忌み子と呼ばれて
稚拙な文章ですが、読んでいただけると嬉しいです。
突然ですが、私は今死にそうです……
路地裏で倒れていて立ち上がる体力ももうない。
でもそれが怖い訳ではない、私は忌み子、逆に生きていることがいけなかった。
♦︎♢♦︎
私は小さな村で生まれた。しかし、生まれながら私の髪は白色で瞳の色はエメラルド色。それは昔、世界を滅ぼそうとした魔王そっくりだったそうで、私は忌み子と呼ばれた。
父は生まれてきた私を見てすぐに家を出て行ってそのまま帰って来なかったらしい、だから私は父の顔を知りません。
それから母は私を連れて村から出て違う村に引っ越して私を隠して育ててくれました。
しかし、5歳の誕生日の前日、母は村の人に殺されました。見つかってしまったのです。母は私を逃すために犠牲になったのです。
「お母さん……私のせいで……」
私は必死に逃げた、しかし森に入って力尽きた。
「ここは……?」
私は目が覚めると檻に入れられていました。檻は少し錆びていて、冷たかった。
「やっと起きたか?」
「あなたは……?」
最初は助けてくれたのかなって思った、けど私を見るその男の人の青い目は冷たいものだった。
私は奴隷商に拾われたのです。これが地獄の始まり、いや生まれてきた瞬間から地獄だったのかな……
それから間も無く私は最初の家に連れて行かれました。
「聞いていた通りだが、気持ち悪い見た目だ、じゃあ、あの部屋の掃除をしておけ!」
小太りの男性は奥の部屋を指差して私を怒鳴りつけた。この人が私の最初の主人だった。
「はい……」
「返事が小さい!」
「ゲホッ」
私は主人に蹴飛ばされた。吐きそうになったが、吐くほどの物は食べていなかったので吐くことはなかった。
「早く立て! 掃除をして来い!」
私は激痛に耐えながらヨロヨロと立って屋敷の奥の部屋に向かった。
なんで……?
カサカサカサッ
「ひいぃっ!」
食べかけの料理や野菜の一部が無造作に捨てられていて虫も多く群がっていた。
ボロボロのほうきが部屋の隅に置いてありそれを使って生ゴミを集めた。作業中、虫が体に這いつくばって気持ち悪かった。
キイィィンン
古い木製のドアが不気味な音を出しながら開いた。
「終わったか?」
「はい!」
喉を振り絞って返事をした。水を飲んでいないから少し声がかすれていた。
「虫も殺しておいてくれ、お前同様気持ち悪い、消えればいい。あと飯はそれで夜はここで寝ろ」
そういって主人はカゴに入れられて生ゴミを指さした。
「えっ……」
「文句があるのか! 主人が飯をやるといっているのにか!」
主人は激昂し、私を掴んでカゴに放り投げ部屋から出て行った。
カチャン
ドアの鍵を閉めたようで、中から開けれなくなってしまった。
それから食べ残しを食べてゴミだめ部屋で寝て起きたら重い物を運ばされたり、ゴミの処理や掃除さらに洋服の修繕などの雑用をこなす日々が続いた。
「もっと力をつけろ」、「もっと速くしろ」と文句を言われながら出来る限り仕事をこなしたが、非力な幼い少女には厳しいものだった。
「こいつは酷い! 覚えるのが遅いし、仕事も上手くこなせない! 訳ありで安かったから買ってやったのになんだこいつは! 気持ち悪いだけだ、どっか行ってくれた方がマシだ!」
散々叩かれ殴られた挙句、私は奴隷商に戻された。しかし、それから間もなく新しい家に連れて行かれた。もうこの頃にはあまり何も思わなくなった。
新しい家は小さい子供がいて階段の掃除中、後ろから押されて転げ落ちて怪我をした。
けど治療して貰えるはずもなく、痛みに耐えながら仕事をこなした。雑用と不味い食べ物には慣れてきた。
「気持ち悪い視界に入るな」というようなことを言われたりした。前回の家より扱いは少しマシだった。
しかし結局は2ヶ月ほどで気持ち悪いと奴隷商に返された。それから何年もそういう生活を繰り返した。
「お前はもういらん! 少しは金になるかと思ったが全く使えない! 気持ち悪い!」
私は奴隷商に捨てられた。街の路地裏に捨てられてほとんど残されてない体力でもしかしたら助けてくれるかと教会に向かったが入れることもしてくれず、また路地裏に連れていかれて投げ捨てられた。
♦︎♢♦︎
これで全部終わる……ごめんねお母さん……
失っていた感情が少し蘇ったのか、悲しかった。あのとき私の身代わりとなってくれたけど結局は死んでしまう。
ふとそこで母に言われたことを思い出した。
「いつか貴方にも優しい人が現れるわ、それまでは頑張って生きてね」
ごめん、お母さん……叶わなかったよ……
涙がアザだらけの顔をゆっくりと流れていく、その涙が下にいくほど意識も遠のいていった。
「えっ!? 大丈夫?! ねえ、大丈……」
誰かが来たみたいだった。しかし、涙が地面に落ちると同時に私の意識は深い闇に導かれた。
フワフワ? 懐かしい感覚…… 重たい瞼をゆっくり開けると暖かい日差しが差し込んできた。
「あっ起きた?」
「っ……」
その声は気を失う直前に聞いた声と同じだった。
「体は痛くない? 回復魔法は一応かけたんだけど」
ベットの横に置いてある椅子から立ち上がった10代後半か20代前半くらいの男性が立ち上がってベットの横に腰かけた。
「あなたは……?」
奴隷になってから人の表情をよく観察するようになったけど、優しい雰囲気がこの男性にはあった。しかし見ず知らずの人には警戒を緩めてはいけない。
「ごめんごめん、俺は田中、冒険者を一応やっているよ」
「どうして私なんかを助けた……?」
私の容姿は誰からも気持ち悪いと蔑まれてきた、しかしその男性は顔色変えずに返してきた。
「えっだって女の子が倒れてたら男だったら助けるでしょ?」
逆に私がおかしいのかと疑うくらいに平然と聞き返してきたので私は驚いた。
「だって私の髪と瞳は……」
少し容姿のことを考えると色々思い出して気持ち悪くなった。
「綺麗な色で可愛いと思うよ」
「え?」
私の髪色、瞳の色が綺麗……それどころか可愛い? おかしな人だなと私は思った。意識せず口角が少し上がった。久しぶりに笑った。
誤字等ありましたら、教えてくださると嬉しいです。




