俺の妹が急にゲームにはまる訳がない!
はっ。そう言えばここに来た用を忘れてた。すやすやしている場合じゃない。園歌の家に行かないと。
「そうだ、バイト代は出すからちょっと手伝ってほしいネー」
「……まぁいいけど」
うーん……正直、これが終わった後でも別に大丈夫か。まだまだ時間はある。それにいつ行くとか指定してないし。
「嬢ちゃんに合いそうなエプロンはなぁ……これでいいか?」
「ん」
「ちょうどいいサイズだな……悪いな嬢ちゃん、それで我慢してくれや!」
「了解」
そう言えばウォンは住み込みバイトだけど、もう一人いるみたい。誰だろ。
「イエーイ!親父来た来たぞーっ!」
「おうネカか!今日はちょっと慣れてないちびっこがいるが気にすんなよ!」
「了解ーっす!……このアルビノのメチャ可愛のロリが?」
「おいそれでもロリじゃねぇらしいから言うな」
……そんなに子供みたいに見えるかな……?私。ま、別にいいや。早速バイト。
~三時間経過~
「お前ら休憩入れ」
「了解っす店長!」
「了解」
そんなにお客来ないね。美味しい店なのに。立地が悪いのかな?単純にビルとビルの間はハッキリ言ってだいぶ悪いと思うよ。
「じゃまかない貰いますねー!」
「私も」
美味しい。……ん?参加表に新しくカエンが……あっ、カエンがもうパートナー見つけてる。どうしよ。
「今日も店長マジいけてる!サイコー!」
「静かに食え!」
「うーい」
……そうだ。今回は頑張れば一人で何とかなるかもしれない。つまり逆に言えば人数さえ足りて居れば問題ないんだ。
「ねぇネカ」
「ん?何?」
「ちょっと手伝って欲しいことがある」
「……危ない仕事?」
「ううん、寝てるだけで良いよ」
「絶対危ない仕事じゃん!嫌だよ危ない仕事は!」
しまったちょっと言葉が足りなすぎた。ちゃんと説明しないと。
「もう少しするとゲームの大会があるの。でもスカウトしようとしたけど駄目だった。だからよろしく」
「成程そういう感じですか……いいよ!そうだアニキもゲーム上手いんだよ!今度紹介してあげるねー!」
「客いねぇけどもう少し静かにしろって!」
怒った。それにしてもウォン遅い。
「出前から帰ってこないね」
「あいつはいっつもそうだ!毎回出前に何時間かけるんだって話だ!……ちょっと悪いんだが迎えに行ってくれネカ」
「……だって。じゃあコレ私のレイン」
「おけマル水産!じゃあまたねー!」
なんだか凄いテンションの高い人だった。
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「ねぇアニキ」
「なんだネカ?」
「や、ぶっちゃけ……アニキのやってるゲームって……楽しい?」
あーっ?ちょっと待てよな……?うん?なんでいきなりそんなこと言いだすんだ?何かあったか……?俺の妹が急にそんなことを言いだす訳がないんだよな……?
「一応聞くが……なんでだ?」
「あーね、今度バイトでゲームの大会に行くんだけど……ちょっちやってみよっと思ってね」
「そうか……」
……どうするかな……いやまぁ別に機械は貸せるから特に問題にはならないんだけどな?……いや、せっかく頼られたんだ、それならば兄として正しいことをしなければ!
「と言う訳で貸してやろう」
「わーい!ありがとうアニキ!」
「おぅ良いって事よ……」
フフッ、これでまたアニキポイントを加算してしまったな……いやアニキポイントって何?まぁええか、俺の部屋からVRヘッドセットを持ってきてっと……
「コレを頭に付けて電源入れればゲーム開始だから。ログアウトすると勝手に電源は切れるから、寝るときはログアウトしろよ?」
「了解ー!じゃあねアニキ!」
「さてと……俺もログインするかな」
ちなみに俺のVRセットは少々お高いベッドタイプ。操作制度がめちゃめちゃ上がるしすぐに寝れるのでぴったりなのです!ちなみにネカに渡した方は俺のお古であり一番最初に買った物なのだ。
「さてと……お?なんか派手に誰かが戦ってるみたいだな」
誰が戦ってるんだか……ってPENSUじゃね?そう言えばそろそろ大会だからな……あいつも今から大会へ調整してるっぽいな……よし!俺も頑張らないと!その為にはやっぱりルーの奴を呼び寄せる必要があるか……
「そう言えば今日は見なかったけどどこにいるんだあいつ?」
うーん……色々言いたいところはあるが、あいつにもプライベートって奴があるだろ。その辺を俺がごちゃごちゃ言ってもしょうがない事だし……。それに、最近は俺に付き合って貰ってばっかりだったから、たまには一人でいる時間ってのも重要なんだろうな。
「さてと……。とりあえず目についた奴に片っ端から喧嘩を吹っかけてみるか」
俺が一人で出来る事と言えば、自分の力を上げる事のみ。それを考えれば出来る事と言えば……そう、ひたすら対決あるのみなのです!という訳で強そうな奴、かかってこいや!




