さんじゅうよん
ちょっと長くなってしまいました
うまいことローズさんにのせられた気がしなくもないけど、安全は保証されてるらしいし、サラさんもいるし、家族旅行だと思おう。
…そうでもしないとやってけないからね!
精霊って森から出ちゃいけない、とかあるのかな。スミレちゃんやナツメくんも誘ってみようかな。
お金は手に入ったけどまだ買い物できてないんだった。
その前にエリックさんとご飯だ!
副隊長だし、美味しいもの結構知ってそうだから楽しみだな。
・・・・・
時計台の広場についた。
そういえば時計を作る職人は魔道具の職人っていってたし、時計は魔法で動いてるのかな。
そうじゃないと雨と心の時間はいつ動かすのか、とか分からないもんな。
「待たせたな」
お、エリックさんきたきた。
「お仕事お疲れ様です。私たちも先程きたばかりなので待ってないです。ね、ハクくん」
ワフン!
いいお返事!ちゃんと意思疎通ができてるっぽくて嬉しい。賢い。
「じゃ、早速行くか。俺、腹ペコだよ。サラと『山盛りどんとこい』に行ったんだよな。じゃ、俺とは『海より深く潜れるか』に行くか。ちょっと歩くけどいいか。楽しみにしててくれ」
ずんずんと要塞の中央に歩いていく。商店街みたいなのもあるし住居もあるし、本当ここが森だって分からないくらい栄えてるよなあ…
「きょろきょろしてるとぶつかるし逸れるぞ。迷子になったら困るからな、仕方ない」
おおう、手を繋がせて貰っちゃいましたね。完全に親子だ。
身長差がやんばいことになってますね。
…夫や息子以外の人と手を繋ぐのいつぶりなんだろ。
トキメキはしないけど、安心するね、人肌。
エリックさんは人じゃなくて虎だけど。
道中楽しくお話してたらあっという間につきました。
気にしてなかったけど歩幅も合わせてくれてたんだよね、サラさんもそうだったけど、みんな気を遣ってくれてありがたい。
外観がね、魚のかたちしてるお店なんだけど、多分ここなんだよな。
入口が魚の口だよ、面白いんだけど、ここ森なんだよな…
「着いたぞ、驚いただろ。ここだ」
「…魚のお店なんですね、外観も。とっても楽しみです」
あー、誰もいなかったらカメラで写真を撮りたい…。これは保存したい外観だ。
子どもたちは喜びそうだなー。今いないけど…
「さ、入るぞ。こっちだ」
口から入ってみたら中は普通のお店でした。なんでやねん!
外観からいったら壁紙も魚があるとか!期待するじゃん!
ただのレストランです…
「ははは、初めて来る奴はみんなその顔をする。俺も初めて連れてきてもらったときはなんでだー!って思ったぞ。お、フィーがいる。おい、フィー!来てやったぞ!いつも頼む」
フィーと呼ばれる方は頷いて厨房にいった。
コックさんなのかな、虎さんだったよ。
・・・・・
「さ、沢山食え」
机の上にはところ狭しの並べられた魚料理たち。
魚の煮物?みたいなのとか焼き魚、あとはなんか細かくしてるのかな、よくわかんないけど、美味しそう。
ハクくんにも個別でもらいました、パンと魚が煮込んであるやつだね、ハクくんのは。
「ありがとうございます、いただきます!」
お魚、めちゃくちゃ美味しい。レーズンみたいなので煮込んであるやつ、酢豚にパイナップル系だと思ったけど違った。
おいしーい!
「これ、美味しいですね!なんのお魚なんですか」
魚の名前聞いてもわからないだろうけど今後どこかで食べることもあるかもだから覚えておこう。
「喜んでもらえて何より。あーなんだろうな、おい、フィー!この魚なんだ?」
厨房にいるフィーさんに声をかけるエリックさん。
虎繋がりの知り合いかな?
「…カッキマログの成体」
はー、カッキマログね、覚えました。ありがとうございます。
久々のお魚だ、うまうま。
「…ヒトミ、お前ルーズベルト様に会いに行くのか?」
真剣な顔して何かと思えば、なるほど、もう連絡がいったのかな。
伝達をどうやってるのか謎だけど。魔道具とかあるのかな。
「はい、ローズさんに頼まれたので」
神妙な顔をしてる。
あ、サラさんをお借りするからシフトの問題か?
「そうか…次の雨の日が終わってからだよな、俺も連れてってくれないか」
んーーー、どうしてそうなったのかな。副隊長だし、なんなら冒険者ギルドの次のギルドマスターだよね、この人。
サラさんいるから充分だし、もふもふはハクくんいればいいからな。
いくらもふもふでも人だからさ、勝手に触るわけにはいかないと思うのよね、セクハラ!だめ、絶対。
「…ローズさんに相談してからでもいいですかね、私一人では決められないというか」
「そこをなんとか!頼む!俺は結構使えると思うぞ、護衛もできるし。サラも行くんだよな、なら、俺も連れて行ってほしい。な、俺の耳いくらでも触ってもいいから」
はー、バレてた。よく耳をみてるの、バレてた。
トラの耳って丸いイメージあったけど、丸くないんだね。
…耳を触り放題?いや、でも成人男性の耳よ?絵面もそうだし変態だよね、やめておこう。
「…めちゃくちゃ気になりますけど、お断りしますね。お土産買ってくるので要塞で待っててください」
理性がある大人だからちゃんと断りました。
気になるけどさ、人の耳触るの、駄目でしょ。ハクくんは別です。
「ちぇっ、絶対に面白いことが起こると思ったのに。イリヤ隊長も着いてけっていうからなー、ま、ヒトミがだめって言うなら大人しくしとくわ。お土産楽しみにしてるな」
「ちぇってなんですか、もー。というよりもなんかこうもう少しエリックさんってカッチリしたイメージあったんですけど、口調?雰囲気?が変わったんですかね」
「あー、仕事中はな、流石にちゃんとしてるけど。あとヒトミが成人してるってわかったからな。未成年にだらしない姿を見せるわけにはいかないだろ?」
…だろ?っていわれても困るけど。
「はぁ、ルーズベルト様はどうでもいいけど、娘のエマ様は可愛らしいお方なんだよな。花の妖精みたいな…ちょっとわがままだけどそこもいい」
「そういえば、ルーズベルト様について何も知らないんですけど教えていただけませんか」
「あー、そうだったな。そうだな、ルーズベルト様というのはここら一帯の領主でな、辺境を任されるくらいには優秀だ。ここがパシニタン国でモークの森は厳密に言えばこの国の領土ではないんだ。今この国のものにしようとしてるってとこだ。ま、それはいいか。でな、奥様が2人と子どもが3人、女の子2人に男の子1人がいる。正妻の子が女の子でエマ、側室の子どもの男の子がマイケル、女の子がルーナだ。年は確か7歳だったか…?忘れちまった、とにかく小さい。忘れてた、ルーズベルト様は人族だった。うんうん、人族にしてはガタイがいいぞ」
…人族で奥さんが2人いて子どもが3人、エリックの押しが正妻のエマ様ってことかな。
「正妻と側室が仲悪いとかあるんですか?」
物語だとよくるやつだけど、この世界だとどうなんだろ。
「実際のところはわかんねーけどな、見たところ仲良さそうだぞ?そうじゃないと辺境なんてとこ、なかなか治められないならな」
…ほー、奥さんたちも有能ではあるのか。
内心はどうとか分からないけど、、、
にしても、貴族って面倒くさそうだねえ。
まだまだエリックさんのターン!




