イギリスとイタリア
さてデパートにやってきたわけだが……
「やぁ久しぶりだね!」
「……そうだな」
何でディグいるん?んでなんでディグの隣に彼女がいるん?まさかナンパ成功したのか……?!いや無いなそれは……。こいつの性格的にそれは無い。間違いなくない。絶対にない。
「その隣の彼女サンは誰?」
「ボクの彼女さ!」
「ゲーム仲間じゃボケ、ってか前に言ってた日本の友人ってそいつかよ?」
す、凄いキツイ性格……!いやこいつと付き合うってんならこれくらいキツイ方がいいのか……!?
「園歌、誰デス?」
「あー……話すと長くなるがな……」
かくかくしかじか……っと。要はナンパしまくるイタリアの奴って話だ。ほら見て凄い目で見始めたよ。
「そいつが以前言ってたイタリア野郎デスか。まぁ正直に言って園歌がいきなりデートプランを練るのは無理だと思ってマシたが……」
アレもしかして俺今バカにされてる?ねぇルー、違うよね?
「それで?何の用で来てるんだい?」
「俺らは水着を買いに来たんだよ」
「そうか!なら一緒に行こうじゃないか」
「なんでぇ?」
ついてこなくていいよマジで。
~移動中~
「で、結局マジでついてくるのかよ……」
いやホントに。別に俺としてはいいんだけどね?その……ルーがね?若干キレてんのよね……だいぶ。ごめん若干じゃないやよく見ると血管出てるわ。ブチ切れてるわ。ネカはと言うと距離取ってるし。
「そんなにキレるなよ(小声)」
「うるさいデス(小声)」
やっぱこいつ変な奴だからなぁ……特にナンパが趣味とか言ってる時点で人間としてどうかと思うよ俺は。真面目に。しかしまぁコイツと一緒にいて悪いところは無いし……
「さてと……着いたよ!ここが水着売り場さ!」
「お前こういうとこは知ってんのな」
さてこいつは無視してどんなのにするかなっと……おっこれいいかも。星条旗ビキニだ。星条旗をかたどったビキニだ、布面積少なくない?
「ルー、これでどうだ?」
「オゥ!コレいいデスね!」
やっぱ好きか……星条旗ビキニは。気に入ってくれたようで何よりだ。……ここで着てくるなと言っておくべきだろうか。言っておくべきだろうな。
「デハ着てきマスね!」
「うんそれは止めとけ、ネカ!よろしく」
「リョ!」
言うと思ったよ……後良さそうなのはーっと……おっこれいいな、スリングショットって言うんだっけか?こういうの。スケベだなぁ……いやこういうのも好きだけどね?あっ、あいつが着るって前提のもと話してるから。
「フフン……どうデス!?」
「うっわすっご」
でっか。いやでっか。選んでよかったなぁ。値段は……まぁ買えるな余裕で。さてその後は……ネカか。
「そういやネカはなんか欲しいのいるか?」
「ウチ?ウチはスク水があるから大ジョブ!」
「いやそれはおかしい。買ってやるから何でも好きなの選んでいいぞ」
「……じゃあコレ」
「そう言うの好きなの?」
これは……まぁ普通の水着……とは言えないな、前はガードされてるけど後ろがマジでスカスカって感じの水着だなぁ。攻めてるな我が妹ながら……まぁ買うけど。
「じゃあこれでいいか?」
「ウン!」
「了解。じゃあお会計よろしく」
もちろんカードでな。
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「あぁ!麗しきレディ!どうかボクの上でその美しさを見せてくれないか!そしてその後はベッドで一夜を……」
「キモッ死ねよ」
フッ、フラれたよ……これで通算千五百八十二回目の失敗だ。ここまで来るともはや五桁まで増やそうと思うね……
「おうまたやってんのか知能あるのか?まさかと思うが猿じゃねぇよな?」
「悪いね……趣味だから知能はあるさ」
「だったら一回脳検査してこい?な?」
なんだかよく分からないが遠回しに……心配されている?フッ、やはり僕に気があるんだろうな……照れ隠しでそんな事ばかり心配してくれて……。
「バカがバカみたいな顔をしてんじゃねぇよ」
やはり言葉のトゲが痛いよ……胸が苦しい!あぁ!これが恋か!やはり恋なのだろう!だがこの恋はどうか僕の胸の中に仕舞っておいてくれないか!
「もうなんかうるせぇから黙ってろよ……」
「まぁまぁ」
ちなみに彼女はイギリス人だ。彼女曰く、僕とは気が合わないらしいが……僕はそうは思わないね!なぜなら今ここで!君と出会えているからね!
「……もう何も言わねぇよ、おい飯にするぞ」
「ん?それってデートのお誘い?」
「ただの飯休憩だ」
中々厳しいなぁ……まぁ確かにデートの誘いには少し言葉が少なすぎるからね……。っと、何にするかな……
「んじゃフィッシュアンドチップスで」
「なら僕はピザを貰おうかな!」
フードコートには色々な料理があるなぁ!しかしなぜわざわざフィッシュアンドチップスを……?日本ならまだ大丈夫かと思ったが、ここのはわざわざイギリスの味を再現しているようだ。……何がしたいんだこの店は?
「つーかさ、今回戦う奴。アレだろ?」
「そうだね!まぁボクも最近知ったんだけどね……まさか恋する一人の男性だったとは……」
「うるせぇんだよ、ポエムを詠むんじゃねぇ。しかし出会って思ったんだが、正直に言って……そんな強くなさそうじゃね?言っちゃぁなんだが普通って感じだが」
「甘いね。彼は……確かに一見弱そうだって思うね。……けどね、彼は強いんだ。そうだね……彼の持ちキャラって言ったら何を思い浮かべる?」
「あ?そりゃ……ヤブサメじゃね?知らねぇけどさ」
「うん、そう思ってるなら間違いなく負けるよ、キミ」
「はぁ?」
「……彼の持ちキャラは……いないよ」
僕って結構データファイターなんだけどね?バッチバチに調べて敵と戦うんだけど……彼、カエンは一回もそのデータが通用しなかった奴なんだ。……ほら、前にあの仮面の奴で戦った時、結局まともに与えられたダメージはほとんどなかったじゃん?……そう言う事だよ。
「誰にでも持ちキャラって奴があるし、そのキャラを使う癖って奴がある。……けどね、彼はそれが無いんだよ。ホントに。何も分からない……だからこそ、恐ろしいんだ」
「……んだよ。よく分かんねぇけどよぉ……こんなデカい大会で持ちキャラ以外使う奴なんているのか?」
「そこだよ。……きっと持ちキャラ以外を使ってくるよ。……じゃなけりゃ毎回俺が勝ってる」
器用万能極まれりって感じだよ、たとえ初見のキャラを使えって言っても二分後にはもう使いこなせるようになってるだろうね。……それが奴の強みだからね。