はち
主人公ひとみの名前をカタカナにしました
あと年齢を36から34にしました
収納魔法を教わったあと魔法講座をスミレちゃんから受けた。
長いこと話していると外から雨音が聞こえてきた。
「ヒトミはさ、この世界でどんなことしたいの?遊び人って毎回面白いことしていくから私楽しみなのよ。」
キラキラした目でこちらを見てくるスミレちゃん。
正直、こちらに強制的に連れて来られたし、やりたいこともないんだけど、こんな子どもの期待のこもった目にやりたいことないなんていってがっかりさせるのもいかがなものか…
「そうねえ、まずはゆっくり見て回って楽しむ予定よ。どんなことするのかはまた考えてみるね。」
「ふうん。そうなのね。ヒトミが何をするか楽しみにしてる。私そろそろ戻るね!また遊びに来る。」
…と返答になっていないようなことを言って、雨の中、でていってしまった。
・・・・・
外は打ちつけるような激しい雨。
さっきまで話していたせいか洞窟が一段と静けさを増してる気がする。
日本にいた頃は、子どもたちもいたし毎日賑やかだったからこんな静かなことなんてなかったな。
さ、感傷にひたるのはやめにして、せっかく教わったのだし魔法の練習をしよう!
スミレちゃん曰く、
この世界の魔法は想像通りの世界で、火風土とかそういうのがあるらしい。
魔法は生活に密接に関わってくるもので、誰もが魔法を使って生活をするみたい。
魔力のない人はいるけど、そういう人は国から魔法具が付与されて生活できるっていってたかな。
人族や亜人(エフルや獣人もいるんだって!)がよく魔法を使っているらしい。
ただ、獣人はそこまで魔法が得意でもないみたい。できる人もいるらしいけど。
森には魔物がいて、魔法が使える魔物もいる。
とまあ、このくらいかな。
魔法については、呪文とかではなく、キーワードさえあれば発動できるようになっているらしい。
よくある無詠唱はこの世界では使えないし、使うことができてもキーワードを言わずに魔法を使うと犯罪らしい。
精霊は精霊魔法というものだからキーワードなくてもいいし、そもそも人間の法律では縛られない存在なんだって。
とまあ、ここまで頭の中でスミレちゃんから教わったことを整理してみたんだけど、なにかメモするものが欲しいよね。
そのうち木に石で書きつけるしかないのかな、遠のく文明。
ま、魔法が使えると分かったので、まずは、水ですよね。
飲水の確保は大事!やってみよう。
イメージが大事だから、魔力を指から出しつつ…
「水を丸くお願いします!!」
おおお、指から繋がって丸く水がでてきた。
魔力が水に変わっている感じなのかな、これ。空気中の水分が魔力によって水に変わるのかしら?
そこまで詳しくはないんだけど、魔法って不思議ねえ。
想像してたのは、宇宙で水飲む感じでふわふわ浮いているようなものなんだけど、難しいかな。
時間はあるんだし、練習してみよう。
ゆくゆくは飲水用、拾ってきたやつを洗う用で2つは水球を作って浮かべておきたい。
あと、風魔法があるならハンドドライヤー的なものも欲しいよね、
そろそろ服を洗いたいし、汗臭い気がするからね。
ちょっと怖いけど、火も欲しいよなあ。
洞窟出たところに火を作る?山火事みたいになってしまったら大変だからやめておくか。
簡易鳥居に火でもおいておこうかな、木があるからこれにつけたら燃える…?
水分があるから上手く燃えないかな、どうかな。
魔法だから火種は必要ないとかそういうのあるのかな、スミレちゃんに聞いておくんだった。
ネットとかでは火の魔法よくでてくるけど、あれ、危ないと思ってたんだよね、いきなり火で燃え移ったら最悪だし。
物語だったらすぐにできたりするんだけど、これが私の現実だからね、慎重にやっていこう。
・・・・・
魔法って使えばそりゃ魔力もなくなりますよね。わかります。
めちゃくちゃ疲れたよ。体が重い。
これが噂の魔力切れ。
魔力が真ん中くらいだったもんね、自分のステータス。
確認してみようかな。
「スマホでてきて」
おお、本当に空間から荷物がでてくる。面白い。
「おーけー、ぐるぐる。私の今の情報教えて」
『こちらの情報になります。
坂井 ひとみ(34)
種族:人族
状態:疲労
体力:中
器量:中
気力:低
魔力:低
【スミレのお友達の印】』
やっぱり、自分の状態がこれで確認できるのね。チートじゃん、スマホが。
そりゃ、疲労するよね、日本にいた頃みたいに寝床ができてるわけでもないし、横になるには石は辛い。
ダンボールみたいなものを敷かないといけないかな。
魔力が低くなっているのは使ったからだと思うんだけど、気力も低下してるのはなんでだろう。
気力ってやる気とかそういう問題なのかな、ふわっとしてて分かりにくい。
もう今日は魔法の練習もできないみたいだし、スマホの他の操作でもしておこうかな。
・・・・・
スマホにメモ機能あるのすっかり忘れてたよ、文明の利器ありがとう!!!!
魔法について、や忘れそうなことはメモして、カレンダーに日記みたいなのつけました。
というかスマホの日時がそのままなの、気になるなあ。動いているのに。
異世界に来る前の日時なんだろうけど。ま、細かいこと気にしてたら始まらないか。
そうだ、スミレちゃんのお母さんからもらった、キラキラの葉っぱ、鑑定しよう。
「キラキラの葉っぱでてこーい」
何度やってもこの収納面白いな。
魔法少女になった気持ちになるよ、少女という歳ではないけどさ。
さてさて、何が出るかな〜
『鑑定不能』
できないんかーい!
で、できないんかーい!
思わずノリで突っ込んでしまったよ。なんでやねん。
じゃ、鑑定ついでに拾ってきたものも鑑定しますか。
『ラーレ
ベリーに似た実
食べると下痢が3日ほど続く』
あー…、今度こそベリーだと思ったけど、違った。
ブルーベリーに似てるやつ、またしても、というよりも前のは麻痺で今回は下痢なの、両方とも嫌じゃん。
この間の食べられないやつと一緒にまとめて端にでもおいておこ。
袋が作れたらそこに入れて武器にしよう、そうしよう。
『アポーの果実
栄養価の高い果実』
お、りんごに似たやつ、名前もアポーとか覚えやすい!
これ食べておけば生きていけそうじゃん、今度からもう少しもってきますね。
まだお腹は減ってないから簡易鳥居に食べられるやつはお供えしておこ。
ご利益ありますように、何卒よろしくお願いしますね、神様。
石や枝なんかも一通り鑑定しておくか、ただの石と枝だけど。
名前別に並べておこう。
『枝
ポララコの木の枝』
『蔦
ただの蔦
紐やロープの代わりになる』
『石
ゴーレムの頭』
『葉
ポララコの木の葉』
……ん??石がゴレームの頭だと。
なーるほどなるほど、なーんも分かんない。
ゴーレムねえ…
さくさくとすすめてはやく街にでたい