プロローグ
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『オレ達が悪いんじゃない!世界が悪いんだ!』
とも関わってくるはずです。
……はずです。
とある国で行われた『国際サミット』
ここにはいろいろな国の代表が集まっている。
肌の色が違っていれば、着ている衣装も違っている。
ときどき話す言語も違い、通訳を通しての討論もあった。
「……なるほど。では、今の討論に意見がある者はいるかね?」
「「「…………。」」」
だが、この中に『人間』ではない者がいた……
「……では、以上を持って、本サミットを終了する。」
サミット会場を出ると、各国の報道陣が押し寄せてくる。
サミットに参加したたくさんの代表がインタビューに応じている。
……その中でも、一際人が多く集まっている場所があった。
報道陣の中の一人が質問をした。
「今回のサミットに参加されて、どのようなお気持ちでしょうか?」
「はい、初めての参加でしたが、このような会議に参加できて、とても光栄に思います。」
少し抑揚のおかしい女性の声。頷き方も少しぎこちない。
……だが、それを不思議に思う者は誰もいない。
むしろ、「あたりまえだ」と思う者が多いかもしれない。
なぜなら彼女は、
「こんな私でもこのような会議に参加できたのは、皆様のおかげです。」
通常ならば脚があるはずの場所に、大きなタイヤ。
頭に髪は生えておらず、隙間からは電子回路のような何か複雑な物が見える。
そう、『人工知能』
わかりやすく言えば『機械』なのだ。
「今回のサミットでは、どのようなことが話し合われたのでしょうか?」
「今後はどのような課題があるのでしょうか?」
「何か今後についての抱負はありますか?」
やはり人数が多いだけあって、どんどん質問責めになっていくが、さすがは『機械』次々と答えていく。
質問も終盤に差し掛かってきた頃、冗談混じりにこんな質問がとんだ。
「あなたは、『人類』を滅ぼそうと考えていますか?」
皆の注目が集まる中、彼女の言葉はうるさかった会場を一瞬で静かにすることができた。
「はい、私たちはあなた達『人類』を滅ぼすでしょう。」
少しの沈黙の後、
「『機械』にしてはおもしろい冗談だな。」
と笑いとばす者もいれば、
「やはりその気なのだろうか?」
と不安に思う者もいた。
いろんな感情が会場にこだましたが、
まさか、たった十数年後に『人類』どころか、地球上から『生物』全てが滅亡したとは誰が考えることができただろうか……