線香花火 GolDRush
青空に突如現れた巨大な穴、禍々しくも生々しいともとれる奇妙な大穴は、神話の時代から伝えられている世界の終わりを示す予兆だった。人々はやがて訪れる世界の終わりを黙って見過ごすことを是とせず、あらゆる知識を結集して終末を回避するすべを模索した。
それによっていくつもの手がかりを発見したが、そのすべてが示し合わせたかのごとく廽工業に答えがあるという。
地球上の資源を全て食い尽くしてもなお増築が止まらず、さまざまな惑星も資源とし始めたと囁かれる巨大な塔、廽工業に何があるのかは誰も知らないが、世界の滅亡を止める手立てがあるのなら人はそれにすがらざるを得なかった。しかし、誰もが廽工業に挑戦できるわけではない、統治企業たちが廽工業に対する挑戦を一般市民に対して規制をかけたのである。
伝承は一部の人々が内容を脚色したせいもあり、世界の終焉を回避する力を手にしたものは世界を統べる力を持つという形で広まってしまい、世界はゴールドラッシュを彷彿とさせる大盛り上がりをみせた、そこに統治企業たちの規制によって一部の市民たちは企業の影響を受けない独立した集団として、廽工業に挑戦をしようと試みたのである。