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園歌の過去


「おはようデス!」


「よぉおはよう……いやおはようって時間じゃねぇけどさ……」


……あれ、そう言えば鍵はかけてたはずなんだけど……なんでいるんですかね?まぁいいか、合鍵くらい持ってるだろ多分。


「ところで園歌?」


「なんだ?」


「そう言えば気になったンデスが……この写真は何デス?」


「あぁこれか……」


俺と金山兄弟と食我の野郎が写ってる写真か……。懐かしいな、俺がまだスラムにいた時代の話だが……うん、そろそろ言っても別に大丈夫だろう。


「実は俺家出してスラムにいたんだよね」


~回想~


あの時代の俺はだいぶグレてたからなぁ……特にあのクソ野郎の事が本当に嫌いで二度と家に帰るかボケって言ってそのままスラムに来たんだよ俺は。


アメリカでも中々ないスラムへの行き方デスね……そもそもそんなに簡単に行けるところにあるんデスか?普通そういうとこは何某かあるんじゃないんデスか?


さぁ……?よく分かんねぇんだよなあんな場所にスラムがあるの。俺の元家から徒歩十分程度の場所にあるんだ。しかも壁とか無いから誰でも入れるって感じ。


「あのカスがよぉ……」


ワォ!小さい園歌も可愛いデス!これは何歳時デス?


確か13~4くらいだったかなぁ。ここから五年で三センチしか伸びなかったけどな。


特に問題ないデスよ!今のままで十分可愛いデス!


それ他の奴に言うなよ?


「二度とあのクソ親父のところなんか戻るかよ……」


この園歌はガム噛んでその辺に吐き捨ててそうデスね……ジャパニーズヤクザデスか?


実際やってた。と言うかヤクザはこのレベルじゃねぇよ……。


「おいガキ!金置いてけよ!」


「うるせぇんだよボケ!」


あっ殴った!ひどいデス!いくら何でも初対面の人を殴るのはどうかと思いマスよ!


まぁ相手は子供脅して金取ろうとしてくる奴だし……武器も持ってるし正当防衛だから。


「はぁ……これからどうするかなぁ……」


「やぁこんなところで普通の人間に会うなんて……どっから来たの?」


あっ金山デス!変な奴ですけど良い人デスよね!


そうだな。こいつら変な奴だけど割と良い奴だからなぁ……本当に変な奴だけど。


「言いたくない。俺は何も関係ない」


「そう……ま、そう言う事もあるさ!どうだ俺の家で飯食って行かねぇか?ちょうどあいつが飯に誘ってくれたんでな!」


あっ、グレてる時に救ってくれたから仲がいいんデスか?


そう言う訳じゃないな……正直に言うともう一個の方がだいぶ多い。そんで俺はスラムにある店に行くことになったのさ。


「よぉ食我!可哀そうな奴連れて来たからこいつも飯食っていいよな!」


何というか……スナックって奴デスかね?


オカマバーだぞ。


「……ではご主人様のを少なくしましょう」


「なんでぇ?」


ひどいメイドデスね……わざわざご主人様呼ばわりしてる人の物を取ると言うのは流石に……デス。


あのメイドは食我の奴が気に入ってるから問題ないから……。後この時のこいつはだいぶカッコつけてる。


「まぁ歓迎しようか……ボクの名前は『食我(しょくが)』。よろしく」


「……よろしくです食我さん」


こうして俺はスラムで生活することになったんだ。


だいぶキツそうデスねぇ。

____________



食我と出会ってからは奴の家で住み込みで働くことになったよ。基本的にやる事はそんなないけど。


「まぁとりあえず歓迎するよ。おい晴夜!君の後輩だよ」


「俺のぉ?マジか……ま、ここで暮らすのはお勧めしないってだけ言っとくぜ」


なんかいきなり出てきたけど誰デスこの人……?


あぁ晴夜(はるや)?例にもれず変な奴だよ……この人なんか空飛べるんだよな……なんでかは知らんけど。でもここのスラムってなんか異常な奴ばかりだから気にしてない。


えっ空飛ぶって……いや金山もしてたし普通なんデスか?


「……俺は家に戻りたくない。俺は父親が嫌いだ」


「あー……家出かぁ……。帰る家があるのはいい事だぞ?俺にはないからな。いや今はあるけどな」


あれ、この人結構暗い過去持ちデス?普通の人はこんなこと言わないデスよ?


まぁ親に捨てられてクソみたいな場所で育ってスラムに来た人だからなぁ……実際問題何人か人殺してる可能性はあるかも。


「まぁ飯にしよう!それで今日はなんだ?」


「皆様には近江牛のフィレステーキ、ラズベリーソース仕立てがメインとして出てきます」


「そりゃすげぇな!」


「ちなみにご主人にはゴキブリバーグです」


「俺にもそれをくれないかぁ!?」


なんかこの食我って人、可哀想デスね……。それで園歌はちゃんとお肉食べられたデス?


俺らはね。食我だけゴキブリバーグだったよ結局。文句は散々言ったけど一切聞こうとしなかったよ。


なんか哀れな奴デスね……


「それで……どっか行く当てでもあんのかお前?」


「……無い」


「じゃぁちょっと俺のところで働いて行くか?お前は見たとこゲーム系統の才能があるように見える。俺が言うんだから間違いない」


何の自信があってこいつはそう言うんデスかね?


知らん。でも人を見る目はあるよ食我は。……あのメイドは趣味みたいなもんだから気にするな。


「……分かった。その間俺はあんたの家に厄介になる。」


「あんたじゃなくて銀な。んでこっちの兄貴は金」


「すみません銀」


「さん」


そう言えば食我って人にさんつけてたデスよね?今は付けてないんデスか?


あの人さんつけると文句言ってくるんだよ……面倒だろ?


そりゃ面倒デスね。それで銀と金の家に行ってからどうしたんデス?


「さてと……ここがカジノさ」


「でっけー……」


「まぁここはドバイ、アメリカに並ぶ程の規模だからね……ほらこっち」


……コレ違法じゃないデスか?明らかに違法賭博って奴デスよね?


聞くがスラムに法が通用するとでも?


そう言えばそうでしたネ……ちなみに警察が仮に踏み込んできたらどうするつもりデス?


さぁ?でも多分無事ですまないのは確かだと思うよ。


「さてと……と言う訳で今日からよろしく!……で、まずやる事があってぇ……」


「なんだ?」


「接客云々は正直厳しそうだからこの台で好きなようにゲームしてていいよ」


「何でもいいのか?」


「何でもいいよぉ?」


という訳で俺はこの台でアメリカンポーカーを始める事にしたんだ。


あのー……。あっさりやってマスけどなんか色々おかしくないデスか?第一これ賃金はいくらデス?


勝った分だけ貰える仕組みになってる。最初の頃は勝てなくて散々だったからなぁ……次第にイカサマの手段も覚えて行ったからな。


……その、それは大丈夫なんデスか?本当に。


「はいクイーンのフォーカード」


「うぐぅ……もう一度だ!」


「はいはい」


「やぁ園歌、調子はどう?」


「上々って感じですよ」


「そりゃよかった。ところで次のステップに移ろうと思ってるんだけど……」


なんか怪しいデスねぇ……。この後は実際どうだったんデス?


この後?まぁ落ち着いて聞けよ?マジでこっから厳しくなってくるからな……

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