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エルフの森

「おい、止めてくれ! 女の子がいるのが見えないのか!」


 あれ? 私、気を失ったんだったっけ。温かい、ベットとは違う心地の良い感覚。

 重たい目蓋をゆっくり開くとそこには大きい背中があった。


「とっトウヤさん!」


 全く状況が掴めない……

 見たところ、気絶していた私を背負いながら男の人からの弓矢の攻撃を避けている、どうしてこうなったの?


「起きたか! ベル、動かないで!」


 私の安全を考えて言ってくれてるのだろうけど。


「白い髪にエメラルドの宝石の様な綺麗な瞳……!」


 私に気が付いた途端、攻撃がピタリと止んだ。


「女王様!! 無事で居られたのですね そして申し訳ありません、女王様に武器を向けた非礼、私の命をもって償います」


 そう言ってその男性は3本の矢を右手で握りしめて首に向けた。


「待って!」


 反射的に声が出た。そしてトウヤさんの背中から降りる。

 そんな自ら死ぬなんて、駄目!


「ではどうすればよろしいでしょうか?」


「えっと……」


 そもそも女王とかじゃないんだけど…… トウヤさんに助けを求める目を向ける。


「あのさー、多分人間違いだと思うんだけど」


「それはない! 私達が女王様を見間違える訳がない!」


 実際、見間違えてるんだけど。


「本当ですよー……」


「では皆を呼んで参ります!」


 そう言ってその男性は村の方へ走って行った。


「聞いてないな」


「そうですね」


「そういや、覚えて……いや、何でもない」


 何かあったんでしょうか? そういや私はどうして気絶したんだろ。


「ベルってエルフの女王やってた時期とか無いよな?」


「ある訳無いじゃないですか、あとエルフって何ですか?」


 先程の人をエルフと呼ぶのでしょうか。


「簡単に言うと健康優良男児の夢、あいつは男だったけどな」


 そしてトウヤさんはその言葉を噛みしめる様に言い、感慨深い顔をしている。


「えっと……詳しく言うと?」


「さあな、俺もこの世界のエルフには詳しく無いから」


「そーですか」


 この展開、この前もあった様な……

 そうしていると先程の男性が20人ほどの人を連れて帰って来た。


「本当だ……女王様……!」


「御無事で何よりです……!」


 各々、女王様と私を呼び無事を喜び泣いたり私にただ驚いたりをしていたが、その女王様が皆から慕われていたと言うのは全員共通だと分かった。

 今の状況で否定するのは難しく結局できず、集落に案内された。


「どうしたら、いいでしょう?」とトウヤさんに耳打ちしてみたけど、「成り行きに任せよう、それにこのままの方が都合がいいかも知れないしね」という曖昧な返事をしてきたので私が頑張るしか無い。


 そして私達は結局、木造の今まで見たことない造りの建物に案内されて、その建物のなかでも一際大きな部屋に案内されて、先程までいた人達は長老を呼んできますと出て行った。


「でも不思議なんだよ」


 先に沈黙を破ったのはトウヤさんだった。


「何がですか?」


 今気がついたけど、私トウヤさんなら物怖じせずに話せる様になってる。


「いや、いくら髪の毛や目の色が同じで似ていても耳は違うはずだ、俺が知っているエルフならな」


 トウヤさんの元の世界にこの人達に似た種族がいたということなのかな。


「でどういう風に話したらいいんでしょう?」


「それっぽ……」


 大体分かっていましたが、やっぱりですか。


「分かりました」


「ええー最後まで聞いてくれー」 


 トウヤさんって最初にあった時こんな感じだったけ? 今の方が好きだけど。


 すると扉の向こうから足音が聞こえたので会話を中断する。

 そして扉がノックされた。


「はっ入って下さい!」


 女王様みたいな振る舞いを、出来る限り頑張ろう!

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