決勝、終了。そして……
「片腕でも重力操作はできる!」
相手はまだ負けてねぇだろ……!俺も負けてねぇ!だったら全力でぶっ飛ばしてやる!それがルーへの最大の敬意だろうが!全力で戦ってねぇくせに勝ったなんて……いえるかよ!
「まだ来るか……!」
「悪いな、こっちはまだ負けたなんて思ってねぇんだよ」
さっき投げたやつが胸にガッツリ刺さってるじゃねぇか!よし使おう!これでも何もないよりましだ!使いにくいがそれでもかまわん!引っこ抜いて使ってやる!
「やっぱ早いじゃねぇか……!」
「それに対応するそっちもな……!」
結局のところこの戦いは最後まで気を張ってたやつのほうが勝つんだよ!……死ぬまで負けてねぇに決まってんだろうが!相手のガードごとぶち抜け!こうするしかねぇんだよこっちは!
「っらぁ!」
『カエン選手の腹にこぶしが突き刺さっています……!』
『……しかしジョン選手にも刃が刺さっています……』
『どっちだ?どっちが勝った?』
『た、倒れたのは……』
『カエン選手か?カエン選手が膝をついたぞ!?』
『……いや違う!カエン選手が動いたってことだ!つまるところは……』
「……勝ったのか?」
「だね。おめでとう!」
『勝者!ッカエン選手ーッ!』
「食我……」
……なんか実感がねぇなぁ……まるで夢を見ているようだ。……でも、この熱気は、この声は間違いなく……事実なんだ。
「あー……負けちゃいまシタ!」
「ルー!ナイスファイトだったぞ!」
「当然手を抜いたつもりはないデスよ!……というわけで、園歌!優勝おめでとデス!」
俺は……勝ったんだな。世界大会に……勝ったんだな!
「よっしゃぁー!」
「さ!表彰式をするから行こうかチャンピオン!」
__________
「いやー……すごい戦いだったな!」
「そうだな」
「……お前もそう思ってるだろ?」
「じゃな。さて……式の準備に入るとするか!」
「何?優勝パーティー?」
「ふふ……結婚式じゃよ!」
_________
「……んぉ?」
どうやら寝てたみたいだな……日付は既に翌日になっちまったし、完全に眠っちまった感じだな……ところでなんで今シートベルトつけてんだ俺は……?
「園歌!起きマシたね!」
「……あぁルーか……おはよう……」
「ハイ!ところで……今はどこにいると思いマス?」
「車の中とかか?にしちゃちょっと変な感じだが……」
「飛行機の中デス!」
「……え?」
「今、ハワイに向かってマス!」
「……えぇ?」
「そこで結婚式を挙げマス!」
「えぇぇ?!」
あー待て待て……。落ち着け俺。うん。大体把握した。
「あっ俺ハワイにいるの!?」
「ハイ!ほかの人たちもいますよ!」
「うわぁまじかよ……えっいつ?」
「昨日の夜デスね……」
__________
「結局園歌試合が終わったら寝ちゃったね」
「……だね」
「それでどうするんだ?これから」
「えぇ!結婚式を挙げマス!」
「へー……へぇ?!」
「とりあえず園歌を連れて飛行場に行きまショウ!」
__________
「という感じデス!」
「俺そんなに起きないかな……?」
疲れてたのか?
「ま、そんなこともありマスよね!」
しかしそろそろ普通にハワイにつくな……さてと。んじゃ行きますかね……
「しかし……凄い眩しいな」
「ま、そういうこともあるからのぉ!」
あっババアだ。それにしても色々いるなぁ……食我とかスラムのやつらとか、ネカとその仲間とか……
「よっ園歌!一足先にハワイで日光浴させてもらったぜ!」
「ご主人様、ココナッツミルクです」
「おうよろしく……ぶぽぉっ!?」
「ココナッツinカブトムシです」
うーんいつもの光景だなぁ。それ以外にもいろいろあるしなぁ。
「ところでデスけどね……」
「結婚式場の話か?」
「そうデス!あそこの大きなチャペルでやりますよ!」
「おぉそりゃいいな。実は結婚指輪も買ってるんだよ既にな!」
_______________________
「ん?いつ結婚指輪買ったんだ?あいつ」
「前にご主人様名義で購入させていただきました」
「おぉい?!俺かよ?!……まぁいいや。俺の息子の結婚式だからな!息子の門出を邪魔するものがいるわけがないだろう!」
「流石ですご主人様。ちなみに結婚式自体は別の人が既に支払っていたようです」
「あー……もしかしてあのバアさんか?」
「そうですね」
_______________________
「とりあえず結婚式までに今はハワイを満喫しまショウ!」
「そうだな!」
「……おー」
「じゃあ僕らもここで結婚式を挙げようか?」
「誰がするか。まだ時間があるだろ」
なんかにぎわってきたなぁ。ま、気にしなくていいかな!何せ結婚式を挙げるんだ、このくらいはっちゃけてもかまわないだろ!