にじゅうはち
評価やブックマークありがとうございます。
これからも頑張ります
目指せ快適なスローライフ
くよくよ悩んでいるとハクくんがやってきた。
クゥーン…ワフ…
よしよし、君は石鹸の香りがするね、一緒にいようね。
悩んでいてもしょうがないし、やることやるぞー!
神様が楽しめっていうんだし、なんか楽しいものがあるのでしょう、きっと!
お金を程よく稼いで、美味しいもの食べていく。
この世界ではその方針でいきましょう。
折角拠点もあることだし、リタイア後の練習にスローライフを送るのもありだよね!
・・・・・
スマホをいじってるから採取したものを鑑定。
高そうなのも数点あったから、売ったらいいかな。
特にこれとかが高そう。
『フーリーの藻
乾燥させて煎じると高価な薬の原料になる』
石にくっついてたんだよね!嬉しい。
そうだ、レンゲちゃんとハクくんのことも見させて貰えないかな。
「二人とも、鑑定させてもらってもいい?」
二人ともから了承が得られたので、いざ鑑定。
『ゴーレム
名前 レンゲ
契約主 ヒトミ
親和度 70』
『ホワイトウルフ
名前 ハク
契約主 ヒトミ
親和度 90』
詳しく説明が出るわけではないのね、親和度があるのはなかなか嬉しい。
久々に私もやってみるか、アシスタントじゃなくてカメラで鑑定だとどうなるんだろ。
『ヒトミ=サカイ
種族 人族
1年契約の遊び人』
こちらでは魔力とかがわかるわけではないのね。
ということは、鑑定したものをアシスタントに聞いたらまた答えが変わったりするのかな、あ、暇つぶしできそう。
星の時間は鑑定とアシスタントの差異を調べたり、魔力の練習とかにあてようかな。
魔力の練習、そのうちよくある創造魔法とかつくれたらいいな。
・・・・・
「…ママ、お客さん」
んん、部屋で魔力の練習してたらレンゲちゃんが呼びに来てくれた。
お客さん…?心当たりは全くないんだけど、誰だろ。
「はーい、今行きますね」
ハクくんも一緒にきてくれるのか、ちょこちょこ歩いてくる。癒やされる。
「レンゲちゃん、お客さんってどちらにいるのかな」
リビングにいるレンゲちゃんに声をかけてみる。
誰もいないんだけど、ホラーかな。
「チッ、俺の姿がみえないのか。ほら、前になんかでみてただろ。あれでみてみろよ」
あ、この声は少年。
スミレちゃんのお友達か。
そんじゃ、失礼しまして、、「スマホよろしく」
うん、みえたみえた。やっぱりあの少年だ。
「こんばんは、少年。この間ぶりですね。いらっしゃい。今日はどうしたの」
少年に話しかけるとなんだか気まず気な感じできょろきょろしている。
これは何か話したいことがあるけど会話の糸口が見いだせない、ってことだね、おばさん30年以上も生きてるから何度かみたことあるよ。
しょうがない、人肌脱ぐか。
「あー、レンゲちゃん。お茶と食べ物用意してもらってもいい?お願いね。あ、こちらはレンゲちゃんっていってスミレちゃんから核をもらってできたゴーレムです。で、こちらの足元にいるのがホワイトウルフのハクです。少年は名前がないんだっけ…名前がないと不便だから何かあだ名をつけて呼んでもよいかな。少年呼びでもよければそれでよいいんだけど」
レンゲちゃんにおもてなしの用意をしてもらって、少年と対話を試みる。
素直に話してくれるといいんだけど。
「む、まあ、いいだろう。特別に!特別に許容してやる、立派な名をつけろよ」
…もしかしてお友達になりにきたのかな、スミレちゃんが私にばっか構ってるからヤキモチ的なやつですかね。若いっていいねえ
「じゃ、お言葉に甘えまして…ナツメでどうかしら」
名前をいった途端に左手がぽかぽか。膜も一緒に包まれた。
『ナツメとお友達の印』
お友達認定をいただけたみたい。
膜につつまれたということは…スマホなしでも見えてるー!
少年、適当な名前でも許容する気満々だったでしょ、どうしたんだ。
ま、名前つけてもらうことがこの訪問の目的ではないだろうし、お話しましょ。
「ありがとう、ナツメくん。スマホがなくても見えるようになって嬉しいよ。それで、今日はどうしたの。スミレちゃんは今はいないよ」
「あいつは関係ない。いや、関係はあるけど…」
なんだか煮えきらない態度だ。どうしよっかなー
ナツメ少年と仲が良いわけでもないし、何しに来たんだろ。
「…はい、お茶、です。…これ、美味しいやつ、です」
おお〜、ナイスアシストだよ、レンゲちゃん!ありがとう!!
ありがとう、美容効果の高いお茶。美味しいやつの方は食べられないものも並んでるけど、魔力を食べるレンゲちゃんが美味しいって言うなら美味しいんでしょう、多分。
「おう、ありがとな。」
んー、ちょっと生意気だけど素直で良い子っぽい。
どうしたんだろうなあ…
お茶を飲んでたりするナツメくんをぼけーとみてたら、目を合わせずにボソリと、話しだした。
「突然の訪問悪かった。先にあいつが成長して、少し焦ってしまって、俺もあいつもずっと停滞しててこのままでもいいかとも思ってたんだが、あいつが一人前になるなら、俺も一人前になりたいし、どうしたらいいのか分からない。最近あいつがキラキラしだして、そのキラキラにヒトミが関係あるとかいってて。俺もヒトミと関わってたら成長できっかな、と思ったらいてもたってもいられずに…俺のが先に生まれたのに」
要約するとスミレちゃんの手足が草っぽくなってたのをみて焦ってるってことかな。
私はあまり関係ないんじゃなかろうか、スミレちゃん好きなことやってるだけだし。
「いつでも訪問は歓迎するよ。私も関わってたからスミレちゃんが成長できたわけではないの思うよ、多分だけど。好きなこと沢山してたら成長するんじゃないのかな。精霊のみなさんがどうやって一人前になるのか分からないけど、好きなことやって色んな経験をして大きくなっていくんだよ、多分」
…子育てあるあるだ。子どもが悩んでてアドバイス。
ま、まだうちの子たちはそこまで大きくもないし思春期のときには相談とかしてくれるか分からないけど。
「そうか…好きなこと。あいつと違って俺は好きなことがよく分かってない。立派なことをしたいし、母みたいになりたいとは思ってるが。どうしたらいいのか分からない」
「そんな真剣に考えなくてもいいんじゃないのかな。心が求めるままに自由に生きていいんでしょ、精霊って。悪いことはダメだろうけど、それ以外は何してみてもいいんじゃない?お母さんみたいになりたいなら、お母さんに聞いてみたっていいし。楽しいって思えること、挑戦してみたら?」
「……む、難しいな、それは。立派なやつは失敗なんてしないんだ」
あー、完璧主義ってことね、この子。
「失敗しても大丈夫!失敗は成功の母って言葉が私の住んでるところにはあってね、失敗が成功に繋がるのよ。まずは行動してみたら?何したいとかあるの?」
「わからん。分からないが、このままヒトミといたらなにか見つかりそうな気がする。一緒にいてもいいか?」
あら、それはそれでいいんだけども。レンゲちゃんとハクくんにも聞いてみないとだ…あ、二人ともいいのね、精霊は敬われる存在っぽいのね、憧れなのね、はい。
「二人もナツメくんといるの嬉しいみたいだし、私ももちろんいいよ。じゃ、お部屋とか作ろうか!どういうお部屋がいいかな」
精霊は基本自由だもんね、スミレちゃんよりも対話ができるけど。
年下にみえるけどこの子も数百年とか生きているんだろうなあ…
ま、何にせよ洞窟に1人また住人が増えました。
賑やかになってきたねえ
本当はもっと街にでたり文明がある生活をしたいです