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僕と君の決着3


「流石にキツイわ……!」


「だいぶキツそうだねそっちはよぉ!」


「ッるっせぇ!」


やっぱ左腕が無くなったのが痛いんだよぉ!相変わらずあっちは普通に攻撃してくるしよぉ!だがこっちはこっちで意味のある切断だっつーの!と言うかそろそろ来るんじぇねぇのか……ッ!


「……よしそろそろだッ!」


「あぁ!?」


急げ早くアレを手にしなけりゃならん!あいつに勝つにはもうこれしかない!そもそも何の準備も無くお前に立ち向かうとでも思ってたのか?仮にお前と正面切って戦って、確実に勝てると言い切れるか?


「悪い三十秒もらうぜ!」


ここが近くて助かったよ……なぜなら……なぜなら!


「まさかあいつ……!」


今更気が付いたみたいだな!だが今更だ、本当にな!偶然か必然か、俺はこのビルと言う場所を選ぶ事が出来た!急げ急げ急いで屋上まで行け!奴より早く!奴よりも!手にする!


「……まさか……!まさか!」


「今来たかよ。……だが遅いな、これで俺は……」


『アレは……?』


『KENSIの必殺技だな、まぁしかしあんな場所によく置いたもんだ……』


『だよね……しかし……ねぇ?』


『あぁ、何を言ってるのか分からないと思うけどね、あのKENSIの必殺技って言うのがあの剣そのもので、剣を適当な場所にぶっ刺して放置するとメチャクチャ強くなるって言うまぁ……単純な必殺技なんだがな?問題は一つ、誰でも手にする事が出来るって事だ』


『仮に炎選手が拾ってたら死んでたよね?』


『だな。即終了だな』


『だけど今はカエン選手が拾ったんだ……という事はそう言う事だね』


『左腕、戻ったな?』


「勝つ」


KENSIの必殺技は手にした瞬間一度死に、そして全回復する。こっから一転攻勢って奴だな。まぁそれでも普通にあいつを相手にするのが厳しいって言うのは多少ある。だがそれを差っ引いても、少なくとも俺が勝つ。


「来いよ残り一分全力で殺しに行ってやるからなぁ!」


「あぁそうかい!」


早速飛んできたよキレそう、けどまぁ悪いが左腕が治ったんでもう……喰らわん。冷静に見切ってぶった切る。狙うは片腕、俺がさっき切られた方だ。


「……ッ!」


「無くした左腕は……お前に返す」


うわぁ、左腕がぶっ飛んじゃったよ……いやまぁあそこまでスパっと切れるとね?ちょっと怖いくらいって言うか……ね?正直に行ってKENSIの必殺技が発動したの今回で三回目だから……。


「……やっぱりスラム時代のキミだよホント……」


「悪いな。俺はお前を切る事に、ゲームでもリアルでも躊躇は無い」


「……」


あいつも覚悟を決めたらしいな。こっからは……殺しに来る。ガチで。ってか片腕無くしたおかげかこいつ更に早く……ッ!


「あっ」


ヤッベ俺の左腕また切れたんだけど。その代わりあっちは足が止まってるけどな。


「こっから本番か?」


「だな」

__________


「あっちはヤバそうだね……」


「よそ見していいのか!」


「だぁッ!ふざけやがって!」


もう武器が無いんだよ!けどどうする?少なくとも武器は……ある。いや使いたくなかったけどさぁ。ホント。これ使うと二度と使えなくなるから嫌なんだけど……ここで使わなくていつ使う!


「今から見せる技はとっておきだぞ……」


「何?」


「そして二度と見ることは無い!」


タックル!からの……全身を掴んできりもみ落下!どこに飛んでいくかって?!上じゃない下に飛んでいくぞ!


「なっ!?」


「このゲームは珍しく落下ダメージがあるゲーム!つまりこのゲームの最大ダメージは……」


相手を拘束して地面に高所から叩きつける事だ!当然私もただでは済まない!だから最大限使いたくはなかった!それに一人だと普通に死ぬから無駄に終わる!……でも、勝てるよね園歌。


「じゃあね」


『あぁっ愛選手が茶々丸選手を道連れにしようと!』


『おいおいマジかよアレはもうインチキだろ?』


『ですけど確かアレはルール上問題ないはずでは……?』


『だな。……けど一つ言わせてもらうなら二度と使えないだろうな……アレだけ派手にやっちまったらな』


『しかし……何はともあれ両選手ダウン!炎選手とカエン選手の一騎打ちです!』

__________


多分俺らは引いたら死ぬ。一瞬でも躊躇ったら即死。確実に、だ。炎もそれを知ってるからか、当然のようにガン攻めだ。互いにHPは一割程度。次命中したら即終了だ。だが引かない、絶対にな。


「ここで引いたら……負ける!」


「知ってるよ!」


俺の剣が折れた。だが奴の右足はほぼ使い物にならない。かくいう俺も実は腹を少し抉られている。うん気持ちが悪いよ今……正直吐きそう。止まってしまいたい。


「だが進む」


剣が折れたからなんだ?腹が痛いからなんだ?それで俺がこの剣を止める理由になるか?何一つ……俺から行動を奪う事にならない。俺が行動をやめる時は、俺が負ける時だけだ。


「次の一撃で……決まる」


俺は奴の首に剣を突き立て、奴は俺の心臓めがけ拳を放った。……さて、どっちが勝った?


『か、勝ったのは……』


『勝ったのはカエン!カエンが勝ったぞ!』


『あ、終わった?』


『あっお前どこに行ってた?』


『トイレに……えっもう終わってたの!?』


『あぁ、それだけ早く終わっちまったよ。ほら見ろよカエンが勝ったぜ』


『そうか……何はともあれ……おめでとう!』



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