俺とゲームとやって来た奴
初めまして。ラブコメは初挑戦ですが頑張ってやらせてもらいます。
「さてと……今日もログインするとするか!」
俺の名前は『茜木園歌』。こんな名前だが男だ。よく名前だけで女と間違えられるが、実際小さいせいで女と間違えられやすい。一応これでも身長を伸ばそうと努力はしたんだが……今現在18歳でギリ140cm行っている程度しかない。ついでに髪の色は凄い白色の髪。どうしてこうなったんだか。
「しかしいっつもここのロビーは混んでるなぁ……あいつもログインしてんのか?」
んで今は俺はこのゲーム……ジャンルは格ゲー、名前は『アトミック・レジェンド』。しかし今流行りのVRMMO?とか言うよく分からん技術を使っているので、リアルに格闘しているような体験が行えると話題である。なんで物凄い人がいる。楽しいからな。
今年に入ってのプレイヤー人口は、全世界の人類の1%がこのゲームをやっている計算になるのだと言う。この時点で途方もない数字に聞こえるが、更に凄いのは、このゲームは数百万人以上がログインしている状態を常時キープしていると言う事。そして遅延やバグも一切起きていない。格ゲーをやるとこの辺は厄介な問題となるのだが、それが無いためシンプルに実力が問われるようになる。
極めつけはキャラメイクの自由度だろう。大量にあるパーツから好きな物を選び、それを自由にアバターに付ける事が出来る。ここだけでかなりの自由度を誇っているのだが、その上スキルや必殺技、果ては設定までも自力で作る事が出来ると言う物なのだ。
後は色々な企業が集まってマンガのキャラを出したり色々……っと、あそこにいるのはもしやジョンか?こっちに気が付いたっぽいな。
「ヘイ『カエン』!」
「よぉ『ジョン』!なんだ?今日もランクマッチに潜ってるのか?」
「あぁそうだ!ところでどうだ?これから二人で試合をするというのは!」
「そうだな……いや、今はいい。新しいキャラを思いついたんで製作中。それが出来上がったら戦おうじゃないか!」
今話しかけてきたのが俺のゲーム仲間のジョン。基本的にアバターは筋肉ムキムキの黒マッチョ。ちなみに俺のアバターはもう開き直って、逆に小さい体に頭にパソコンが付いてるって感じの顔にしている。
それはそうと、実は俺は去年にオンラインで行われた世界大会で、一位を手にしている。世界中からそりゃもう色んな奴が来て戦うのだが、そんな中でも優勝したんだけどな!
しかし問題がある。それは俺が全国一位であるとわかると、誰も試合を受けてくれないと言う事である。あまりにも有名になりすぎたせいで、誰とも戦えなくなるとは皮肉な物である。しかしジョンは別だ。何度倒されようとも俺に立ち向かってくるのだ。だから俺はジョンが好きなのである。……いやライクの方でね!?
「あっそうだ、ちょっとプライベート的な話になるから個別チャットで話してくれ」
「なんだ?」
あ、そうそう。このゲームは世界中で現在遊ばれている訳だが、各国の言語を一瞬のうちに解読して言語化している、通称『マギナマグナ』とか言うヤバそうな装置だそうだ。
んで、ジョンは名前からなんとなく想像はつくが、アメリカの奴らしい。国を越えた付き合い……夢が広がリングだな!しかし個別チャットとか使う奴久しぶりに見たな……基本使わないからな、よっぽどの事が無い限り。
『あーあー……よし。で個別チャットに切り替えたが、何の用だ?』
『あぁ……実はな?私、今度日本に行く事になったんだが……』
『マジかよ!そりゃいいな!』
『それでだ、ホームステイと言うテイで君の家に泊めてくれないだろうか?』
「ファッ!?」
あっ、こっちに注目してる……つい叫んでしまった。おい何でもないからな!……さてと。えっなんで?!いやまぁ別に部屋は無駄に余ってるからいいけどさぁ。男二人、家の中、何も起こらないはずがなく……とかなりそうだな。別になっても構わないんだけど。えー返事は……
『いいぞ!』
『ホントか?じゃあ家の住所を送ってくれ!……そうだな、明日には着くだろう!』
『早いな!?まぁ最近どっかの会社が飛行機より早く移動できる乗り物を開発したからなぁ……』
『あぁ!と言う訳で今から準備するから落ちる!』
『そうか……そう言えば結局戦わなかったな』
『ま、家に行けば戦い放題だろ!じゃあ落ちる!』
いやぁ、ホントに来るのか。それなら家の掃除をするか。とりあえず俺も落ちて……後はレインを使ってあいつに家の場所を送って……と。これでよし。んじゃ明日に向けて色々準備するとしますか!
~翌日~
「さてと……」
あいつが来るのが楽しみすぎてピザ買ってきちゃったよ。Lサイズの奴。とりあえずジョンの奴もこれで喜ぶだろ!後はあいつが来るのを待つだけだが……そういや今あいつどこにいるんだ?一回レインを送ってみるか……っと。
「おっレインに通知が……何々?」
『もうすぐ着きます』
「いやホント早いな……返信っと」
『了解』
これでOK!早く来ねぇかな……ところでさっきから凄い恰好のねーちゃんがうろついてるんだけど、道に迷ってんのかな?うわ胸でっか……よし下心は無いけど話しかけに行くか!下心は無いけど!
「そこの外国の方、大丈夫ですか?」
「オウ!大丈夫ネー!……ところでここはドコデス?」
うーむ白い肌に麦わら帽子の破壊力は凄いなぁ。俺一目惚れしそうになっちゃうよ。実際付き合うなら白いワンピースに麦わら帽子が似合う女性がいいなぁ。白いワンピースじゃないのが残念だ。しかしこの辺に面白い物ないけど何しに来たんだ?
「この辺は迷いやすいですからね……ちなみにどこに行くつもりで?」
「ジツは……ゲームで知り合ったブラザーの家にホームステイすることになったのデスが……ロードに迷ってしまったのデス!」
「そうか……」
なんか若干……若干?カタコトだなこいつ……。多分日本に来たばかりで日本語全然分からないんでしょ。にしてもゲームで知り合った奴の家に行くのか……なんだか知らんが俺と同じような境遇の奴がいるとはな……ぜひお知り合いになりたいところだ。とは言えその為には協力しないとな。
「そう言えば、地図とか無いんですか?」
「チズ……オゥ!忘れてマシタ!ブラザーからマップを預かってたのデス!」
あるのか……。さて確認してみましょ、どれどれこの家は……うん多分この地図が間違ってなけりゃ俺の家と同じ場所を指してんな?なんで?この地図を渡したのはジョンなんですけど!?あの筋肉ムキムキの男の声は?!……そう言えばあのゲームって音声を弄れるんだったか……?えっもしかして……?
「それで……分かりマシタか?」
「あぁはい……その前に一つ聞きたいんだけど、もしかしてお前……ジョン?」
「……ワッツ!?」
~十分後~
「正直マジかって感想が出てます。女の人だったんですか……」
いやー驚いたねぇ!まさかネカマじゃなくてネナベプレイしてる奴がいるとはねぇ!こんなことあるぅ……?いや嬉しいよ?巨乳外国人と一緒に生活出来るってだけで充分うれしいんだよ?でもさ?俺が想定してたのはジョンであってこのお嬢さんじゃないの。
「私も同じ感情デス……あんなアバターを使ってるヒトがこんなボーイとは思っていなかったデス……」
にしても……スケベな恰好してるなぁ……いや本当にちょっと待って、さっきまでは他人だからあわよくばとか考えてたけどこれはヤバイって。この人と今日から同じ屋根の下とか、下手すりゃ一線超えかねないぞ俺が……。そうなったら下手すりゃ国際問題に発展しかねないんですけど!?
「まぁ別に気にする事でもないデスね!」
「いや気楽か!男だぞ!?」
「イエ、出会って分かりマシタが……正直に言って……アー……?」
「あぁ自己紹介もしてなかったなぁ……俺の名前は『園歌』だ」
随分と……気楽な奴だな……。正直怖いよこの気楽さが、俺との身長差で万が一襲われそうになってもどうにかできるからって理由なのか!?実際この……あー……
「了解デス!私の名前は『ルー・フェルラドル・ルーア』デス!気楽にルーと呼んでくだサイ!」
うん、ルーだ。ルーは身長が俺よりも上。……いや俺より下の奴が基本的にいないんだけど。大体ルーの身長は大体180㎝……。まず戦ったら勝てない!だから大丈夫何ですか?ちょっと泣いちゃいますよ俺。
「じゃあ……これからよろしくな、ルー!」
「はいデス!よろしくお願いデス!」
にしても……凄いな。何かするごとにおっぱいが揺れるんだが……もうね、うん。ちょっといろんな意味でデカすぎるかな……ホント。
「で、部屋だけど上にある俺の部屋以外は好きに使って構わないから」
「オゥ!了解デース!では荷物を置いてきマスのでしばしウェイトデス!」
「普通に日本語でいいんじゃないそこは……」
さてと、これからどうするかな。とりあえず買い出しにでも行くかな。そう言えばコーラ買ってきてないし。
設定集:この世界に関して。
園歌が生まれるかなり前からほぼ全ての国で和平交渉がなされており、かなり平和と言う感じではある。と言うのもこの世界ではたまに能力者が生まれることがあり、それらの脅威に対抗する為でもある。科学もかなりの発展を見せており、宇宙旅行がとりあえず金持ちなら行ける程度には凄い。
そしてそんな科学力を結集して作られたのがこのゲームである。