番に見た。もうブルースさんの話は耳に入っていないようだった。

「それは当然。死んでも大丈夫とか考えてたら、ほんとに死ぬよ」

 ナディアさんがそう言って、ソラリスとダミアンに近付いた。

「貴方も、少なくとも冷静にはおなりなさい。じゃないと、とてもじゃないけど連れていけない」

 それを聞いたダミアンは、急いで涙を拭いた。

「ごめん……もう大丈夫。ソラリスもごめんね。あんなこと言うつもりじゃ……」

「ううんいいの。わかってるから」

 ソラリスはダミアンを抱きしめた。


      ***


 冥王の剣の剣身が虹色に光っている。そしてアルハンブラさんは、その剣を地面に突き立てた。

 そこから放たれた光が、天へとどんどん伸びていく。

「では全員で、手を繫ぎなさい。一気に飛ばす」

 その言葉に従って、私達は輪になった。

「ん? ナックル、当然お前も行くんだぞ?」

「はァ!!?」

 ナックルの声が、広い地平に虚しく響く。

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