心の形
今回は少し短めです。
「じゃあ、ベルは何を使いたい?」
「そうですね……」
私でも使える武器はあるのかな。
そんな剣など握ったことなどないですし。
しいて言うなら斧なら薪を割るのに使いましたが。
「じゃあ、これとかどうだ?」
紫の門がトウヤさんの横に開き、そこから透き通って泡一つない硝子でできたよう棒が出てきた。
「これは?」
「まあ、受け取ってみて」
そういわれるまま、私はその硝子の棒を受け取った。
「うわ!」
それと同時にその棒が光り輝いた。
私は思わず目を閉じた。
そして間もなく光は消えて目を少しずつ開けた。
「え?」
ついさっきまで、あの硝子の棒を握っていたはずの右手には今、私の小柄な体格には似合わない大きさの硝子の大鎌が握られていた。
「驚いたか? まあ正直言うと俺も驚いたけど」
「はい、これは?」
私が持った途端、形が変わった。
こんなものは初めて見た。しかも、たぶんとても高価なんだろうな、私が使っていいのかな?
「前話した俺の師匠から最後にもらったもので、卒業記念みたいな。それで、それは使用者によって姿を変える武器『心映し』。それで俺の場合は全く変化しなくてな、だから俺には使えないものだ」
「トウヤが使えないのには理由があるんですか?」
そんな、トウヤさんが使えない物を私が使えるのかな。
さっきトウヤさんも驚いたって言ってたし私が使えるのが珍しいのかな。
「よく、分からないけど師匠曰く半端者だからだって」
トウヤさんが半端者?
「それで、いつか使えるようになったら使うか、いつか出来る仲間に渡せって、普通は使えるからってな」
「それでは何に驚いていたんですか?」
さっきの考えが違うなら、
「形だよ、師匠からの聞いたのだと形とか大きさは違うが、剣、槍、弓、盾のどれかになるって聞いていたからな」
「じゃあ、私のは何故大鎌なのでしょう?」
「何故か分からないけどそれがベル自身の形ってことだと思うよ」
「ごっめーーんさーー!」
アルカが帰ってきた。国の街から出て迷宮に向かっているときにアルカが忘れ物をして取りに帰っていたのだ。
「じゃあ、行くか!」
「いくっさ! それよりその鎌はなんさな?」
「トウヤからもらったの」
「いいさな、トウヤ私にも何かくれるかなさ?」
「いいよ、何がいい?」
そう2人がやり取りをしている間に私はさっき言われたことを考えていた。
私の形は大鎌。刈るって意味だとしても分からないけど……
そして間もなく私達は、迷宮にたどり着いた。




