決勝戦:開幕
『さて決勝戦が遂に始まります!』
『やはり今回も世界一位と世界二位の決勝戦になりますか……』
『さぁ去年の雪辱を晴らすことはできるのか!?決勝戦……開幕!』
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さて、まずはとりあえずザコを蹴散らしつつ……ルーが今どこにいるのかを探すべきだな。明らかにアレは放っておくと死にかねない。特に回復系のアイテムを回収されると非常に厄介だ。
「っと回復アイテムも減ってないが飲んでおこう」
やはりこういうのが一番あいつには効くだろうな。……問題は次にどうするべきか。重力操作で奴を探す?いやそれは見つからなかった時に先手を取られかねない、じゃ次に考えるべきは……やはりあのショッピングモール!
「ここはアイテム多めだから先に潰すに限る!」
いてもいなくてもどっちでも構わん!とにかく回復アイテムを消さなけりゃどうしようもない!やっぱ回復アイテム多いなここ!どんだけ存在してんだよ……っと。可視系アイテムが落ちてんじゃん。使うとしましょ。
「どれどれ……」
あーいますね。結構近くに存在してますねぇ……おいおい。これヤバいな距離が。間違いなく見て無けりゃ速攻攻撃されてただろうな。だがこっちが先に認識した以上俺が先手を取れる!
「先手必勝!」
「おっ来たな!」
思ったんだけど何なのあの武器?よく分かんないよねアレ……いや武器の見た目的に。なんていうんだろ大剣を持ちやすくした感じ?かなぁ……いやまぁ。それでもとりあえず先手を取れるのはデカい。
「ぶった切ってやるよ!」
「喰らう訳……ねぇだろ!」
ちゃっかり攻撃してきたのを避けて反撃!顔面に直撃!しかし問題な事に当然ながらこれくらいは普通に耐えれる体力だ!そして俺は即座に逃げる事を選択!いやマジでちょっと今回はスキル的な問題でキツイって言うか……
「逃がさないよ!」
「だよなぁ」
けどね?当然お前に何の考えも無く殴りかかった訳じゃないのよ?当然逃げ道は確保しているんだ!と言う訳で飛びのきますね……
「あっこの野郎逃げるな!」
「悪いな逃げさせて貰うわ!」
そしてこのまま重力操作で逃げつつ……回復アイテムは丁寧に回収していく。ハッキリ言って回復された瞬間面倒くさい事になる訳で……ね。まぁ今でも十分面倒なわけだけどなぁ!
「とりあえず一旦逃げ延びたか」
あっちも普通に回復アイテムを回収しに行ったみたいだな。流石にほぼHPが無い状態で戦いたくはないだろう。……さて、こっちは火力増加系のアイテムがある。
「次に会った時が攻撃の時だ」
「さぁ……やりあおうじゃないかよ!」
「そうだな!」
ん……あいつすでに必殺技を使ったな?まぁそれだからどうだって話になるがな!全力でぶち殺すだけだ。とは言え問題になるのはあいつの強さをほとんど知らないことだけだが。対人戦での奴は……未知数だ。
だがこのまま突っこんでやる!
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『カエン選手が突っ込んだ!』
『ジョン選手は必殺技を使用し既に三十人のNPCを倒しています!』
『あのキャラは必殺技を使用時にNPCを倒せば倒すほど火力が上がるというなかなかに強いスキルを持っています!』
『それに対する鋼は必殺技使用時に凄まじいパワーを使うことができるキャラ。必殺技の時にとてつもなく強いキャラというわけですね』
『さぁお互いの射程圏内に入った!』
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ッ早いじゃねぇか!マジでやばいぞ今回は……!必殺技は……まだ使えない!ここで使ったらあれにやられる!だが射程圏内に入った時点でもう互いにぶっ飛ばしあうことは確実なんだよ!
「ぶち抜け俺のこぶし!」
「当たらねぇよそんなもの!」
あっ俺の腕が切られた!そしてこの距離じゃぁ……よけられねぇ!
「がッ!」
腹が切られた!明らかにHPも限界圏内……何をされようがこれ以上食らえば確定即死!……厳しいじゃねぇかよ。けどなぁ……このくらい、ハンデにすらならねぇんだよ!
「十秒間……ついてこれるかよルー!」
「やってやろうじゃねぇかよ園歌ぁ!」
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『カエン選手が必殺技を発動した!十秒間の間だけ持続する必殺技にジョン選手は対応できるのか!?』
『先手を取ったのはカエン選手!自分の体に大量の重力を纏わせその状態での突進!』
『ジョン選手の周りの物質がゆがんでいきます!』
『しかしまだ倒れない!HPがいまだ下がらない!』
『カエン選手武器を手に取った!そして武器を……破壊した!』
『さぁこれで守る武器が存在しなくなった!これからどうするのでしょうか?!』
『ジョン選手ここでさらに突っこんだ!あえて自分から重力の檻の中に入っていった!』
『止まらない!ジョン選手が止まらない!』
『カエン選手ここで自分の火力を上げるアイテムを使用!そしてジョン選手を蹴り飛ばした!』
『ジョン選手ここで折れた武器を投擲!カエン選手に突き刺さる!』
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「ゴッ」
「ガッ!」
あーダメだ必殺技が切れる……このままじゃ負けるな。……けどな、まだ負ける気はないんだよなこっちは……まだ腕は片方残ってんだよ!
「じゃ……来いや!」