#7 ババ抜き負けたら罰ゲームな!
ワードウルフとかあるけどよー!
アレ、罰ゲームないとつまんねーよな! ハハハ!
ババ抜き、第2回戦。
皆、真剣な表情をしている。
コトミが罰ゲームとか、言い出すから……
まあ、普段みんな、罰ゲームとかやらなそうだもんな。
配り終えた手札を捨て始める。
手札が揃った。
僕、7枚。
レナ、3枚。
イオ、3枚。
エリー、3枚。
アイ、2枚。
コトミ、3枚。
あ、これは……
「ふふっ、かわいそうだから、ヒカルの番からはじめましょうか」
「オッケーオッケー!」
「いや〜、もうこれは、勝負決まっちゃったかな」
「まあ、やってみないとわかりませんよ」
「アイも、がんばる……」
結局、一抜けはコトミだった。
「ふふっ、私の勝ちね」
笑い方がちょっと不気味だった。
負けたら何を命令されるんだろう。まさか……
そして、アイ、エリー、イオの順に抜けていった。
結局、僕とレナが残った。
「ぜッッッたい、負けないッ!!」
やっぱりレナ、負けず嫌いだよな……
コトミの方を見てみる。ニヤニヤとした表情を浮かべている。
なんとなく、僕とレナの2人の様子というよりは、僕の方だけを見ている気がした。
彼女と目があってしまって、少しドキッとした。
「やったー!」
「あっ」
よそ見していたら、レナにスペードのキングを取られてしまった。
いつの間にか、また負けていた。
まあ、なんとなくそうなる気はしていたが……
「じゃあ、罰ゲーム、ね」
満足げな表情をしたコトミが僕の方に近づいてくる。
硬いローファーの音が、コツコツと、響く。
目元が不気味に笑っている。
コトミが僕の背後をとった。
そして、そのまま、腰に手を回してきた。
コトミは綺麗で細い指を、僕の身体に這うように、ゆっくりと動かしている。
「じゃあ、ヒカル、あなたには———」
ゴクリと唾を飲んだ。
覚悟を決めた。
そして、彼女は耳元でこう囁いた。
「魔法の練習をしてもらいます」