転生者
遅くなりました。
分からない…… だってお母さんは…… じゃあ、やっぱり父の?
「どうしたんだ? ベル、何かあったのか?」
「いえ……」
あれから三日経ち、今、村を出発するところです。あの宴は三日間続きました。結局、毎日倒れるまでお酒を飲むという事を繰り返して大変でした。ほんと懲りない性格です。
「気を付けなよ! あんちゃん」
毎日トウヤさんとお酒の強さで競っていた村の人、
「小僧! 嬢ちゃんを幸せにさせろよ!」
「いや、俺たちは新米夫婦か!」
ダガルさんにツッコミというものを入れるトウヤさん。ツッコミは漫才という芸当におけるスキルらしくトウヤさんから教えてもらいました。
他にも別れの挨拶が飛び交う中、人混みに紛れた老け込んだ女性を見つけた、占い師のおばあさんだ。
「トウヤさん、少し行ってきます……」
トウヤさんの周りには人が多く集まっていたから聞こえたかは分からないけど、
「おばあさん……!」
人混みを搔き分けて近づいていき、
「私にも名前はあるのだけれどもね」
「すっすいません……知らなくて……」
「いいよ、頭を上げな、老いぼれの悪戯とでも思っておくれ」
そうして私は下げていた頭を上げた。
「で何のようだい?」
「名前を……、教えて……もらえませんか!」
「私のか?」
「いえ、妹のです……」
探すにしても何もわからなければ探せないし。
「そこまでは分からない、多くのことは分からないのだ、しかし青目で黒髪の十歳くらいの女の子ということなら分かるが」
それだけ……
「ああ、それだけさ、だが青目というのは珍しいのさよ あとこれを持って行きな」
そういって、私は木製のカードを渡された。何か文字が彫ってあるようだけど。
「それがあれば私との知り合いと証明できるだろうさ、最後に私の名前はアルサ・グレーデルサ。またの名を如月 風花だ、では気を付けてな」
そういってアルサさんは人混みに帰っていった。じゃあ、私も戻ろうか。
「おかえり、ベル 誰かにあってたの?」
「はい、占い師のアルサさんに」
私が戻ったころには、周りに集まっている人は減っていて容易に話しかけられた。
「トウヤ殿に来ていただかねば我々は無事ではなかった、村を代表して改めてお礼を申し上げます、本当にありがとう」
お爺さんが頭を下げた、この人はこの村の村長だったはず。
「じゃあ、皆さん、さようなら! また会いましょう!」
そうして私達は村を出発して、また次の村へと旅を始めた。
「トウヤさん」
「何だ?」
「名前が二つある人って結構いるのですか?」
アルサさんは二つ名前を名乗ったのが引っかかっていた。
「どうしたんだ急に?」
「アルサさんが、名前をもう一つ教えてくれたんです」
「何て?」
「キサラギフーカと」
「え!?」
「どうかしたんですか?」
発音しにくいことを除けば、別におかしいとは思わないですが、
「如月って?」
「はい」
発音がアルサさんと同じだった。
「その人も転生者かもな」
「テンセイシャ?」
「ああ、俺は前世の記憶があるんだよ――――」




