きゅう
石を拾ったと思ったらゴーレムだった。
何を言っているのか分からないとは思うが私も分かってない、安心して欲しい。
何も安心できる要素はないけれども。
「おーけー、ぐるぐる。ゴーレムってなあに」
『こちらの情報がみつかりました
ゴーレム:土魔法と錬金術を使って作成する人形』
……スマホの鑑定さんや、説明途中放棄しすぎではないでしょうか。
頭って書いてあったから!人形っていうくらいは分かるよ!!
スミレちゃんが変なもの拾ってるっていってたの、これかーこれだったかー
手のひらサイズの石なんだけど、小さいゴーレムなのかな。
というかゴーレムってダンジョンとかあってそういうとこにいるボスなイメージあるよ、適当知識だけど。
んー、土魔法と錬金術ね、なんかがんばったらゴーレムができるってことですかね。
洞窟だし、前拾ったのもあるから石はあるんだけど、なんか私も作れたらいいな。
とりあえずゴーレムの頭の石?は洗って簡易鳥居にでもお供えしておくか。
ご利益ご利益〜!!
・・・・・
ちょっと仮眠したりしたけど、今何時なんだろう。
スマホの時計は役に立たないし、雨も降ったままだから薄暗いままだし、うーん。
ゴーレムって気になるよね、ゴーレム。
雨だと外にもいけないから、今日も今日とて魔法を使ってみようかな。
ちょっと寝たら元気になったし。
スミレちゃんは次いつ来てくれるかなー
まずは土魔法。
土魔法っていってもどうやって土に分類されるのかよくわかないのですが、早速やってみます。
魔力を放出しつつ石をつつんで、、
「石を砕く」
……砕けなくて割れただけだけど。これかな、土魔法。
こんな感じでやっていけばいいのかな。ふむ、石も問題なく加工できるのが分かったということは、
洞窟のリフォームができる。
まずは、入り口からちょっと入ったところに段差を作ります!!
ずっと土足だったし、気になってたんだよね。
外と中の区別をつけるための段差ね、
本当は内側を高くしたいんだけど、全部高くするのは魔力が足りなそうなので、できることから少しずつ。
魔法ってないところからあるものはできないだろうし、洞窟の石を使ったほうが魔力が抑えられそうなので、全部石で作ることにします。
ちゃらちゃちゃちゃちゃ〜3分間クッキング〜!
クッキングではないけど。リフォームしました。
こちら、入り口から数歩入ったところにですね、じゃーん。
段差です。
こちらに入るときはここで靴を脱いでくださいね。
今はまだ中を掃除していないので、そのままどうぞ。
お次はこちら、中にはいるとそのまま左手に簡易鳥居があります。
枝を床に置きっぱなしで鳥居に見立てていたので、ここを工事しました。
どーん、とね。
………魔力で削ったり膨らませたりして、出来上がりました。
神棚です。低いけど。神棚ということにします。
ここは拾ってきて食べられそうなものを置いたりしてます。
簡易鳥居は枝を折ったりしただけだったので、きちんと石で作りました。
あと私はきつねを飾っていたので、きつね様も作ったよ。たぬきじゃなくてきつね派なの。
神棚から少し進んで真ん中に机です。
椅子を作るのが大変なので、低めの机です。これも石です。
魔力で頑張りました。
そして、どーん。
少し敷居をたてて奥には寝床があります。
拾ってきて洗った枝を組み込んでいます。まだまだ足りないです。
お手洗いはどこかって…?
お外です。乙女の秘密なので詳しくは述べませんが…
はあ、はやく文化人の生活をしたい。
とまあ、休憩をはさみつつ、ようやく完成しました。
よっ、ひとみさん頑張りましたよ、盛大な拍手をお願いします。
まあ、誰もいないので、独り言もすすみますね、ええ、本当に寂しい。
足りないものがあったらその都度、頑張ります。
そうそう、魔法を使用し続けてたら、指から魔力を〜と考えなくても自然にできるようになりました。
こういうのは練習あるのみなんだね、本当に。
・・・・・
まだ雨が降ってるし、いくらなんでも暗いので、とうとう火をだします。
木の枝と葉っぱを玄関に置いて指先に火を出したいと思います。
慎重に慎重に……できた。
蚊取り線香のまあるいの想像したからか、そのくらいの火だけど、でたよ。
これを葉っぱに落として、火種を育てて……
はー…、できた……
煙いけど、もう少し乾燥した枝とかがあればよかったけど、まあ、できました。
風魔法でふんわりお外にだしていけばいいよね、あああ、火だよ、進歩した。
火が熾せたので身体を洗って、乾かせるかな。
ちょうど外は雨だし、雨も利用させてもらってやりますか。
開放的な気分にはならず誰も見ていなくてもめちゃくちゃ恥ずかしいということがわかりました。
ネットとかだと川で洗ったりする人もいると思うんだけど、これ、なれないと無理ね。
でも、久々のお風呂というかシャワーすっきりしたー。
・・・・・
ようやく外が晴れた。
雨が止むまで、草履やカゴを作ったり、布団になりそうなものを作ったりしてたけど、そろそろ近くにある蔦や枝も取り尽くしてしまったし、飽きてきちゃったんだよね。
雨粒が草木に照らされて、光っている。
洞窟の中は薄暗いからか、外の日差しがとても眩しい。
あれから玄関先の火がずっと消えることもなかったけど、煙があるのが残念なんだよね。
今日はもっと煙がでなそうな燃料と食料を探しにいこう。
あと袋の代わりになるようなもの、ないかな。
神様、今日も美味しいもの見つかりますように。
それじゃ、行ってみよー!おー!
ようやく拠点が完成(?)しました