想定外
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私は返事の後、魔物に一直線に駆け寄る。この魔物の攻撃手段の一つである長い舌を切り落としたので、接近したときの足を使った攻撃に注意すれば、後はなんてことはない。
しかし、近くまで来てもその蛙のような魔物はピクリとも動かない、顔色を変えないように。いや顔色というか全身青色だけど。
それは、いいとしてもおかしい、まるで何かを待っているかのようにじっとしている。魔物も獣同様に生きている存在で本能がある。そして、今自分の命の危機だというのに逃げようともせず動かない。そこで私は前後に動かす足を緩めてその魔物と一定の距離を保つようにして背後に周る。それでも魔物は動かない。
「アルカ、お願い」
遠距離からの攻撃で様子を見たほうがいいかな。
「分かったさ、けど少しおかしいさ」
その異様な様にはアルカも気づいていた。トウヤさんは……特に表情の変わりはないみたい、あくまで見守ってくれているだけよう。
そして、アルカは毒矢を放った。それは真っ直ぐ魔物の額(?)を目掛けて飛んでいく。
「「「え?」」」
私とアルカそしてトウヤさんと全員が同時に声を上げた。
矢はそのまま魔物に突き刺さる直前の位置まできていてあと1秒もする間もなく魔物を射抜くはずだった。
しかし、その蛙の魔物は豚を丸呑みできるような大きな口を開き食べたのだ、矢を。
すかさず私は後方へ下がり魔物から更に距離をとった。毒ですぐに動けなくなると思うけど、直感的にそうしなければいけないと思った。何体もこの種類の魔物を倒したけどこんな事をしたのはこの魔物が初めてだ。
そして、逃げ出したくなるように静かになった部屋で最初に動いたのはその魔物だった。
魔物の皮膚の色が茄子よりも濃い紫色になり、一回り体が大きくなった。そして挙げ句の果てには背中から紫色の長い足が生えてきたのだ。
「あれは?」
あまりにも異様な光景で、私はトウヤさんに視線を送る。
「俺にも分からない! 念のため、遠距離攻撃だけで仕留めよう! ベルこっちに!」
私はトウヤさんの指示通り、回り込む様にトウヤさん達がいる方向に走り出した。
ゲェコォーーンというカエルと狼の混ざった様な遠吠えをして、こちらに一瞬で近寄ってきた。
「え!」
すかさず私は大鎌を振った。
振りかざされた、鎌は魔物の背中から生えている足と前足を一本ずつ切り落とした。
私はその間に後退する。
強くなっている!?
「毒が効いてないさ……」
アルカがそう声を上げる。
それと同時に、
「え」
「何!」
「ほんさな!?」
三人の声が同時に上がる。ちなみに最後はアルカの方言は「嘘!?」という意味。
何が起きたかというと、切られた手足が再生したのです。
「あれを使う?」
「一か八かさね、けどトウヤがいるから失敗しても大丈夫さ」
作戦とは、一階層から二階層に来るまでに考えていたものでいわゆる、連携技。
「行くよ!」




