俺の友達とダイエット
「今日はもう寝まショウ!」
「そうだな……ところで最近ずっと一緒に寝てるけどさ、何にも疑問に思わなかったわけじゃないけどさ……」
「なんデス?」
「……太った?」
うん、最近こいつを抱き枕にして寝てるけどさぁ……モチモチ具合がだいぶ上がってきてんだよなぁ……マジで。暖かいからいいけどさ。特に腹をつまんでやるとモチモチしているのです。……つまり太ってるよなこれ。
「……マジ?」
「マジ」
メチャクチャショック受けてる……いや最近食ってばっかだったからそうなるよなぁ……。まぁしゃあない。ダイエットを頑張るしかないよ、瘦せる方法は。
「Oh……」
「悪いこと言わないから体重計に乗ろ?な?」
「……見ないでくだサイ……」
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「スーッ…」
終わった……あっちだと大体『規制済み』㎏だったけど、今量ったら『規制済み』㎏になってる……ヤバいヤバいってこれはマジでヤバイ……でもそんなに体が大きくなったわけじゃないんだよね……胸?いや胸は元々大きいし……。
「で、何キロだった?」
「デリカシーが足りないデスね!」
……今日からダイエットしよう……凄いヤバいもん今野体重の増加の仕方じゃそのうちクソデブになっちゃう……。園歌にも嫌われちゃう……。
「今日の飯何?」
「……何にしまショウ……」
とりあえずダイエット出来る感じの料理を作らなくては……そうしなければどうしようもなくなってしまう……そもそもダイエット食って何……?よく分からないけどとりあえずゼロカロリーって書かれてる奴買ってくればいいのかな……?
「ねー!アニキ!今日飯屋の親父からまかない料理貰って来たから一緒に食べよー!」
「マジかよ、ルーも食うか?」
「エッ私は……」
「……俺はちょっとムチムチしてる方が好きだぞ」
フォローはうれしいけど!それどころじゃすまなくなるの!このままだと!もうそういう次元じゃすまなくなっちゃうの!これ以上はクソデブになるの!あんな醜い豚みたいになるのはヤダ!
「大丈夫だよ!いっぱい食べても動けば太らないって!」
「それはそうなんデスがね!」
動くと言っても何をすればいいのか分からないから問題なの!本当に面倒くさい事になってるの!うぅこれからどうすれば……。あぁダイエットとか考えたくない!
「もう良いから飯食おうぜ?」
「分かりマシた!」
後の事は後で考えましょ!その辺を一々考えていると面倒なことになるわね!うーんご飯が美味しい!今日もいっぱい美味しい!
「ほーら頑張れルー」
「ヒィ……ヒィ……」
「やぁ久しぶりだね園歌……何してるんだい?」
「見てわからねぇのか?ダイエットだよダイエット」
現在俺らは公園を走っている。ダイエットにはとりあえず運動することが重要だと食我の奴から教わったんでひたすら走っている。正直ルーに関してはそんなに太ってないから大丈夫だと思うんだが……乙女心は難しい。
「そうか……ちなみに僕の彼女はむしろ痩せすぎッて感じなんだよね」
「いやお前の彼女とかどうでもいいし……ってかお前彼女出来たのか?」
「ん?ほら、僕の隣にいる……」
あっ、グーパンチですか……。流石にアレは痛いでしょ。死ぬよ?人は。まぁ普通に大丈夫そうだけど……。いや怒ってるよね?あいつ怒ってるよね!
「お前の彼女じゃねぇって何回も言ってるよな?」
「フフ……照れ隠しはもう少しマイルドにぃっ!?」
ヒエッ踏み抜いたぞ!?避けたから大丈夫そうだけど……いや普通に死ぬよねアレは!ヤバいじゃんマジで!怖いねぇ……
「ヒー……ヒー……」
「おい大丈夫かルー?」
「だ、大丈夫デス!まだまだ行けマス!」
「そうか……じゃ後五周な」
「ファック!」
そんな怒る事じゃないでしょ……。大丈夫って言ったのはそっちよ?にしてもあいつら仲いいよな、俺にもああいう友達がいたにはいたんだが……もう、会えないだろうな。今どこにいるのかも分かんねぇし。
「ヘー……ヘー……」
「ほれ水でも飲むか?」
「くだサイ……」
にしても走るたびに胸凄い揺れるんだけど。凄いね、まぁ本人の今の顔でそんなスケベ名雰囲気は吹っ飛ぶんだけど……。え俺?俺はスラム時代に散々鍛えられたし、今でもトレーニングはやってるよ?……身長低めなんで素の力が弱いんだけどさ。
「ゴボベボブボバ」
「おい大丈夫かそれ」
「大丈ブブブブブブブ」
「大丈夫じゃねぇな一体休憩だ休憩!」
とりあえずもうルーがダメそうだったので、一体休憩させる。ちなみにディグの野郎はと言うと、メチャクチャ死にかけていた。そりゃもうメチャクチャである。多分あの彼女の方にボコボコにされたんだろうなぁ……ご愁傷様です。
「そ、そう言えば……園歌には友達とか、いないんですか?」
「……友達か。実は俺にも友達がいる」
「園歌、正直一人でどこかに行くことが、少ないから……フゥ、てっきり友達いないのかと思いマシたよ」
「おっとその一言は俺以外の奴に言うなよ?マジで殺される可能性がある」
「えぇ……それで、どんな人だったんデス?」
「そうだな……」
「スラム時代に一応いたんだよ。まぁあっちからすれば友達って感じじゃなかったのかもしれないけど……」
「へー……」
「まぁ何というか……今は何してるかさっぱり分からないんだけどね……それに、色々と奴には負い目があるしな……」
「……その、なぜ私は今スクワットさせられているんでショウ?……しながら聞く話デスか?」
「いいからやれよ」
あいつ今どこで何やってんだろうか……いやまぁ別に会いに行くっていう気はないけどさ。あいつバカだし。バカどころかマジでちょっとアレなところあるから……うん、気にしないようにしよう。
「ほーら後五十回だぞー」
「メチャキツイデス!」
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「あー……疲れた」
「機械でも疲れるの?」
「あのさぁ……バカじゃね?金属疲労っていうだろ?」
「なんか違くない?」
そうか?よく分からねぇけどそうなんだろうな多分。でも金属疲労ってのは単語にあるだろ?そう考えると普通に金属疲労になるだろ。
「まぁいいや、ところでお前も出るだろ大会に」
「まぁね。んであんたはどうすんの『炎』」
「俺ぇ?いや出ない訳ないでしょせっかく貰ったんだから……」
そう言えば予選するって書いてないけどもしかして本当に選ばれた奴だけに送られてくるのかぁ?なんだか怪しいなぁ。よく分かんねぇけどさぁ……あっ俺に来てないよ、こいつに来てんだよ。
「そう言えばあんた園歌って奴と仲が良かったんでしょ、なんか無いの情報」
「あいつはいい奴だけどちょっと変な奴だな」
「……そういうのじゃなくてね」
「ヤダね。あいつはいい奴だからそういうのはしたくない」
「……あんたってそういうとこだけ律儀よねぇ……」
「悪い?」
正直に言って言ってもこいつには何一つ分からねぇだろうがね。重要なのは不義理を働くことが問題なんだよ、あいつは俺の事を信頼しているだろうし、俺もあいつを結構信頼している。彼女も出来るだろうと思ってたら本当に出来たしな。
「……だからもし仮にあいつと戦う時があるなら……俺の手でぶっ飛ばす」
それが俺が出来るあいつへの引導の渡し方だろう。あいつは確実に今回の大会に出るんだ……ならばここで引導を渡してればいい。……たまには遊びに来てくれねぇかな……