ショッピングデートじゃないこれ?
「……」
「さぁショッピングに行きまショー!」
さてどうしてこうなったんだっけか?ちょっと思い出してみる事にするか……事の発端はまずルーが俺にあることを聞いてきたことだった……
「ところで聞きたいんデスが……」
「なんだ?」
「イエ、服に関してデスね……」
服ねぇ……俺の服が何か問題でも?全く何も問題ない文字Tシャツだが?文字がなんて書いてあるのかは知らんけど。ただルーがいい顔してない辺り、変な文字書いてんだろうなぁ。
「アニキマジダサイんすけど。ちょっとウチもドン引きなんだけど」
「そうか……?」
「ちなみにその文字は英語で『俺のペ〇スは短小です』って意味デス!」
「こんなもの!」
畜生こんなの着てたのかよ末代までの恥だわ!と言うかそんな意味だったのかよこの英語!?なんでそんなもん作ったんだよバカか!?クソッこの分じゃ俺の部屋にあるTシャツ全部これと同じレベルの物ばかりじゃね!?よしこの際服とか買いに行くか!
「と言う訳でネカ頼む」
「えー……そうだウチよりおねーさんに任せた方がよくね?」
「えっルーに?」
「そうそう!ウチよりアニキにセンスいい服選んでくれるって。ね!」
そうか……?まぁそうかもしれないな、こいつの買ってくる服全部ギャル服だから俺が着ると気持ち悪くなるんだよな。……まぁ別にいいか。うん。買い物くらい一緒に行っても。
「あぁ自分でそういったのか……」
そうだよね!もうこんなの実質デートだよね!ショッピングデートって奴だよね!俺考えてなかったわ!バカだなホントに!畜生俺の思考はもうめちゃくちゃだよ……とりあえずデパートに行くか……
「おぉ!そこそこ大きなデパートデスね!」
「まぁそうだな……それで服屋はどこにあるんだか……」
「とりあえずレッツゴーデース!」
引きずられて入店。ハァ助けて誰か……来た店はしもむらくんだね。しもむらくんは安いから好きだよ。この文字Tも貴様から購入したんだけどな!クソが!ほら見てくださいまた文字Tがありますよ!
「しもむら……もっといい所は無いんデス?」
「知るか。俺は興味ないしな」
「ウーム……とりあえず色々歩いてみるデース!」
……そうなるよなぁ……なーんか調子狂うんだよなぁ……こいつといると。普段ならもう何にも考える事ないんだけどなぁ……にしてもこいつ普段着からエロイんだよな色々。胸とか。
「と言う訳で高そうな店にやって来たデス!」
「あぁこの店なぁ……服に五千円とかするんだよなぁ……」
「まぁ行くだけタダデスから行きまショー!」
は~……つまんねー……何が服だよ適当に選んで買えばいいだろ俺の服なんか……何来ても同じなんだから……大体俺に合う服がねぇんだよ!全然!バカにしてんじゃないぞぉ!
「これとかどうデス?」
「うんいいんじゃないそれで。それにして帰ろ」
「……」
俺のサイズに合う服これしかないじゃんか。それより正直ゲームのこと考えたいんだけど……ってなんだ?
「どうした?」
「イエ……そうデスね……ちょっと私の服を買いたいので付き合ってくだサイ!」
「まぁいいけど……俺美的センスゼロだぞ?」
「構いまセン!」
そう……あいつに似合う服かぁ……あ、この白いワンピースとかいいんじゃね?あいつの胸に合うかどうかわかんねぇけど。でもこういう清楚系の服は個人的に似合いそうなんだよなぁ……ってなんで俺はこの服を手にしてんだよ!?あいつ同じの持ってんだろ確か!
「えぇい落ちつけ俺!だ、第一あいつの服なんだからあいつに任せればいいじゃねぇか……」
……それはそうなんだけどなぁ。なんかモヤモヤするんだよなぁ、そう考えると……どうするべきだろうか?
「ちょっといいデスか?!」
「なんだぁっ!?」
試着室に引きずりこまれたんだが!?えっなんでいきなり!?
「うおーっ!?」
「ブラジャーが外れないデス!取ってほしいデス!」
「店員に頼めよ!?」
なんで俺に頼むんだよ!?いっやでっかマジでブラジャーも!?なにこれ特注品かな?!そりゃ自分で外せねぇわおい俺ブラジャー外したことないからな!?あーどこをどうすればいいんだこれは!?
「お願いデース!」
「うぅ……わ、分かった!」
なるべく見ないようにする!大体このよく分かんねぇこれを外せばどうにかなるだろ!うおっ肌すっべすべなんだが!?ヤッベ永遠に触れる……って今はブラジャーだ!ブラジャー!
「は、外したぞ……?」
「ありがとデス!……園歌」
「な、なんだよ?」
「私は園歌に選んでもらった服が着たいデス」
「……そ、そうか……」
何考えてんだホント……でもまぁ、そういう事なら……選んでみるのもいいのかもしれないな。色々あるけど……やっぱりこれがいいのかね、白いワンピース。あいつに一番似合うのはこれだと俺は思ってる。
「この白ワンピとか……どうだ?」
「……にへへ、いいデスね!これにしマス!」
うぉうすげぇいい顔……惚れちゃいそうだよ真面目に……と言うか……俺って誰かを好きになった事とかあったか?子供の頃からずっと孤独感が拭えなかったが……えっ待って俺こいつに恋してんのか!?
「園歌」
「なんだよ!?」
「また来ましょうね!」
「……おう」
俺……ルーに恋してんのか……?よく分かんないけど、あいつの顔を見てるとなんだか温かい気持ちがわいてくる……と言う事は、恋なのか?!
~帰宅後~
さてと……白ワンピ着てもらったが。
「コレ小さいデスね!」
「ちょちょちょ!その姿でアニキの目の前に出たらヤバイって!アニキのアニキがビンビンになっちゃうダメダメ!」
なんか部屋の奥で凄いこと言ってるんだけど……えっどうなってんの今……見てぇ……!見てみてぇその姿……!いやまぁそれしたら嫌われかねんな止めとこ。でもなぁ……なんか恋してるって思うとあいつのことを急にこう……女として見ちゃうっていうか……元々だけど。
「うーん……それなら大丈夫でしょ!」
「了解デス!」
ようやく出て来たかってほとんど隠してねぇじゃねぇか!?マエバリ!?大丈夫なのそんなもん見せて!?
「お前なぁ!好きな奴の前以外でそんな恰好するなよ!?」
「デスからするんですよ?」
「えっ」
えっ?ど、どういう事……?えっなんて?わかんない今のどういう意味?えっ誰か教えて……?
「アニキももう少し見た目とか気にした方よくね?これからはおねーさんに嫌われないようにしなよ?」
「……ハイ」
今度まともな服を買いに行こうかな。
ルール
HPをゼロにする『スタンダード』。
民衆の中に紛れた重要NPCを探す『クレバー』。
点数になるアイテムを回収しながら戦う『コレクター』。
乱入してくる強NPCを倒した数を競う『プレデター』。
の四つがある。現在メインで使われているルールはスタンダードのみ。それ以外はお祭りの時に使われる感じ。